オープンフレームのPCはうるさい?

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オープンフレームとは?

オープンフレームとはPCケースの一形態。

PCは通常、箱型のケースの中に各種の部品が収められているものです。

ところが、オープンフレームのPCにおいては、ケースの壁や天井の仕切りが取っ払われています。

中味の部品はフレーム、すなわち枠に設置され、丸見えの状態。

各種部品がむき出しのPC、それがオープンフレームのケースによるパソコンになります。

なぜオープンフレームか?

A:部品むき出しで大丈夫なのですか?

Q:大丈夫です。

中味がむき出しとなっていたら、何か困る事はあるのでしょうか?

はっきり言って、取り立てて大きな問題はありません。

それどころか、各種のメリットが存在し、デメリットは少ない。

オープンフレームによるPCケースのデメリット・メリットを以下、列挙いたします。

デメリット

ファンがうるさい

PCの音は、その性能が高ければ高いほど、問題となります。

パソコンの騒音はファンの風切り音によります。

遮蔽されていないPCケースでは、音をダイレクトに体感することになります。

ハイスペックなPCで、負荷の高い作業をし続ける場合には、ファンがうるさいと感じる場面が多くなります。

ネットサーフィンや、株のトレード程度では通常、そんなに負荷はかかりません。

しかし、ファンをたくさんつけたり、スペックの良すぎるCPUやグラボを使っていると、音がうるさくなります。

この対策としては、負荷が低い作業しかしないのに、あまりにスペックの良い部品を使わないことです。

ハイスペックな部品は消費電力も高く、発熱が大きいため、ファンが轟音を立てる場合が多いのです。

その点に気を付ければ、ファンの風切り音など、通常はほとんど気づかないレベルとなります。

ジュースぶっかけはアウト

間違えてジュースをぶっかけてしまったらアウト。

オープンフレームのPCは天井も壁もありません。

箱型のPCケースなら、ちょっとくらいジュースがかかっても平気かも知れません。

部品がむき出しのオープンフレームでは、そんなことをしたら部品がショートして壊れる可能性が高い。

これがむき出し部品の第一の弱点です。

配線が丸出し

PC内部に配線はつきもの。

この配線の数々がオープンフレームPCでは丸出しです。

雑な配線は見た目、もろバレとなります。

箱型のケースなら見えないのに。

壁がないと言うことは丸見えである、と言うことに他なりません。

静電気に注意

静電気を身にまとった状態で部品に触れると、その静電気が部品に移り、大変なことになります。

真冬にドアノブに手を伸ばし、パチッと音がしたことはありませんか?

部品に手を伸ばした時にあれが起こったら大変です。

最悪、部品が壊れることになります。

部品に触れる前に、あらかじめ金属に触れるなどして静電気を落としておく必要があります。

内部にアクセスしやすいと言うことは、このような危険性も常に考慮に入れておく必要があります。

ネコは無理

「あらこのパソコンいいわねえ、ちょっと乗っかってやりましょ。」

そんなネコさんをお飼いのあなた。

オープンフレームのPCは要注意です。

大事なネコさんもヘタをすれば感電の危険性があります。

ヘタとは?

ネコさんはこう言うかも知れません。

「パソコンの上でおしっこしちゃいましょ。」

メリット

温度

オープンフレームのPCにおいては、排熱のしやすさにメリットがあります。

何しろ、発生した熱が内部にこもることなく、周囲に拡散します。

パソコンは主にCPU、グラフィックボードにおいて、熱が上がります。

場合によっては100℃を越えることがあります。

真夏ならなおさらです。

PCは従来より、排熱が大きな問題となってきました。

熱が上がりすぎると性能が発揮できないだけでなく、故障の原因となります。

熱をいかに下げるか?

