幾何級数的グラフで相場に勝つ方法

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複利厨(ふくりちゅう)とは、複利効果を夢見て皮算用ばかりしている人を揶揄する言葉。

複利を夢見る中学生が語源。

確かに計算だけなら誰でもできます。

相場においては、この皮算用は必ず通る道であります。

その概要とは以下のようなものです。

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何かの間違いで億万長者になれる?

短期トレードを志す者にとって、急激な資産増大がなければ、たち変わって急激な資産縮小あるのみ。

この現象、資金の大小に関わらず同じであります。

急上昇する幾何級数グラフと、急降下するグラフ。

下に凸(トツ)のグラフとは資産急増。

上に凸のグラフは、世にも怖ろしい退場のグラフを意味します。

複利運用の幾何級数グラフ

下に凸・上に凸の幾何級数グラフ
(右方向が時間経過、上方向が資産額を意味します。)

運用の結果、資産トントンで推移するのは、マシな方であります。

そのままずっとイケるならまだ優秀とさえ言えます。

短期投資の実態は、これらのグラフを部分的に切り出し、上手くつなげていく作業。

資産トントンの推移とは、交互にこのグラフを連結させている状態に過ぎません。

ハサミで切り取りながら。

これを複利厨用語で、微分したグラフのつなぎ合わせと言います。

微分したグラフの連結

幾何級数グラフのつなぎ合わせ

これを続けていると、いつの間にか急激な下降グラフの波に引き込まれることがあります。

まあたいていは、そうなりますわな。

「さようなら、また来てね」の図

つなぎ合わせグラフの後、急落の図

なぜ急激な資産増加が偶然に起こらず、急激な資産減少ばかりが起こりやすいのでしょうか?

その理由は、手数料や金利、不慮のミス(人間の不注意)、その他マイナスのファクター。

初期条件として、様々な資産減少の要因、そのきっかけが当然のごとく仕組まれているからです。

初期条件は「損しろ圧力」となって参加者を襲うと言うシステム。

したがって、短期投資で意図的に資産急上昇の構図に持っていくためには、それらの影響下にあることを頭に入れ、より強力な「トレード連勝体制」に持ち込む必要があります。

【実録】デイトレ30万円運用の結果

以下は当方、デイトレにおける、時系列に並べた日ごとの収支です。

0の日は、ほとんどがスルーした日(トレードの見送りをした日)。

▼マークはドカンとやられた日です。

(単位は万円。)

2019年1月【日次】営業日ベース

+0.7
-0.8
+0.4
0
+0.6
+0.1
+1.4
-0.4
-6.1
+1.2
+0.8
-8.3
0 (この日から同じやり方でトレード)
0
+0.2
+0.2
+0.2
+0.2

(合計)-9.4

2019年2月【日次】営業日ベース

+0.1
0
+0.8
0
+0.1
+0.3
+0.5
0
+1.1
0
0
+0.3
-0.3
0
0.4
+0.2
+0.1
+0.3 (ここでロット増を意識)
-3.8

(合計)+0.1

2019年3月【日次】営業日ベース

0
+0.8
+0.5
0
+0.4
+0.7
0
-0.8
+0.3
+0.6
+0.8
+1.6
+0.3
+1.6
+1.5
-10.2
0
+0.3
+1.4
-1.4

(合計)-1.1

損切り一発全てがパー

月にたった一度の厚めの損切り。

それで全てを吐き出します。

ロット(ワンショットの金額)を増やして行く中、やむを得ないと言えばそうとも言えます。

(ときおり信用二階建てもあり。)

デイトレにおいては、せめてこのドカン損切りを上手く降りるか、月間全勝体制に持ち込まない限り、事態は厳しい。

あるいは、たまにドカンと勝つか。

試行回数のリスク要因

3カ月間で抽出したインのタイミングは245回。

ざっくり3カ月を60営業日として割ると、1日当たり4回。

エクセル上にデータを集計していました。

この回数をさらに絞り込まねばマズイとの結果が出てきました。

おおむね245回のうち80回分はパスしろと。

3分の1であります。

その80回が大きくやられる可能性のあるタイミング。

実際に「やられた」のは、指折り数える回数しかありませんが。

この80回分をパスしても160回以上は残りますので、トレード回数としては十分。

皮算用、恐縮です。

複利厨御用達【複利計算表】

増加率10% 増加率30%
1 1.100 1.300
2 1.210 1.690
3 1.331 2.197
4 1.464 2.856
5 1.610 3.712
6 1.771 4.826
7 1.948 6.274
8 2.143 8.157
9 2.357 10.604
10 2.593 13.785

左端の縦列、1、2、3…は、試行回数です。

増加率30パーセントを10回繰り返すと、計算上、資金は13.785倍になります。

資金増加率30パーセント、マジ?

