当方、低位株のトレードをすすめる書籍を買ったことがあります。
15年くらい前の話です。
低位株は下値の目途が知れているので、買い。
そんな内容が書かれていたように記憶します。
しかし、この下値の目途とは、いったい何でしょうか。
出発点からツッコミどころが満載であります。
株の書物にはこのレベルのものが多い。
これについて、当方の思いは、以下のようなものであります。
低位株の下値目途
低位株とは、厳密な定義があるものではありませんが、概ね300円以下の株。
当方はそう理解しています。
この低位株の下値の目途とは何か?
まず、制限値幅の例を挙げますと、以下のようになります。
- 100円未満 上下30円
- 200円未満 上下50円
- 500円未満 上下80円
これによりますと、一見、価格が安ければ安いほど、上下の制限値幅は狭く見えます。
本当にそうなのでしょうか?
低位株の下値目途が知れている、その意味とは、このことなのでしょうか?
低位株のレンジ
例えば、株価30円の銘柄について調べます。
終値が30円であれば、翌日の制限値幅は上下30円となります。
株価は0円をつけることはありえないため、下限は1円、上限は60円となります。
これが翌日の想定レンジです。
終値30円の株は、最悪の場合、翌日に1円をつける場合もある、と言うことです。
仮に1円をつけた時、前日終値30円からの変動率をrとしますと、
r=(1-30)÷30=-0.966666666…
となります。
すなわち、およそ96.7%の下落率と言うことになります。
どこが下値の目途が知れている、やねん?
本当の下値目途
低位株は、その株価が安ければ安いほど、下値目途が深い傾向にあるのであります。
深いどころではありません。
投じた資金を全て失くす可能性があります。
それがこの-96.7%と言う数値です。
そして、上値の目途について言えば、1日で倍もあり得る。
すなわち、ハイリスク・ハイリターンの銘柄と言えます。
とてもではありませんが、相場の初心者にはおすすめできません。
そもそも、下値目途が知れている、は大嘘。
逆に下値目途が大きすぎて、一撃退場もあり得るのであります。
なぜ低位株をやるか
なぜ低位株なのか、その答えは、値動きの大きさです。
終値30円であれば、翌日中に、最大で上下に100%程度動く可能性。
これは値がさ株ではありえない値動きの範囲です。
すなわち、一撃で全てを失う可能性がありながら、少額を投じただけでもそれなりの利益が出る可能性がある、と言うことです。
ここをうまく利用するのがトレードであります。
当方の場合、小額ずつ、上がりそうな低位株に分散することが多い。
小額でも、全て消えてしまったら、ショックですが。
低位株を恐れぬ理由
例えば、すでに30万円の儲けが出ているのなら、低位株に30万円を投じても、それほど怖くはありません。
最悪でも、30万円がなくなるだけだからです。
多くの人にとって、なぜ低位株のトレードが恐くないのかと言えば、このような理由によるものでしょう。
トレードとはそもそも、リスクとベネフィットを天秤にかける行為です。
ベネフィットが恐らくリスクを上回るであろう、そのタイミングで低位株に資金を振り向けるべきであります。
と言うか、一般論で言えば、低位株など軽くすすめられる類いのものではありません。
さて、本日の結果はノートレ。
今一つ値動きのはっきりしない日経平均。
米国株は下値を掘り下げていく感じ。
ノートレ・ノーポジのままでも良かったのですが。
当方の場合、こんな時は低位株くらいしか、買い持てないものです。
当方の相場用語ではこれを、不透明相場の低位株、と呼びます。
低位株買い持ち。