この点において、中味がオープンになっているPCケースには有利さがあります。

エアフロー

オープンフレームのPCケースでは、エアフローをほとんど考慮する必要がありません。

何しろ、仕切りが取っ払われており、空気は自由に出入りできるのです。

PCでは冷却性能が重視されます。

熱が上がりすぎると、動作に支障が出てきます。

熱暴走と言う用語は、熱が上がりすぎて動作を停止したPCを意味します。

閉鎖されたPCケースの内部では、エアフローが重視されてきました。

排熱をスムーズにするためです。

合理的なエアフローを考え、ファンにより排熱を促す必要があります。

ところが、オープンフレームのPCでは、熱が発生したそばから拡散されます。

エアフローはほとんど気にしなくてOKと言う訳です。

ファン不要

オープンフレームのPCケースにおいては、ファンは必ずしも必要ありません。

熱がすぐさま周囲に拡散されるためです。

PCのケースファンは、送風し空気を移動させる装置です。

オープンフレームのPCでは、閉鎖ではなく開放された形状。

このため、エアフローのためのファンを省くことができます。

もちろん、オープンフレームのPCケースでもファンを取り付けることは可能であり、そうしている人もいます。

なお、オープンフレームならば一々ファンを取り付けなくても、普通の扇風機で直接風を当てることもできます。

その方が話は早いのであるからして。

水冷いらない

水冷のファンは必ずしもいりません。

冷却性能においては、オープンフレームPCに利があるためです。

何しろ、仕切りのない、開放型エアフロー。

閉鎖型のPCケースに比べ圧倒的に冷やしやすい。

オープンフレームでは閉鎖型に比べ比較的熱が上がりません。

結果、水冷のファンはいらない、と言う人が多いのです。

いつでも内部に手を入れられる

内部を改造する際、オープンフレームのPCケースでは気軽に手を加えやすいと言えます。

例えば、部品の入れ替えにおいても、直接手を入れ部品を交換することができます。

ところが、閉鎖型のPCケースの場合には、PCケースのフタを開け、向きを変え、ライトを当てながら手を突っ込むなど、なかなか苦労します。

仕切りがない、枠だけ、と言うのがどれほど便利か、と言うことです。

掃除が楽

いつでも内部に手を入れられると言うことは、掃除をするのも楽と言うことです。

オープンフレームのPCでは、ホコリがたまりません。

少しでもホコリがたまったらすぐ掃除ができるのですから。

自作PCを扱ったことがある人なら誰でも知っていること、それはPCがホコリを吸い込むこと。

閉鎖型のPCケースでは、常にファンで空気を吸い込み、排出しているため、ホコリが異様にたまります。

1年以上放置したら、とんでもなく分厚いホコリがたまることになります。

PCケースを開けて掃除をすることは結構な手間です。

このためついさぼりがちになり、結果、大量のホコリがたまることになるのです。

これは衛生上の問題だけではなく、PCの性能を落とす原因にもなります。

オープンフレームPCでは、簡単に掃除ができ、その労力を省くことができます。

軽い

オープンフレームのPCケースは軽い。

その理由は、仕切りがなく、枠だけで構成されているから。

PCケースの重さ、これが自作パソコンのネックになります。

PCを持ち上げ、向きを変え、内部をいじる、この作業においてはPCは軽ければ軽いほど楽です。

安物のPCケースは通常、いわば鉄板の箱であり、PCの総重量においては女性では持ち上げられないほどになります。

軽さこそ自作パソコンの命であると言っても過言ではありません。

小型PCでも手を突っ込める

オープンフレームのPCケースでは、手を入れられないような狭い空間がほとんどありません。

何しろ壁がないのですから。

直接各種部品にアクセスできます。

箱型のPCケースでは、手を突っ込んでも周囲の壁や天井に阻まれ、隙間が狭くて作業が進まないことがあります。

例えば、マザーボードのソケットにプラグを差し込む作業。

隙間が狭すぎて手が差し込めない。

この時どうするか?

手が入らないのでは作業ができません。

仕方がないので全て分解して空間を作る、ソケットにプラグを差し込んでからまた組み立て直す。

口で言うのは簡単ですが、とんでもなく面倒な作業です。

そんなことを今まで何度やったことでしょう。

梱包の際に小さい

購入時に、オープンフレームのPCケースの多くは分解され、折りたたまれた形で送付されてきます。

大きさにして辞書数冊分程度です。

箱型のPCケースでは、大きな箱の状態で送られてきますが、行ってみれば小ぶりな米だわらくらいの大きさがあります。

使わずに保管しておく場合にも場所を取らないので、オープンフレームは有利です。

トレード用PCこそオープンフレーム

上記によりますと、どう考えてもトレード用の自作PCにはオープンフレームのケースが適しています。

その理由は、

  • 頻繁に掃除ができ
  • 故障したらすぐに部品が交換ができる
  • その際も楽に作業ができる
  • 冷却性能も申し分ない

などです。

問題は、聞き分けのない子猫さん、あいつをどうするか、です。

重たい自作PCの箱型ケースを持ち上げながら、部品交換をしながら、ホコリを掃除機で吸いながら、オープンフレームのPCが夢と消えた本日であります。