値がさ株を扱うためには心理的な障壁を上手くコントロールする必要があります。
特に小額資金の弱小トレーダーにとっては、プレッシャーがかかり易い銘柄群です。
なぜ値がさ株は難しいのか?
その理由を探ります。
億トレーダーが多く参戦しているであろう分野。
攻略すれば彼らと互角に渡り合えるようになります。
値がさ株の定義は何?
いくらから上なら値がさ扱いなのか
明確な値がさの定義はありません。
費用が嵩む(かさむ)と言う表現が値がさ株と言う語の由来です。
したがって値嵩株と漢字で表記する場合もあります。
最近の銘柄の多くは、単元株が100株となっている場合が多いです。
したがって、株価5000円の銘柄を買うなら最低でも50万円の投入資金が必要となります。
一般的な感覚からすれば、おおむね株価5000円~6000円以上の銘柄が値がさ株に相当すると言えます。
値がさ株の値動きをどう捉えるか
例えば、株価7000円の銘柄が2%値上がりすると
7000円×1.02=7140円
となります。
数分のうちに2%くらい株価が動くことは、相場ではしばしばあることです。
値がさ株だからと言って特に値動きが大きいということはありません。
問題は瞬時に値が動いて、みるみるうちに株価が戻るなどと言う不可思議な値動きがしばしば起こり得ることです。
その原因は、出されている注文価格が飛び飛びになっていることによります。
スカスカ板の恐怖
低位株・中位株に比べ、値がさ株の値段の刻みは飛び飛びになっていることが多いです。
瞬時に板が消えたら耐えられるか
例えば、7000円台の株であれば、呼び値(株価の刻み)は10円となっていることが多いです。
(一部の主要大型株を除く。)
そうなると、本来10円ごとに注文が入っている筈ですが、実際はそうなっているとは限りません。
出されている注文が薄いことがあります。
この状態で、今出されている100株の発注が食われてしまうと、板と板の間隔はとんでもなく広くなってしまいます。
「何だこれ、大丈夫なのか?」
などと動揺したら最後。
値動き率は小さくともダメージは大きい
そもそも100株のワンショットで70万円以上の銘柄です。
小分けにして少しずつ降りることも難しいのです。
大きく空隙が開いた下の注文に損切りをぶつける等と言うことになると、結構痛い。
ブン投げた瞬間に板が埋まって、元の株価に戻るなどと言うこともあります。
この値がさ株のスカスカ現象のプレッシャーはなかなかのものです。
逆に言うと、巨額資金をもってトレードをしている人からすれば、通常の取引とさほどの違いはない印象になります。
つまり、ワンショット金額が相対的に大きくなる弱小トレーダーにとって、心理的な壁が存在するのが値がさ株です。
理由不明の値がさ株上値追い現象
真空地帯の急上昇
値がさ株は、値上がりする局面においてもスカスカの板状況が寄与する場合があります。
真空地帯を駆け上がる現象です。
誰かが厚めの資金で買いを入れれば、出ている売り発注は全て食われてしまいます。
上の板がなくなったところで、さらに上の板が買われる場合。
「おいおい、一体誰が勝っているんだ?」
「誤発注じゃないよな?」
そんな疑念がふつふつと沸き上がる場合もあります。
しかし、このような心理に振り回されていては値がさ株を攻略することは難しいです。
急落特別売り気配に為すすべ無し
気づけば局所的な値上がりはあっという間に終わり、値下がりの局面に入ると状況は一変します。
もともと板が薄い状態のところに、まとまった売りが入ることもないとは言えません。
「買い板がない!」
「これ降りられるのかよ!」
こんな心理状態に陥りがちです。
値がさ株の値動きは奇々怪々。
結局のところ、いわゆる億トレーダー同士の戦いの場なのでしょうか?
小額資金の投資家にはなかなか厳しい戦いとなります。
損切りの躊躇がとんでもない状況を呼ぶこともあります。
すぐにストップ安・ストップ高に張り付く?
値がさ株はストップ安に比較的近い位置にあるとも言えるため、カットの遅れは御法度です。
数値でそれを確認しましょう。
値幅制限が狭い
高価格帯にある値がさ株の騰落率
前日終値9500円の銘柄であれば、値幅制限は±1500円です。
この1500円は9500円の15.8%に相当します。
さほど高価格帯ではない銘柄の騰落率
前日終値1000円の銘柄であれば、値幅制限は±300円。
この300円は1000円の30%。
15%と30%の違いは大きいです。
さあ、この強敵、値がさ株をあなたはどう料理しますか?