シャラポワが2020年2月26日ついに引退を表明。
私は知っています。
彼女の吐息はピーチの香り。
それはあまりに突然の出来事。
胸にしまっておいた、嘘のような本当の話を公開します。
うるわしの美女現る
ふと見るとひときわ美しい、背の高い女性がトレーニングを始めました。
私の目の前、2メートルと離れていない場所です。
そこにいる誰よりも、どの男性よりも背が高い、正真正銘麗しの美女です。
「この人誰だっけ?」
最初はそうとしか思いませんでした。
そのジム、もともと普段から外国人も多く、モデルみたいに綺麗な女性もちらほら。
いちいち驚くほどのことではありませんでした。
そのまま自分もマシントレーニングを続けながら他に目をやると、やはり確かに見覚えのある人がいます。
忘れもしません。
私がかつてテニス雑誌で見ていた往年の名テニスプレイヤー、マルチナ・ナブラチロワ選手、その人です。
昔、テニス雑誌で見た有名人が目の前、3~4メートルほど離れてたところに。
慌てて今度はすぐ目の前、背の高い美しい女性、マシントレーニングをしている彼女を二度見してしまいました。
人生において、二度見をした経験は、その時を除いてほとんどありません。
半径1メートルの奇跡
「え?この人、誰…?」
そう思った瞬間、全てがつながりました。
トレーニングルームに大量に流入してきた女性たち。
背の高い美女。
マルチナ・ナブラチロワ。
全員がプロテニスプレイヤーでした。
そして、今、目の前でマシントレーニングをしているその女性が誰であるか?
全く実感がわかず、感動もあまりなかったのですが、その人こそ、マリア・シャラポワ選手でした。
考えてみれば、テニス選手は世界中を転戦しており、行った先のあらゆるジム・スポーツクラブでトレーニングをします。
これは珍しいことではないのです。
シャラポワってどんな人?
その日、欧米の選手たちは皆、一般人がいても全く気にしていませんでした。
日本人、それも一般人だらけのそのジムで、全く気さくにスター気取りもなく、普通の人と同じく筋トレをしています。
実は、東レのパンパシフィックオープン、以前は今とは別の会場で開催されていました。
私はその施設内に併設されているスポーツジムに通っていました。
少年時代は異常なまでのテニスフリークであったのに、テニスのことは頭からすっぽり抜けており、もちろんシャラポワ選手を見てもピンと来ませんでした。
どうやら、試合が終わった直後の選手が、同じ施設内にあるジムに大量になだれ込んできた、それが真相でした。
ナブラチロワ選手はすでに現役を退いて時間が経っていましたが、現役選手のコーチとして同行しており、私の目の前で筋トレの指導をしていたと言う訳です。
お行儀が良すぎて残念賞
その時、私と同様に周囲にいた日本の人々は、シャラポワ選手や他の選手に気づいた人も多くいた筈です。
しかし、誰も彼女たちに話しかけはしませんでした。
「サインしてください。」
そんな人は私が見ている限り、1人もいませんでした。
英語が得意ではないと言う事情もあるとは思いますが、やはり、ここは日本。
皆、お行儀は良いです。
もちろん、私も目の前にいるシャラポワ選手に話しかけることもありませんでした。
じっと見ても失礼だと思い、普通にトレーニングをして、さっさとそのジムを出ました。
今だったら、「一緒にインスタの写真お願いします」とか、頼む人もいそうですが…。
当時は、スマホ以前の時代で、ケータイにまだカメラが付いたか付かなかったかくらいの時のお話です。
当時、私自身、そのようなことがあってもさほどの感慨がなく、同僚にもその話をしませんでした。
話をしても信じてもらえなかったかも知れません。
しかし、その後もシャラポワ選手の名声は遥か彼方まで飛翔しており、もっと大げさに驚いて同僚や周囲に話しておくべきだったと思い、今回ブログに書かせて頂きました。
テニスフリーク不遇の時代
当ブログ著者が遠い昔にテニスフリークであったことは、他の記事でも書きました。
