動画コンテナの消えた合言葉|鍵なし逮捕摘発

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インターネットの荒野をさすらう民。

彼らは文字列と言う不毛の砂漠の中で、果たしてオアシスにたどり着くことはできるのでしょうか。

何らかのネット情報をダウンロードすればそれ相応のリスクを伴います。

ツイッターや掲示板に書き込まれた奇妙な文字の羅列。

お宝データがゲットできるのか否か?

しかし現実は、一歩間違えればそれどころではありません。

オアシスと思った場所が実は蜃気楼だった、そんなケースもあり得ます。

ふと見回せばただ1人、砂漠の真ん中に取り残されていたと気づいたなら、あなたはどうしますか?

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1.動画コンテナとは?

多くの場合、データの置き場所は何回でも変えられるし、便利なことに(困ったことに?)無限に複製することも可能。

同じ荷物がいつのまにかコピーされ続け、予想もつかない場所に放置されることもあります。

そして、その荷物にアクセスするためのツールも、密かに作られては消え、作られては消えを繰り返します。

修正を加えられながら無限に改変されていく、それがネット空間の掟。

そんなツールの一例が、動画コンテナなどのアプリです。

2.巧妙に作られたシステム上の「鍵」

これらのアプリは上手くできていて、ユーザーが使うことをやめないよう、インセンティブ(行動を誘引する刺激のようなもの)まで用意してあったりします。

例えば、置いてある荷物を誰かが拾ってくれると、最初に荷物を置いた人にポイントが渡るような仕組みです。

その荷物をコピーしては他の場所に移し変えたりする。

そんな行動に対しては「ポイント」と言う名のインセンティブが与えられます。

その上、動画や画像のデータ自体が他で手に入らないような、場合によっては違法性さえある過激な内容であるために、興味津々でやってくる人が絶えないことになります。

刺激的な内容を含むデータには、鍵がかけられていることもあります。

3.「鍵なし」 の意味

荷物をあける「鍵」は、ネット上で売られていたりもします。

ですから、自然と「鍵なし」と言う言葉が飛び交うようになります。

「鍵なし」でありさえすれば、動画や画像の内容を簡単に見ることができます。

最初にデータを置いた人からしてみれば、「鍵なし」だろうが「鍵あり」だろうが、ダウンロードさえしてもらえばポイントが稼げます。

これがインセンティブの仕組みです。

新たに来訪したユーザーは、この巧妙な仕組みをほとんど気にも留めません。

4.合言葉とは

作る側は常に巧妙に考えるものです。

苦労して作るシステムです。

利用されなくては意味がありません。

驚くことにネット上には「合言葉」のための掲示板が林立し、ツイッター上でも関連の情報が書き込まれています。

「合言葉」とは情報にアクセスするためのパスワード

「合言葉」 の掲示板を見てみると、無機質なアルファベット、8文字程度のパスワードが「鍵なし」 との記載とともに羅列され、一読して「荷物」の内容がおおむね想像できるようなタイトルがつけられています。