-10.2の大損日(3月末)の直前においては、2カ月ほどで30万資金に対し10万円弱の資金増加。

その資金増加率は

10÷30=0.333…

およそ30パーセントです。

ひと月15%ペース。

これが継続できれば、資金はあっと言う間に増えます。

涙をふきながら書いていますが。

幾何級数とは何?

幾何級数とは、高校で習う等比数列に同じ。

冒頭のグラフがそれ。

等比数列のグラフの増加率は、右方向へ行けば行くほど増加率が高まります。

これが下に凸のグラフであります。

急上昇、複利爆発の正体です。

複利厨用語でこれを、「微分係数が脱出速度を得る」と呼びます。

微分係数とは、単に傾きを権威づけた表現に過ぎません。

すなわち、傾きを急上昇させ、大気圏外に脱出する夢物語がここにあります。

微分係数の脱出速度

幾何級数グラフの傾き

脱出速度とは、物体が引力を打ち破り、宇宙空間に解き放たれるための速度です。

たとえ資金30万円と言えども、利益分を再投資しつつ、一定の増加率をキープすること。

これが第一歩。

それさえ実現できれば、思いのほか急速に資金は増えることとなるのであります。

脱出速度への軌跡

理屈の上から言えば、利益再投資のデイトレ全勝で、1年で資金は10倍。

30万暴威、夢の300万暴威へ。

しかもそれを続ければさらにイケます。

複利厨の夢は果てしなく続くと言うことです。

その鍵は、トレードが上手いか下手か。

それが全てです。

幾何級数グラフを一生懸命ハサミで切り取り、巧みにつなげ、爆発的な増加グラフを形成すること。

短期投資の夢がそこにあるのであります。

暴利をむさぼる方法

誰しも夢見る資金爆増。

トレードの最終目標と言っても過言ではありません。

これは夢物語と言う訳ではなく、理屈に乗っ取れば不可能ではないことなのであります。

手数は少なくて良い

トレードにおいて、手数が多いと言うのは単なる無駄です。

その無駄がどうしても必要と言うのであれば、仕方ありません。

しかし、手数は少なくて構わないのであります。

むしろ少なければ少ないほど効率が良いと言えます。

日々、利益が出れば良いだけであるのだからして。

利益を再投資することにより、加速度的に資金を増やす、それだけ。

加速度的な資金増こそ、冒頭で述べた幾何級数グラフであります。

資金の増加がこのような状況になる時、一日当たりのトレード回数なんざ、気にする必要はありません。

東証が開いている日は、年間およそ250営業日に及びます。

その間、やればやるほど資金が増加するのであれば、一日の手数を気にすることは意味なし。

大事なことは、以下であります。

損をしてはいけない

損をすると、右肩上がりの資金急増曲線が打ち止めになってしまいます。

トレードとは、その損を減らすために、やむなく損切りをしているに過ぎないのであります。

損さえしなければ、資金が増える可能性が高いと言えます。

理屈上は。

そして、一日当たりの利益は極小で構いません。

それでも資産を急増させることは可能です。

例えば、100万円でトレードして、一日に0.1%資金が増えたとしましょう。

金額にして+1000円です。

それでも理論上は資金を急増させることが可能となります。

その理屈とは?

