二重国籍のうちいずれか一方の選択を迫られていたテニス界のスター。
ついに決着をつける時が来ました。
とは言え大坂なおみ選手には次なるマネー問題も存在します。
税金のお話です。
米国と日本の狭間で前途洋々の大型新人。
今後はどのような手を打ち、世界を股に掛けるのでしょうか?
歴代期待マックスの大坂なおみ
2018年の全米オープン、そして2019年の全豪オープンと4大大会連覇の大坂なおみ選手。
グランドスラムの2連続優勝は、2001年のジェニファー・カプリアティ選手以来なのだとか。
18年前です。
2つのグランドスラムで連続優勝した例(女子)
1971 | 全仏、全英 | イボンヌ・グーラゴン |
1974 | 全仏、全英 | クリス・エバート |
1980~1981 | 全豪、全仏 | ハナ・マンドリコワ |
2000 | 全英、全米 | ビーナス・ウィリアムズ |
2001 | 全豪、全仏 | ジェニファー・カプリアティ |
2018~2019 | 全米、全豪 | 大坂なおみ |
女子テニスは長きに渡って各選手の力が均衡し、それだけ勝ち上がるのが難しかった現実があります。
カプリアティ選手がグランドスラムで連続連勝したのは、2001年の全豪・全仏オープン。
当時の全豪オープンのコートサーフェスは、今より球速が遅いタイプのものでした。
その後、現行のやや速いコートサーフェスに変更されました。
(これ、テニスフリークしか知らない事実。)
ですから、カプリアティ選手が連勝した全豪・全仏の2タイトルは、コートサーフェスが最も遅いコンボのグランドスラム優勝と言えます。
久々のビッグプレーヤー
今回の大坂なおみ選手の連勝は、全米・全豪ともに、速いコートサーフェスでのこと。
昨今のテニス界では、球速が速いコートが多いですので、今後も活躍する期待はより一層高いです。
当時全豪・全仏オープンで優勝した時のカプリアティ選手の年齢は、24~25歳にかけての時期です。
大坂選手は21歳。
この若さから考えても、期待度は近年まれに見る大きさ。
全英、全米、両方ともに3連覇などもあり得なくはありません。
彗星のごとく現れた大型新人です。
カプリアティ選手は、ジュニア時代にはかなり注目されていたものの、いわゆる“燃え尽き症候群” で話題にもなりました。
“よろしくない” 方面にも若干寄り道して、テニスから離れていた時期もあったのです。
国籍問題に決着
近年まれに見る新人で、今後の女子テニス界をおそらくは牽引するであろうビッグプレーヤーの卵。
そんな大坂なおみ選手に、降ってわいた問題。
日本と米国の国籍をどうするかです。
大坂なおみ選手は、お父さんは米国籍、お母さんは日本人。
子供時代(3~4歳)までは日本で過ごし、その後に米国に移住しました。
ハイチ系アメリカ人だったお父さん、何とビーナス・ウィリアムズ、セリーナ・ウィリアムズ姉妹を見て、テニス未経験のまま大坂選手にテニスを教え始めました。
大坂選手は2019年ついに、日本と米国の二重国籍に終止符を打ち、日本国籍を取得することとなりました。
東京オリンピックでは本当に日本国籍で出場できることとなったのです。
迫りくるマネーの乱
米国籍を離脱する人、最近では少なくありません。
米国は貧富の差が物凄く大きい国です。
そうすると、大儲けして巨額のマネーを稼いだ人が米国籍を抜け、いわゆるタックスヘイブンの国に移住する例があります。
タックスヘイブンとは
租税回避地。
税金が著しく軽いか、または免除される国・地域のことです。
とんでもない巨額資産をもってタックスヘイブンへ。
実はその例が後を絶たないと言われています。
この対策として米国では、一定条件を満たす国籍離脱者に税金を課すことになっています。
一定条件とは、資産が多いと言う条件などです。
お笑いの“パックン” によると、なんと全財産に20%の税率が課されるのだと言うことです。
さらに、実は国籍を放棄するときにかかる特別な税金がある。Expatriation tax(国籍離脱税)といって、脱税目的の「名ばかり帰化」を抑止するために設置されたものだが、国籍を失う場合、全財産の20%を税金としてアメリカに納めないといけない。
引用元:ニューズウィーク日本版ホームページ パックンのちょっとマジメな話(パトリック・ハーラン)
噴出する米国籍離脱のリアル
全米オープン、全豪オープンと連続優勝した大坂選手は、既に途方もない賞金を稼いでいます。
他にも賞金はありますし、コマーシャル契約も相当な額になるでしょう。
米国籍を離脱するとなると、それらの金額が全て課税対象になる可能性があります。
1つの企業体レベルとも言える稼ぎを生み出しつつ、動き始めた「チームなおみ」。
何せ全財産に20%の課税ですから、とんでもない額になりかねません。
このあたりが心配の種と言えばその通りです。