2019年5月26日(日)~6月9日(日)に開催されたフレンチオープンテニス。
錦織圭選手と大坂なおみ選手のハイライト動画まとめ。
2018年ハイライトシーンも追記しました。
優勝する可能性は十分ありましたが両名ともに涙を飲みました。
続く全英(ウィンブルドン)に期待しましょう。
2019 全仏オープン・ハイライト
錦織圭ハイライト
第1回戦
第1回戦 【錦織圭 VS Quentin Halys】ハイライト 6-2 6-3 6-4
初戦の錦織選手はなんなく順当勝ち。
格の違いを見せつけました。
第2回戦
第2回戦 【錦織圭 VS Jo-Wilfried Tsonga】ハイライト 4-6 6-4 6-4 6-4
第3回戦
錦織圭 VS Laslo Djere
6-4 6-7 6-3 4-6 7-6
第3回戦は錦織選手が薄氷の勝利。
フルセットの末のタイプレークで、やっとのことでつかんだ勝ちです。
男子は5セットマッチと長丁場。
(女子は3セットマッチ。)
その上、球速の遅い全仏のコートサーフェス(アンツーカー)。
試合が長引き、体力が消耗します。
フルセットに付き合うのではなく、体力を温存しつつ勝ち進み、勢いが維持できれば優勝も十分可能と見ます。
果たして、悲願のグランドスラム・タイトル奪取はかなうのでしょうか。
第4回戦
第4回戦 【錦織圭 VS Benoit Paire】6-2 6-7 6-2(日没による中断後)6-7 7-5
薄氷のフルセット・ブレーク合戦。
2度のタイブレークを奪われ、最終セットも2度のブレークダウンを喫しながら、逆転。
ベスト8に進出しました。
連日のフルセットで蓄積された疲労に上手く対処し、優勝までこぎつけてほしいところです。
準々決勝
準々決勝 【錦織圭 VS Rafael Nadal】1-6 1-6 3-6
クレー王者ラファエル・ナダル選手が相手とあって、全く歯が立ちませんでした。
体格・パワーの差についても、いかんともしがたい面があるとは言え、ここまで圧倒されるとは。
準々決勝にして立ちはだかる最大の壁は、半端ではありませんでした。
続く4大タイトル、全英、全米でリベンジ期待です。
大坂なおみハイライト
第1回戦
第1回戦 【大坂なおみ VS Anna Schmiedlova】ハイライト 0-6 7-6 6-1
大坂選手、フットワーク、身のこなしは1~2年前を上回っています。
しかし、第1セットを一方的に落としピンチに見舞われました。
第2セットはタイブレークにもつれ込みました。
一歩間違えれば、1回戦負けの番狂わせすらあり得る展開でした。
第2回戦
第2回戦 【大坂なおみ vs Victoria Azarenka】ハイライト 4-6 7-5 6-3
2回戦は「これ決勝戦?」と思われるくらいに競りました。
元世界王者のアザレンカ選手が、試合巧者ぶりをいかんなく発揮。
しかし、スロースターターの大坂選手が第3セットで独走態勢に持ち込み、勝利。
若干の不安定さはありますが、優勝できる勢いは十分ありそうに見えました。
第3回戦
第3回戦 【大坂なおみ VS Katerina Siniakova】ハイライト 4-6 2-6
大坂選手、ベスト16ならず。
ファーストサーブの入りが悪く、ミスを連発。
相手のブレークポイントでのダブルフォルトもあり、痛恨の3回戦敗退となりました。
球速の遅いコートで、持ち前のパワーが打ち消されてしまったのでしょうか。
まことに残念です。
しかし彼女はまだ若いです。
4大タイトルをつかむチャンスはいくらでもあります。
2019年全仏オープン決勝
男子シングルス決勝
ナダル選手が余裕の貫録勝ち。
ティエム選手が追随できたのは第2セットのみでした。
男子シングルス決勝 【Rafael Nadal vs Dominic Thiem】ハイライト 6-3 5-7 6-1 6-1
女子シングルス決勝
バーティ選手が4大大会初優勝。
19歳の新星ボンドロウソバに難なく勝利しました。
女子シングルス決勝 【Ashleigh Barty vs Marketa Vondrousova】ハイライト 6-1 6-3
フレンチオープンでの戦い方
フレンチオープンと言うと、テニスの4大大会の1つ。
毎年5月末から開催され、ローランギャロス・スタジアムの赤土コートが特徴。
アンツーカーと言うサーフェス(表面の材質)で、レンガの粉を用いた特殊なクレーコート(土のコート)です。
このコートでは球速が遅く、バウンドが高くなる傾向があるため、コート後方からの打ち合いが有利になります。
不用意にネットに出たのでは、簡単にパッシングショットを決められてしまいます。
従って、全仏では全仏の戦い方をしなければならず、それが4大大会全てを制覇すること(グランドスラム達成)の難しさにつながっています。
コートの特性
コートサーフェスによる4大大会の特徴をまとめると、以下のようになります。
4大大会のコートサーフェス
サーフェス | 球速 | バウンド | |
全英 | 芝 | やや速い | 低い |
全米 | ハード | 速い | 高い |
全仏 | クレー | 遅い | 高い |
全豪 | ハード | やや速い | 高い |
