ディーラー店長の値引き決済

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車の値引きで店長決済をうまく引き出すディーラー限界交渉術。

自動車の値引き術において、最安値で買うためには

  • 車の相場を知る
  • 車両本体価格の値下げを優先する
  • 購入時期を考慮する
  • 現金一括で支払う等、余計な情報を提示しない

その他、様々な方法があります。

具体的な値段交渉のやり方・コツをまとめました。

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車の値引き用語3選

下取り

下取りとは、通常、車を買う販売店に車を下取りに出すことを意味します。

新車購入と下取りはセット。

下取り価格は、年式・走行距離に関係なく、一律の値段をつけるのが一般的です。

買取りで値段がつかない(年式が古く走行距離が多い)場合でも、下取りなら5~10万円の値がつくことが多いです。

なぜなら、自動車ディーラーにとっては、自動車を普通に売っても車体価格の10%程度しか儲かりません。

安い新車を一般のお客さんに売るよりも、下取った車を業者に売るほうがずっと儲かります。

買取り

買取りとは、買取り専門店に中古の自動車を買ってもらうことです。

  1. 自動車を購入してからの期間が短い
  2. 走行距離が少ない
  3. 人気車種

の場合には、下取りよりも買取りの価格が高くなることが多いです。

値引き充当とは

値引き充当とは、値引き額を増やす半面、下取り価格を減らし、充当させることです。

なぜこのようなことをするかと言うと、値引き額を大きく見せるためです。

(例1)総額250万円=車体280万円-値引き額10万円-下取り額20万円

(例2)総額250万円=車体280万円-値引き額20万円-下取り額10万円

両者ともに費用総額は同じですが、商談の際の値引き額は(例2)のほうが大きいです。

交渉カードとして値引き額を大きくする、見せかけの値引きです。

対策としては、下取りなしで見積もりを出してもらい、最終的に下取りを追加するのも一つの方法です。

車の値引き相場4選

値引き額の相場

看板車種、人気車種は値引きが大きくはなりません。

値引きをしなくても売れるからです。

値引き額が大きくなるのは、不人気車種。

具体的には、モデル末期の車種です。

同じ車種でも、購入者によって値引き額は違います。

そして、「これが値引きの限界、これ以上は無理」と言われても、最大の値引き額でないことがほとんどです。

相手はプロですから。

大型店舗の注意点

大型店舗では、値引き額は少なくなります。

家電量販店等も同様ですが、光熱費や人件費が高くつく場合が多いからです。

おおむね、トヨタは値引き額は小さいです。

半面、マツダは値引きが大きい傾向にあるとの評。

50万円引いたなどと言う話もあるほど。

ホンダ、日産もトヨタよりは値引きをしてくれます。

トヨタに人気があるからです。

人気に応じて価格が決まっていくと言う“市場原理” が効いていると言うことでしょう。

購入時期の相場

毎月23~24日あたりで購入を決めると、営業マンのノルマに対する心理に乗じやすいです。

さらに、1~3月の年度末決算期、6・7月のボーナス時期、8・9月の中間決算期、12月の年末商戦期はねらい目。

特に3月の年度末は企業全体として結果を出す必要があります。

そのため、営業マンは焦らされるわけです。

その場合、少し早目に3月15日頃までに商談をまとめると良いです。

(それより遅いと3月中に間に合わない可能性があります。)

見積りの相場

見積りを同じ車種、同じ地域で出してもらう場合、同一系列企業の販売店ですと、すでに情報が出回っている可能性があります。

情報化社会ですから。

このため、どうしても別の見積りを出したい場合には、隣の県のディーラーに行くと言う方法もあります。

同じメーカー内の別販売店でも、見積りを競わせて交渉の材料とすることは可能です。

例えば、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店など、幅広く見積もりを得る方法です。

値引きの心構え4選

値引き額の記載

値引き額の記載をネットで公開する人が増えており、最近では見積書に値引き額を記載しない例も増えています。

値引きについては、おそらく最終的に削減できるであろう費用については後回しにし、車両本体価格の値引きについてしっかりと交渉します。

総支払額

【総支払額】=【車両本体価格】+【オプション費用】+【諸費用(自動車税・自賠責保険など)】-【値引き額】-【下取価格】

オプション(付属品)には、メーカーオプションとディーラーオプションがあります。

メーカーオプションは車両本体価格に含める場合が一般的です。

オプション費用

自動車取得税は、車両本体価格だけではなく、オプションまで含めた購入総額全体に課せられます。

このため、オプションをたくさんつけると、税金分も加算され割高になります。

安く済ませるためには、オプションは自動車と別に買ったほうが良いです。

カーナビ、オーディオの値段も、カー用品店(オートバックスなど)で買ったほうが安いです。

最初はボディーコーティングや、メンテナンスパックなど、オプションをつけてもらった上で費用を出してもらいます。

そのほうが後で交渉する際、やりやすいからです。

全て金額を出してからオプションを外していく

「予算に合わない」からオプションを外すわけです。

何も恥ずかしいことはありません。

  • ボディコーティング
  • メンテナンスパック
  • サイドバイザー
  • ナンバーフレーム
  • フロアーマット
  • JAF
  • 車庫証明
  • 納車費用

