クレジットカードとデビットカードの違い。
23項目について比較表を作りました。
両者を比べることで、双方のカードの特性を把握することができます。
最も利便性が高い使い方は、状況に合わせての使い分けです。
クレジットカード・デビットカードの違い【外形】2項目
クレジットカード | デビットカード | |
名称の意味 | Credit:信用 | Debit:引落す |
見分け方 | エンボス加工多い | エンボスレス |
名称の意味
クレジット(Credit)とデビット(Debit)は簿記用語でもあります。
簿記では、クレジットが「貸し方(負債)」、デビットが「借り方(資産)」を意味し、対となる言葉です。
見分け方
クレジットカードにエンボス加工(でこぼこの加工)が多い理由は、海外の一部の国で、この加工がないと決済できない場合があるからです。
最近では、エンボス加工のないクレジットカードが増えています。
デビットカードの場合には、この加工がないほうがスムーズに決済できるため、エンボスレスの仕様になっています。
クレジットカード・デビットカードの違い【発行】3項目
クレジットカード | デビットカード | |
発行元 | 銀行or法人 | 銀行 |
審査 | あり | なし |
年齢制限 | 18歳以上 | 15歳以上 |
発行元
クレジットカードの発行元は複雑で、銀行やクレジット会社など、様々な形態となっています。
デビットカードの発行元は銀行です。
クレジットカード、デビットカードともに国際ブランド(VISA、Master Card、JCB、American Express等)と提携しています。
審査
クレジットカードは、様々な条件を審査の上、発行されます。
デビットカードは、特に審査は行われません。
年齢制限
クレジットカードは18歳以上(高校生を除く)、デビットカードは15歳以上が概ねの年齢制限になっています。
クレジットカード・デビットカードの違い【利用条件】4項目
クレジットカード | デビットカード | |
決済日 | 後払い | 即時払い |
支払回数 | 分割払い可 | 1回払い |
利用限度額 | 審査後決定 | 預金残高額 |
キャッシング | あり | なし |
決済日
クレジットカードでは、使った時点でお金が引き落とされることはありません。
デビットカードでは、使ったらすぐにに引き落としがかかります。
支払い回数
支払い回数については、クレジットカードでは一括払い、分割払い、リボ払いなど様々なやり方があります。
デビットカードでは1回払いのみです。
利用限度額
クレジットカードの利用限度額は、審査により決められます。
一般カードでは概ね50万円ほど、ゴールドカードでは100~500万円ほどになる場合が多いです。
デビットカードでは、預金残高が上限となります。
キャッシング
キャッシングとは、ATMなどから現金を借りることを意味します。
クレジットカードではキャッシングが可能であり、デビットカードではできません。
クレジットカード・デビットカードの違い【海外利用】2項目
クレジットカード | デビットカード | |
海外で買物 | 可能 | 可能 |
海外ATM | 現金引出可 | 現金引出可 |
海外での買い物
クレジットカード、デビットカードともに国際ブランドと提携しています。
いずれも、海外での買い物で利用することは可能です。
海外のATM
海外のATMで現地通貨を引き出すことは、クレジットカード、デビットカード、いずれも可能です。
クレジットカード・デビットカードの違い【使い勝手】5項目
クレジットカード | デビットカード | |
使い過ぎ | しやすい | しにくい |
買物キャンセル | しやすい | しにくい |
ポイント還元率 | 1%以上多い | 1%以下多い |
ETCカード | 発行可 | 発行不可 |
デポジット払い | しやすい | 注意必要 |
使い過ぎ
クレジットカードでは、ついつい使い過ぎとなる場合があります。
デビットカードの場合、預金残高が上限となるため、それ以上の金額まで使い過ぎることはありません。
買い物のキャンセル
商品・サービスを購入した後にキャンセルする場合。
クレジットカードの場合、使った時点で引き落としはされておらず、キャンセルしやすいです。
デビットカード経由ですと、買い物をした時点で銀行残高から引き落としされるため、場合によってはキャンセルに時間がかかります。
ポイント還元率
企業にとって、クレジットカードはデビットカードより収益性が良いため、還元率も高くなっている場合が多いです。
ETCカード
デビットカードでETCカードが作れない理由
クレジットカードではETCカードが作れますが、デビットカードでは作れません。
デビットカードでは、料金が即時に引き落とされるからです。
仮にデビットカード経由でETCカードを使うとすると、残高不足の場合に不都合が生じます。
クレジットカードは後払いのシステムですので、ETC料金の引き落としの際、問題が起きにくい仕組みになっています。
ETCカードとは
高速道路や有料道路の料金所で、車を停止させることなく通過するためのカードです。
車のカード読み取り機にETCカードを挿入しETCレーンを通ることによって、後日料金が引き落とされる仕組みです。
デポジット払いのしやすさ
デポジットとは
海外ではデポジット(Deposit:預り金)と言うシステムがあります。
ホテルやレンタカー等のサービスを利用する際、いったん保証金が必要となる場合があります。
この保証金に相当するものがデポジットです。
デポジットによる支払いは、最終的に利用料金が確定した後、差額が戻される仕組みになっています。
デポジット払いではクレジットカードが便利
デポジットの支払いをする際、デビットカードでは残額が不足し利用停止になる場合があります。
口座残高に注意する必要があります。
そもそも、デポジット払いにデビットカードが使えない場合もあります。
その意味では、クレジットカードを併せ持ったほうが便利と言うことになります。
クレジットカード・デビットカードの違い【補償】3項目
クレジットカード | デビットカード | |
不正利用の補償 | あり | あり |
不正利用の対処 | しやすい | しにくい |
補償額 | 限度なし多い | 限度あり |
不正利用を受けた際の補償
クレジットカード、デビットカード、いずれの場合も不正利用を受けた場合、補償するための制度があります。
不正利用を受けた際の対処のしやすさ
クレジットカードの場合は決済日が後日。
このため、引き落とし前の対処(引き落としを停止する等)が可能な場合があります。
これに対し、デビットカードは即時引き落とし。
不正利用に気づいたとしても、預金からお金が引き出されていることになります。
このため、補償手続きに時間がかかる場合もあります。
不正利用を受け損失があった際の補償額
クレジットカードの場合は、特に限度額が設けられていない場合が多いです。
(規定に基づき補償される仕組みですので、必ずしも全ての損失が補償される訳ではありません。)
デビットカードについては、補償の限度額が設けられている場合が多いです。
クレジットカード・デビットカードの違い【諸費用】3項目
クレジットカード | デビットカード | |
年会費 | さまざま | 無料多い |
海外手数料 | 2%前後 | 3%前後 |
利子負担 | あり | なし |
年会費
クレジットカードの年会費については、無料のものを含めさまざまなケースがあります。
デビットカードについては、無料の場合が多いです。
海外で利用する際の手数料
海外でクレジットカードを使う場合には、概ね2%前後の手数料。
デビットカードでは、概ね3%前後の手数料がかかる場合が多いです。
利子の負担
クレジットカードで分割払い、リボ払い、キャッシングを利用する際には利子がかかります。
さらに、支払いが遅延した場合、日数に応じて遅延損害金を支払う必要があります。
デビットカードでは預金から即時に引き落とされる仕組みであり、利子はかかりません。