0.1%で良い

0.1% 1.284
0.2% 1.648
0.3% 2.115
0.4% 2.713
0.5% 3.479

上表は資金を数%ずつ増加させるとし、250回同じことを繰り返した場合の結果です。

最上段について言えば、資金を0.1%増加させ、250回繰り返した場合であり、増加率は1.284倍となります。

250回と言うのは、東証の年間営業日を基準に設定しています。

1.284倍は、ざっと3割増しです。

0.5%ずつ増加の場合には、3.5倍近くになります。

一年で資金が3.5倍になったとしたら、十分過ぎる結果。

ただし、これを達成するには条件があります。

利益を全て再投資しなければならないと言うことです。

利益は再投資する

100万円でトレードし、1000円儲けたのであれば、その利益を再投資しなければなりません。

次は100.1万円でトレードする必要があります。

その次も同様。

最初の元手と増加分を全て使って、さらに資金を増やす必要があります。

そうしなければ、上記グラフのような増加にはなりません。

ここで手綱を緩めてしまうと、上向きの資金増加曲線が打ち止めになってしまいます。

ある意味、常に全力ポジが求められると言うことです。

逆に言えば、それがこの理屈の難しいところです。

しかし理論としては正しく、実現できれば誰がやってもそうなります。

グラフは右に行けば行くほど、垂直に近いくらいの右肩上がりとなり、資金は爆増。

100万円が兆になる日も近いのであります。

兆?

実はこの説には限界があります。

図体がデカくなればなるほど不利になる、下押し効果が存在するのであります。

図体がデカくなるほど不利

資金増加のグラフの上向きが垂直に近くなる、その結果、資金が爆増。

何とも夢のあるお話ではありますが、それが可能であれば、資金はすぐに国家予算を超えてしまうことになります。

現実にはそれは不可能で、資金が増加すればするほど色々な制約が出てきて、増加率は頭打ちになります。

たとえば、いくら資金が多くとも、ザラバで出ている板より多くの株は買えません。

買えないと言うことは、もはや資金を増やすことはできないと言うことになります。

あくまで上記のお話は、資金を急増させるためのモデルケースに過ぎないのであります。

そして、あえて当方は言いたい。

「全ての仮定法は意味を持たない」のであります。

成しとげた者のみが勝者、と言うことになります。

デイトレの試算

年間の取引回数を計算する

デイトレーダーは通常、頻繁にトレードを繰り返します。

例えば、一日に10回、株を買ってから売ること(1往復)を繰り返しますと、月に合計200往復することになります。

200往復とは、200回買い、200回売ること。

東証の月間営業日数はおおむね20前後であり、年間では、

200往復×12カ月=2400往復

すなわち、買い・売りを4800回。

取引回数は、やろうと思えばこの5倍、8倍と増やすこともできます。

1日で売買を80往復するデイトレーダーは実際にいるし、当方もやっていたことがあります。

回数の多さから来る効果

たとえ少額の取引でも、1回当たりの利益率がわずかでも、プラスであり続けさえすれば、計算上、運用資金は幾何級数的に増えることになります。

実際には、途中で損切りが入りますし、資産が増えたとしても出金する人もいます。

幾何級数的な資産増加など、そうは問屋がおろさないのが相場です。

損切りのウェイトが増えたり、一回の損切り額が大きくなると、今度は幾何級数的に資産が減少してしまいます。

これが相場の大問題です。

デイトレーダーの成功は、どれだけプラスを維持できるか、トータルで勝ち続けられるか、この点にかかっています。

実際に勝ち続けられるのか?

相場においては、勝者は1割しかいないと言う説があります。

それだけ相場は難しいと言うことです。

難しいと言うことは、それに打ち勝った層が利益を総取り。

中長期投資では、全体相場が上がれば、全員が儲かることもありえなくはありません。

しかし、デイトレ場合はゼロ・サムゲームに近い。

となると、敗者が損した分を勝者が総取りする形で利益にすることになるのであります。

聖杯を探す旅路

聖杯とは、相場のネット用語で必勝法を意味します。

必勝法があるのなら、ぜひ試してみたい、そう思うのは誰しも同じです。

聖杯となる必勝法が存在するとすると、多くの人が同じことをやり始めた時点で効果がなくなります。

みなが同じポイントで買おうとし、同じポイントで売ろうとしたらどうなるでしょうか?

買う瞬間に株価は上がってしまい、売る瞬間に下がってしまいます。

上で買って下で売る、それは聖杯とは真逆の行為。

聖杯が、いつのまにか毒を盛られたさかずきになるのであります。

勝利の逆転現象が相場のそこかしこに落ちている、と言う訳であります。


さて、本日の結果は、ノートレ。

相場は強いんだか、弱いんだかわかりません。

どっちに行くのか見当もつきません。

今月はいささかチャンスが少ない月でした。

日次にして6勝4敗、トータル勝ち。

10営業日は見てるだけ。

利益総額の8~9割が1営業日の大勝ち分。

大勝ちできれば月1でも大丈夫。

でも、もう1日くらいは大勝ちしたかったです。

来月はドカンと頼みます。