最近の相場が難しい理由

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最近の相場は難しい、そう思う方は多いでしょう。

逆に、最近の相場はチョロい、儲かって儲かって仕方ない、等という人がいるとしましょう。

彼を信じますか?

当方は信じません。

近頃多いのは「相場が難しい、もう駄目だ、●億しか儲からない!」

などと言う、「自虐気味の儲かったマン」と言うのも多い。

まあ、おおかた詐欺話か、何かの広告塔か、あるいは、なんでしょうか。

すなわち、相場とは難しいのが基本であり、簡単になるなんてことは、通常ないのであります。

(バブル相場など、きわめて限定的なケースを除いては。)

昨今の相場は実に不透明な様相を呈してきております。

なぜ相場が従来よりも、なおいっそう難しくなっているのか。

当方の思いは、以下のようなものであります。

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連動の嘘

A銘柄とB銘柄は連動している。

しかるに、Aが上がったらBを買えばよい。

昨今、この連動戦略は、とりわけ短期売買においては、機能しないことが多い。

連動戦略は過去の遺物である、そう言って過言でないのであります。

なぜか。

その答えは、きわめてデジタライズされ、コンピューティングされ、スピード化された相場にあります。

もっさりしたアナログな相場は、とうの昔に終わったのであります。

例えば、連動すべき銘柄間の裁定は、今や瞬時に入ります。

マイクロ秒単位のアルゴが相場を走り、裁定を取りに来る。

にもかかわらず、超遅(ちょうおそ)の手動デイトレがそれを上回って、価格差を取れるのですか?

仮にそれができるとして、ではなぜマイクロ秒のアルゴがそれを横取りして来ないのか?

連動戦略なんざ、もはや嘘だからです。

楽にそれができたのは、場立ちが手サインで相場に対峙していた、1990年代であります。

当時は日経先物と日経平均の裁定もコンピュータを介さず、手動で行っていたと言います。

コンピュータを使う売買もあるにはあったとのことですが、主に欧米の金融機関からの発注であり、発注速度も今より遅かった、とのこと。

デイトレの食い合い

コンピュータの時代だよ、速いんだよ、人間の手発注なんざお話にならない。

これが答えであります。

この種明かしの後、どうなるか?

超遅い手発注、すなわち、デイトレ勢、彼ら同士で取り合うようなことになるのであります。

はっきり言いましょう。

おっさん同士で取り合っている、それがデイトレードであります。

ここで登場するのが、分散して少しずつ取れば良い、などという、いかにもな論であります。

10円、20円、100円、200円ずつ頂く。

笑ってしまうような少額でも、1日中トレードすれば、1万円くらいにはなるのであると。

トレードの答えは分散である。

おっさんから分散して少しずつ頂く。

しかるに、負けるやつは分散ができていない、と。

そんなお話。

分散の限界

分散だ、収束だ、確率統計だ、などと見得を切っても、しょせんがおっさん同士の取り合いであります。

そして、やることは場中のデイトレ。

時間は前場・後場あわせて5時間と決められています。

結局のところ、手を出すのは寄り付きと、その直後1時間くらいに限定せざるを得ない。

それが関の山であります。

抜け駆けはできません。

他で頑張ろうとしても、そもそも相手が限定されているので、難しくなるばかりです。

ひどい時には、自分と相手と、2人だけでやってるなんてことも。

小型の閑散株では十分そういうことがありえます。

これが分散の限界です。

すなわち、もうバレているのであります。

弱点がバレている

デイトレ勢の弱点は、すでにバレています。

どうバレているか?

デイトレの弱点は、手発注にあります。

手で発注し、デイトレードをする際、何が問題になるのか?

デイトレの本当の弱点は、個体としての、人間の能力の限界にあります。

人間の能力の限界とは何か?

手が2本しかなく、目も2つしかない、そして脳は同時に多くのことを判別できない、ということ。

聖徳太子じゃないので。

すなわち、多数銘柄同時売買ができない、と言うことであります。

どんなに頑張っても、デイトレで100銘柄同時売買はできない。

当方、寄り付き前に注文を出して、多数銘柄同時売買も可能な手法を採用していたことがあります。

寄り付き前に発注し、返済注文も予約しておけば、そのようなことが可能となります。

しかし、です。

寄り付きピンポイント一点集中では、分散にはなっていないのであります。

これが人間の限界であり、相場においてはすでにバレている、デイトレ勢の弱点であります。

結論

コンピューターが発展すればするほど、相場は難しくなります。

これに対する策が、分散をすること、超遅(ちょうおそ)でも叶うやり方をすること、などであることは明らかであります。

そして、当方の結論は、デイトレをやめるということ。

正確に言いますと、やめるのではなく、デイ・短期スイング・中長期を組み合わせて、時間軸の選択性・幅を広げ、より分散の度合いを増すこと。

すなわち、一点集約型の手法を排斥することであります。

ザラバにおいて、おっさんと対峙するのは、いささか疲れたのであると。

しかし今日も難しいなぁ。

さて、本日の結果は、スイングは±0、デイ大幅プラス。

スイングは昨日買っときゃ勝てたのに、チャンス逃しました。

目星をつけていた銘柄はいずれも、素っ飛んで爆上げ。

少なくとも買った分の7~8%はイケたなぁと思いました。

しかし、本日後場、スイングで買った銘柄がグイグイ上昇。

思わず望外の利確。

たまにはこういうこともあるんだよなあ。

東電他、あれな株、薄く買い持ち。