たとえハイスペックな部品を使っていたとしても、当の自作パソコンが故障したのでは元も子もありません。
ハイスペックPCを組み立てる際の注意点だけではなく、株取引用パソコンの静音化、故障対策も念頭に、私が経験上感じた事柄をご紹介します。
株取引用パソコンをハイスペック化する?
長らく動作が軽快なパソコンを求めていました。
高価なハイスペックPCを自作したこともあります。
しかし、そんなことで勝てるほど相場は甘くない。
そのマルチモニターPCは、動作については問題ありませんでしたが、うなりを上げ激しく熱を発散。
いわゆる、高性能・爆音熱風マシーンでした。
どの業界でも、よりハイクオリティーな製品・サービスが必要で、それを買った方がいいですよ、と言うわけです。
ですが、そもそもネットの株取引でそこまでハイスペックなPCが必須のアイテムなのでしょうか。
最近では多少なりとも疑問に思っています。
その理由を以下に書きたいと思います。
(あくまで比較的時間軸の長いデイトレーディング、数十秒から数分間のデイトレを行う場合の個人的意見です。
コンマ何秒を気にする方にはご参考にはなりませんので、あしからずご了承ください。)
自作PCは安くとも動けば良い?
確かにPCの動きがあまりにも遅ければトレードの支障となります。
ですが、それらの支障は多少良いCPUを使い、メモリを積むことでほぼ解決します。
その他の部品は、廉価品でも用が足りると言えなくもありません。
高価な製品を買っても、トレードで勝てると言う保証はどこにもありません。
儲かってからいろいろ試すと言うのでも、遅くはありませんから。
発注スピードの科学:速度はスペック依存?
株の発注スピードで言えば、デイトレーディングの手動取引では速い場合、0.5~3秒程度で反対売買になると思います。
仮にそれ以上に速く発注したとしても、「ナノ秒取引」をやっている側から見ると、こちらのPCは止まっているのと同じです。
ナノと言うのは「1,000分の1」の3乗。
10億分の1です。
私たちの発注速度は、「ナノ秒屋さん」より10億倍遅い。
彼らから見たら、こちらのPCは止まっているのと同じと言えます。
マネキン人形化される弱小零細トレーダー
彼らが、まず着替えて通勤してから何度も株を売買し、帰宅して普段着に着替える。
その間、私のPCはずっと止まったまま。
その後ろで、何もせずにマネキン人形のように固まったままでいるのが私。
そのくらいの差かも知れません。
ジェット機に対し、買い物かご付きの自転車でスピード競争を挑んでいると考えても良いかも知れません。
その自転車でスピードを出すために、どれだけのおカネと手間暇を掛けるかと言う問題。
もちろん、ジェット機はあきらめて、自転車同士での競争に勝ちたいと言うのなら、意味がない訳ではありませんが…。
耐久性とメンテナンス重視の姿勢へ
高級鋼材を使ったハイグレード・高スペックな自転車、私の場合は特に必要ありません。
性能よりも、壊れていないか、パンクしていないか、油がちゃんと注されていて普通に動くかどうかのほうが大事です。
その上、自分のPCがどんなに速くても、回線自体が遅かったら意味がありません。
インターネットを介する以上、ものすごく遠回りをしている訳ですから。
長らく自分のPCに動作スピードを求めていた私は間違っていたかも知れないと、そういう考えに至った訳です。
最も困ったPCに関する事象
ここ数年で一番困ったPCに関する事件は、単にPCが故障して停止した時です。
その他ですと、真夏の暑い中、熱とホコリを巻き上げながら唸りを上げるPCを目の当たりにして、ストレスを感じた事くらい。
発注の際、指し負けをするのは当然のように良くあることで、もはや気にする意味がありません。
いちおう、左手でテンキーを打ち、右手でマウスを握ると言うのをやっていますが…。
寝ぼけていて打ち間違いをすることなど、日常茶飯事ですので、考えてもあまり意味がないです。
どっちにしろ、負ける時には負けます。
デイトレーダーが避けたいPCに関する問題は、手動及びそれに準じた取引をする以上、動作のスピードと言うよりも、最近では
- 故障時の速やかな復旧
- 熱・騒音対策
ではないかと考えるようになりました。
パソコンの組み立てはプラモデルより簡単?