表中の「やや速い」については、人間が感じることですので諸説あります。
例えば、全英の芝(グラスコート)では、大会初日には芝が新しく、ボールが滑るため球速が速くなります。
しかし、最終日に近づくにつれ土が露出し、球速は遅くなります。
全仏については、球速が遅いことについて異論がある人はいません。
コートサーフェスによる影響は、これ以外にもいろいろあります。
全仏オープンの特徴
試合時間
球速が遅い特性により、不用意にネットに出ることはできません。
ボレーをしてもバウンドが遅く高いのですから、簡単にパッシングショットで抜かれてしまいます。
パワーだけで打ち負かすことも難しいです。
戦略としてはコート後方で粘り強く打ち合い、チャンスを待つ必要があります。
このため、試合時間は長引く傾向があります。
足が滑る
ハードコートに比べ足が滑るので、ストップが効きません。
足を滑らせながら、スライディング状態でボールを打つ場合も多いです。
試合時間が長引いてくると、この足が滑る状況が微妙に選手の体力を奪っていきます。
フレンチオープンにはフレンチオープンのフットワークがあり、上手く対処する必要があると言う事です。
天候の影響
アンツーカーと言うコートサーフェスは、雨が降ると水を吸い込みます。
その場合、球速はさらに遅くなり、バウンドは若干低くなります。
もともと遅い球速がさらに遅くなるなどと言う事は、ハードコートや室内コートではあり得ないことです。
風が強い日には赤土が舞い上がることもあります。
状況に合わせて柔軟に対応できる能力が必要となってきます。
審判のコールはフランス語だけ
フランスと言う国は、とても言語を大切にする国です。
数百年前の文法を、そのまま現在に踏襲する施策を取っているのだそうです。
当然ながら、審判のコールは全てフランス語です。
たまに英語で審判に食って掛かる選手がいますが、相手にされません。
クレームを言うなら、フランス語が話せなければなりません。
まことにプライドの高い国、フランスです。
プレースタイルによる有利・不利
プレースタイルとしては、コート後方で打ち合うグラウンドストローカーが有利になります。
ただし、守りに入って打ち合いに徹すれば良いかと言うと、そうではありません。
そんなことをしていては、相手のミス待ちになってしまい、体力を奪われてしまいます。
20~30年くらい前までは、その方法を取っている選手も少なくありませんでした。
しかし、誰しもおそらくは試合時間が長引くことがわかっていますので、消耗戦は避けたいと言う事情があります。
仕掛けるべきところでは果敢に攻める必要があると言うことです。
錦織圭・大坂なおみのプレースタイルは?
いずれの選手もグラウンドストローカーであり、コート後方での打ち合いを得意としています。
このため、実は4大大会の中では一番チャンスがあるのが全仏オープンと言っても過言ではありません。
ネットプレーヤーですら、後ろでの打ち合いを余儀なくされるフレンチオープンです。
ただし、グラウンドストロークに優れた選手はとても多いので、競争が激しいことは否めません。
問題は体力やケガ。
当然ながら何かの故障があれば、長い試合時間について行くことはできません。
万全なコンディションで臨めば、おのずと勝機は見えてきます。
2018年の全仏オープン・ハイライト
錦織圭ハイライト
第1回戦 【錦織圭 VS Maxime Janvier】7-6 6-4 6-3
第2回戦 【錦織圭 VS Benoit Paire】6-3 2-6 4-6 6-2 6-3
第3回戦 【錦織圭 VS Gilles Simon】6-3 6-1 6-3
第4回戦 【Dominic Thiem VS 錦織圭】6-2 6-0 5-7 6-4
錦織圭 2018ローランギャロス【総集編】
錦織選手は、2015年と2017年の全仏オープンで準々決勝まで進んでいます。
2018年は4回戦で涙を飲みました。
2019年は全豪でベスト8です。
ここで一発、全仏オープンで優勝をかっさらってほしいところです。
大坂なおみハイライト
第1回戦 【大坂なおみ VS Sofia Kenin】6-2 7-5
第2回戦 【大坂なおみ VS Zarina Diyas】6-4 7-5
第3回戦 【Madison Keys VS 大坂なおみ】1-6 6-7
大坂なおみ 2018ローランギャロス【総集編】
2018年の全仏オープンでは3回戦で涙を飲みましたが、その後に全米オープンで優勝。
2019年は全豪でも優勝しました。
全仏オープンも優勝を狙うポジションにいます。
しかし、最近の女子テニスはライバルが多いです。
果たしてどこまで勝ち上がれるでしょうか。
のぼり調子の彼女に期待します。
2018年優勝のラファエル・ナダル
2018年、ラファエル・ナダル選手は11度目のローランギャロス優勝。
キング・オブ・クレーの名は揺らぎません。
ナダルと言えば、長きに渡り一戦で活躍してきました。
そろそろ世代交代の時期です。
錦織選手、大坂選手ともに十分優勝を狙えるポジションにいることは間違いありません。
万全なコンディションを期待するとともに、しっかり応援をしていきたいところです。