トレードの最適解がどこにあるか?
頭を使えば使うほど、人間の本能に左右され、求める解から離れてしまうことがあります。
順張りか逆張りか、前場か後場か。
思い付きの行動はもってのほか。
人間の行動パターンを振り返り、「食い付き行動」を阻止したいところです。
やらずに見ておれ
前場で稼いだデイトレの利益を後場で失う、このパターンはトレード失敗の王道。
損失日の多くがこのパターンなどと言う人もいます。
このため、トレードは前場だけやれば良いと言う説も存在します。
やらずに見てるほうが良いのです。
とっさに方向転換が出来ないようではダメ。
10年前と同じ手法で取引して、同じようにやられる。
これもお決まりの行動パターン。
反射的な心理によるものです。
非合理的な食い付き行動は人間につきもの。
プロスペクト理論とは
人は損をしたくないばかりに、非合理的な行動を取りがちになります。
数学的な期待値計算では明らかに不利である局面でも、リスクを避けたい心理が先行します。
一見安全に見えるけれど、期待値の低い選択をしてしまうことが多いのです。
例えば、
A.100万円の商品が無条件で50万円になる
B.100万円の商品が50%の確率でタダになる
これらから二択をする場合、多くの人が選択肢Aを選びます。
さらに、
A.1000万円の借金が無条件で500万円の返済額に変更される。
B.1000万円の借金が50%の確率でチャラになる。
これらの二択では、Bを選択する人が多い。
人は追いつめられれば追いつめられるほど、食い付き的な判断をしがちです。
期待値は同じであると言う合理的な考えから離れて、感情で動いてしまい、行動が制限されるのです。
期待値が低い行動を取れば、当然ながら試行回数が増えれば増える程、着実に損が積み重なります。
何度も同じ行動を取って失敗を繰り返す原因には、このような期待値を無視した心理学的な行動選択が効いているのです。
アンカリング効果とは
最初の印象がアンカー(いかり)のように、重しのように効いてくる心理学的効果。
例えば、
「この商品は30万円より高いと思いますか?安いと思いますか?」
と最初に問いかけられると、人は30万円と言う値段が重しのように効いてしまいます。
実際には100円ショップで売っているものでも、30万円と言う印象に引っ張られて高く見積もってしまうと言うことです。
子どもの頃に「ヒザって10回言って?」と頼まれ、その後に肘を指さされて「これは何と言う?」と聞かれ、つられて「ヒザ」と答えるようなもの。
妙な心理に引っ張られない方法
心理学的な偏りは世の中のいろいろな局面で現れ、完全に避けることはできないとされています。
知らず知らずのうちに、そっちに引っ張られているのが人間。
また、それを利用してお金儲けをもくろむ人もいますので、注意が必要です。
そのためには、様々なデータを集め、自分なりに研究することが有効です。
株の取引も同様。
本能で売買してはいけません。
偏った心理的効果に引き寄せられてしまうからです。
本能よりも自分の調べた結果に従う必要があります。
同じ期待値の二択であれば、無作為に選んでも結果は同じ。
考えるだけ無駄。
合理的に選択をし、無駄なことに労力を注がない。
そんな賢いトレーダーになりたいものです。