これらを外せば、当初より、10万円以上安くなります。

おおむねオプション総額の2割程度の値下げは可能です。

項目別攻略法13選

サイドバイザー(ドアバイザー)とは

サイドウィンドウにつけるひさしの様なものです。

雨天時にサイドウィンドウを少し開いた際、雨の侵入を防ぐなどの目的。

ナンバーフレームとは

ナンバープレートをカバーする保護材のようなものです。

フロアーマット

シートの下に敷くマットです。

サイドバイザー、ナンバーフレーム、フロアーマット、などの基本オプションには、比較的、値段の安いものが用意されています。

そもそも必要ないものがついているとも言えます。

別途、カー用品店で買い足すほうが幅広い選択肢があります。

ディーラーによっては「このフロアマットなしでは販売できない」などと言ってくることもあるため、商談終盤に交渉して値引きを引き出したいところです。

JAF

JAFを削って6,000円程度、安くすることが可能です。

納車費用

お店に車を取りに来ますと言えば5,000~7,000円の納車費用が削れます。

営業マンによっては、いろいろな理由をつけて納車費用の必要性を訴えてきます。

その場合は、折りを見て値下げを要求します。

下取り費用

下取りの査定を依頼した場合、下取査定費用、下取車手続代行費用などの名目で、2万円ほど計上されていることがあります。

これらも交渉次第でカットしてもらうことが可能です。

登録手続き代行費用

陸運局でナンバーを交付してもらう際、検査登録手続きをディーラーに代行してもらうための費用です。

ディーラーによって費用は異なりますが、15,000~30,000円程度が一般的です。

管轄登録費用

陸運局で管轄のナンバーに変更する費用となります。

登録手続代行費用に含まれる場合もあります。

5,000~10,000円程度の費用となります。

車庫証明

車庫証明の取得をディーラーに任せると、2万円前後の手数料となります。

車庫証明の実費は、申請手数料2,000円程度とステッカー代500円程度。

手続きも、車庫の管轄警察署にいって、所定の書類を記入することだけ。

車両本体価格の値引きを最大限引き出してから、最後にカットを依頼するのが賢いです。

陸送費用

在庫が遠隔地にある場合に、購入店舗まで運ぶ費用です。

一般的に関西~関東間で3万円前後の費用が発生します。

近県であれば1万円~2万円前後。

交渉次第でカット、減額が可能です。

リサイクル費用

自動車リサイクル法で定められるリサイクル料金の費用です。

軽自動車で6,000円~10,000程度、普通車で10,000~20,000円程度となります。

整備費用(中古車の場合)

車検が残っている場合は納車整備と言い、一般的に法定12ヶ月点検に相当する整備の費用となります。

販売店によって異なりますが、2~4万円程度の費用です。

ボディーコーティング(ペイントシーラント)代

通常はディーラー店にてコーティングを施す場合が多いです。

このコーティング料金はおおむね30,000~70,000円程度で、削ることも可能。

専門業者で別途、コーティングをしたほうが安い上に、その後のメンテナンスもしっかりしている場合が多いです。

車値引き交渉の心理学4選

情報は取っておいて、切り札として最後に使う

原則として、最初から

  • 予算額
  • 購入期限
  • 車種の希望
  • 車検切れかどうか
  • 故障しているかどうか

など、余計な情報を話しても得することは少ないです。

相手方の交渉カードになるだけ。

足元を見られ、誘導される原因にもなります。

例えば、予算額を聞かれても「安ければ安いほど良いんです」などと言って、明言を避けたほうが得をします。

ただし、商談の最終局面で「250万円なら買う」などのダメ押しをする場合は有効です。

意見は求めない

営業マンに意見を求めるのは間違いです。

営業マンによっては、おかしな色の車をすすめてくるなど、普通にあります。

営業マンは、サービスを頼む相手であって、意見を求める相手ではないと考えたほうが有利です。

情報を引き出し心証は悪くしない

意見ではなく、情報を引き出すのがベストです。

例えば、

  • 営業マン自身はどの車に乗っているか
  • オプションは何をつけたか

などです。

ちなみに、営業マンが自分で車を買う場合には、ボディーコーティングなどつけない場合が多いらしいです。

商談の最初に、「ナビをつけるとしたら値引き額はどのくらいですか?」と聞いてしまうのも有効です。

定価18万前後のナビから5万円引いた上で商談に入るのは大きいですから。

営業マンは購入後のケアも頼む存在ですので、心証を悪くするのは得策ではありません。

いろいろ言って時間を引き延ばしても、あまり良い結果は期待できません。

3回目の商談までに全てを決めるのが良いです。

買う印象を与えつつ項目別に交渉する

見積書の項目別に交渉することも大切です。

冒頭で述べた値引きの充当などを防ぐ効果があります。

総じて、その販売店で買うことを決めている印象を与えつつ、即決をしないと言うのが賢い交渉方法です。

値引き額の上限は担当者によって違い、最終の決済権は通常、店長が持っています。

現金一括で購入する際の注意点

現金一括で買うほうが、販売店側にリスクが出てきます。

納車前のキャンセルなどです。

販売店は、通常、このキャンセルを防ぐために、手付金、諸費用、残額、と3回に支払いを分け、リスクを回避する場合があります。

現金一括で買うからと言って、値引きが期待できると言うことはありません。

ローンを頼んだほうが、系列の金融機関が儲かりますから。

したがって、むやみやたらに「現金一括」で買うことを言っても、何も得はしません。

やはり、余計な情報を話さないと言う原則に立って、交渉を進めたほうが有利です。