2の熱・騒音対策は、PCの寿命を延ばすことにもつながり、1を補完します。
これらのためには、自分で部品を交換するくらいのことは出来る必要があります。
自分で部品を交換すると言っても、難しいことではないです。
複雑なプラモデルを作るのと比べたら、簡単と言うか、テクニックは必要ありません。
プラモデルのほうが接着剤の塗り方とか、バリを削ったりとか、塗装とか、テクニックがいるのではないでしょうか。
PCは所詮が組み立てだけですから。
故障対策?静音パソコン化のコアな部分
PCの騒音は主にファンの風切り音に起因します。
PCは、部品の温度が高くなると自動的にCPU等のファン回転数を上げるようになっている場合が多く、静音化するには温度そのものを下げる必要があります。
温度が上がらなければ、ファンの回転数が下がって騒音も減りますし、部品の寿命も延びます。
ホコリのたまり具合も少なくなります。
大きいファンを使うと音が小さくなると言う説もありますが、回転数がある程度以上に上がってしまうと、どんなことをやっても騒音が出ます。
扇風機で実験すればわかります。
ある程度以上に回転数を上げてしまうと、音は何をやっても消せません。
自作PCの騒音を元から断つことの効用
PCの場合、回転数が上がる原因は、排熱です。
そして、排熱の原因は、部品の電力消費です。
消費電力(ワット数)が高い以上、排熱温度も上がります。
ですから、消費電力の低い部品を使うことで発熱が抑えられ、ファンの回転数が下がり、ホコリを吸い込まなくなり、部品の寿命を延ばし、室温も下がり、静音化され、人が快適にトレード出来ることにつながります。
ホコリがたまると、PCは唸りを上げるようになります。
使い込んだPCの場合、CPUファンの周りを掃除するだけで、実感できる程度の静音効果があります。
たまった綿ボコリがどれだけCPUの冷却を妨げているか…。
PCのアナログお掃除メンテナンス
ちなみにCPU周辺にたまった「わたボコリ」は、掃除機の吸い込み口にビニール袋をかぶせて穴を開け、穴の部分にストローを何本かさして手で掴んでおいて、掃除機を起動。
そーっとホコリ吸い込めばおおむね掃除することができます。
輪ゴムで、ストロー及びビニール袋を固定してもよろしいかと思います。

ものすごい原始的なやり方ですが…。
(ちなみに、なるべくストローの先がPC部品に触れないようにしたほうが良いです。
突っつくと部品が傷む場合がありますので。)
室温が高い中でのノートPC作業は?
PC部品の温度が上がりすぎると、熱暴走と言ってフリーズすることもあります。
夏に冷房をケチってノートPCを使っていたりすると、熱で思い切り動作が停止することがあります。
ノートPCにはファンがついていないことが多く、部品も狭いところに詰め込まれているためです。
日本で夏場に、ノートPCをメインにデイトレをするのは、あまり向いていないかも知れません。
ガンガンに冷房を効かせるなら別ですが…。
近所のスーパーにスーパーカーで買い物に行く
高性能な部品ほど消費電力が高いことが多いですので、ハイスペックと発熱対策はトレードオフの関係でもあります。
近所のスーパーにフェラーリで買い物に行く人はいないでしょう。
エンジン音も結構凄い。
会話するのにも困るくらいに。
デイトレード用PC(一般的な個人向け)の場合には、自動車に例えるなら小回りが利く車が最適であり、レーシングカーやスーパーカーである必要はないと言うのが私の考え方です。