それは非常に遠い昔の話であり、その後、長らくテニスには興味を全く失っていました。
その私の体を少し起こさせてくれたのが、一つには2014年の錦織選手の全米決勝進出。
そしてもう一つが2018年、大坂なおみ選手の全米オープン優勝です。
テニスフリークであった少年時代、私は自らの全神経をテニスに注ぎ、月刊のテニス雑誌3種類以上を毎号全て買うと言うテニ基地ぶりを発揮していました。
数年間は寝ても起きてもテニス。
近所の書店で売られている全てのテニス雑誌を、発売初日に買っていました。
当時、インターネットはまだ存在していなくて、得られる情報はテレビかテニス雑誌のみ。
今思えば何と情報が少なかったことか。
テニスフリークにとって不遇の時代でした。
インターネット以前のテニス
例えば、どんなに有力選手の話題の試合であっても、それが外国の試合であれば、ほとんどその映像を見ることはできませんでした。
1カ月も2カ月も遅れてデータとしての試合結果と、何枚かの写真をテニス雑誌で見ることが出来るのみ。
テレビのスポーツニュースでも、結果すら取り上げないような状況でした。
当時、米国のマジソンスクエアガーデンで開催されるようなマスターズと言うのでしょうか、ランキング最上位の選手を集めた、グランドスラム(全英、全米、全仏、全豪)に次ぐ大きな試合。
そんな重要な試合であっても、内容を目で見ることはできませんでした。
唯一、毎週日曜日の夜11時頃から放映されるテレビ東京、ワールドビッグテニスと言う番組がありました。
30分間だけ世界で開催された、様々なテニスの試合内容を見ることが出来る、唯一のテレビ番組。
しかし、その映像も何カ月遅れで放映されていました。
そこまでテニス情報に飢えていた私が、なぜテニスに興味を失ってしまったか。
その理由はたくさんありますが、一つには、日本の部活動。
あそこをつかまれる
話を元に戻しましょう。
テニスに興味を失い、ウィンブルドンや全米オープンの結果すら知ろうともしないダメ人間に陥った私は、運動をする機会もなくなりました。
そして、仕事をし始めてからは微妙に腹に脂肪がついて来ました。
ある日、同僚の女性に腹をグッとつかまれ、「最近、脂肪ついてきたんじゃない?」と言われたことがありました。
若い女性にそういうことを言われるのは、非常に効きます。
直後から私、ジムに通い筋トレを始めて体脂肪は程なく落ち、数年後には逆に「最近どんどん顔がやせ細っているよ、大丈夫?」と心配される位になりました。
大丈夫も何も週2でジムに通い、水泳の後に筋トレしているくらいでしたから。
私、何かをやり始めると冴えないながらも結構続く性格で、長きに渡りジム通いを続けていました。
100人入ってもOKのスポーツジムで
その通っていたジムで体験した出来事が、冒頭のお話です。
その日は日曜日でした。
夕方6時~9時の間の出来事だったと思います。
通っているスポーツジムでマシントレーニングを続けていると、にわかにガヤガヤと騒がしくなり、大量の人がそのトレーニングルームに入ってきました。
振り返ってその人達を見ると、全員が女性です。
しかも、その大量の女性たちは全員が欧米人でした。
少なくとも20~30人。
中には背が高く均整のとれたモデルのような女性もいて、私も含めてたくさんの人達が
「一体何なんだ、何が起きたんだ?」と言う顔で彼女たちを振り返っています。
そのジムのトレーニングルームは当時、おそらく都内でも屈指の広さでした。
マシントレーニングの機材やエアロバイク、バーベルやダンベルなどの機材は古いものが多かったのですが、種類も多く充実していました。
エアロバイクだけでも15台か、それ以上、置いてありましたから。
ですから、20~30人がいきなり入ってきて総勢100人くらいになっても耐えられる余裕がありました。
実際、トレーニングルームだけで学校の体育館くらいの広さがありましたので。
(その後、縮小されましたが…。)
シャラポワのすぐ傍を通りすがったあの一瞬は、忘れられないなぁ…。