文字列の洪水です。

そして、そんな「誘引装置」にひかれてやってきた新たなユーザーは、思わずデータをダウンロードしてしまい、内容の過激さに驚くことになるのかも知れません。

5.動画コンテナの使い方

動画コンテナとは端末(モバイル、タブレット)、相互の間で画像・動画のデータを共有するアプリの一つです。

所定のサイトでアプリをダウンロードすることができます。

使用には「合言葉」が必要

アプリをダウンロードしたら、「合言葉」を入力するだけでコンテンツを共有したりダウンロードすることができます。

ダウンロードのリスク

ネット上のデータをダウンロードする際、知らない間に違法なデータをダウンロードしてしまう場合があります。

利用者の中には、意図的にそのようなデータをアップロードしている人もいるかも知れないのです。

そのリスクをゼロにすることは難しい。

お互いに相手を知っている人同士で利用する分には、そのような危険なデータをダウンロードするリスクは減ります。

ネット上のデータをダウンロードする場合には、前もってその内容が「安全である」あるいは「違法でない」と確証を持つことはできません。

6.アプリは単なるツールに過ぎない

アプリとは、目的にアクセスするための媒介ツールです。

ですから、間違えた目的、不正な目的のために使用したのであれば、悪いことをしていると認定される場合もないとは言えません。

当人にそのような意図がなくても、知らない間に違法なコンテンツをやり取りしてしまう場合があり得ます。

コンピューターテクノロジーの発達した昨今では、このような履歴はどこかに残りますので、後になってから失敗したと後悔する可能性もあります。

7.「鍵なし」情報サイトとは

ネット上には「鍵なし情報」を共有するサイトも存在しています。

そこには多量のワードが羅列されています。

不可思議な光景です。

その一例をあげると、

  • 鍵なし
  • サンプル
  • 合言葉交換
  • ガチ

など。

あくまでダウンロードをしなくては、中身はわかりませんが。

8.「合言葉」専用掲示板 現る

「合言葉」専用の掲示板では、パスワードばかりが大量に羅列されています。

ちょうど、よくある匿名掲示板に書き込まれている文章が、全て7~10文字くらいの無機質なアルファベット・数字の文字列に置き代わった状態です。

例をあげますと、

  • すっごいの詰め合せ 1234abcd
  • 鍵なし共有サンプル abcd5678
  • 伝説の団地集会所 abcdefgh

いかがでしょうか。

何となく、内容が想像できなくはありません。

いい大人であっても、思わず動画コンテナのアプリを導入して、パスワードをコピペしてしまうかも知れません。

(コピペとはコピーアンドペーストの略でネットスラング。)

あるいはむしろ、スマホ利用の主力である、若年層が使っているのかも。

大人は新しいものには弱いですから。

9.ウィニーを彷彿させる新しいアプリ群

動画コンテナに限らず、世の中では新しいアプリが続々と登場してきます。

2002年~2003年頃、パソコンのファイル共有ソフト「ウィニー(Winny)」と言うのがありました。

当時と違うのは、

  • スマホ利用者が大勢を占めること
  • 技術が進んでもっと気軽に使えるようになっていること

などです。

昔は様々な設定が必要でしたし、パソコンの反応速度もデータ通信の速度も、今よりかなり遅かった事情があります。

それが今ではスマホの出現により、さらに壁が取り払われた格好です。

10.中学生、高校生は行動が速い

今や中学生、高校生の多くがスマホを持ち、保護者の知らないところで色々な使い方をする時代です。

昔はパソコン自体が高価でしたし速度も遅かったので、ある程度の知識を必要とし、子供が利用するのには若干の壁があったのですが、今やその壁は取り払われていると言っても過言ではありません。

一旦壁が取り払われたら、大人より子供のほうが行動は速いのです。

それが問題をややこしくしています。

果たしてあなたはお子さんのスマホの利用状況を全て把握し、しっかり管理することができますか?

11.異次元のネット空間に宝はあるか

視野と言うものは多くの場合、年齢とともに狭くなり新しい状況に対応することが難しくなります。

もちろん全ての人がそうだと言う訳ではありません。

個人差はあります。

ネットの空間は、リアル空間と違い無限の広さがあります。

広大な砂漠の真ん中にいわくありげに荷物を置いておく。

荷物とは、動画や画像などのデータのことです。

広大な砂漠の真ん中ですから、その荷物の中身は誰にも見られず、リアルの空間と違い内容物が風化することもありません。

ネット空間は異次元世界なのです。

12.ワールドワイドに広がるネット利用技術

ウィニーの場合には、最終的に違法なデータを共有したことが法的に問われたり(著作権法、わいせつ物頒布罪、個人情報保護法、児童ポルノ規制法など)、開発者も逮捕、起訴されるなどして話題になりました。

そのような裁判の例が報じられる中、表向きでは徐々に利用者は減り、下火になっていきました。

今では技術がより進み、目立たないように地下にもぐってしまい、しかもワールドワイドになっています。

13.ツイッターで検索すると

ツイッターの検索窓で「動画コンテナ」「鍵なし」などのワードで検索すると、おびただしい数のコンテンツのサムネイル、そしてパスワードまでもがツイートされているのがわかります。

(サムネイルとは縮小された紹介画像のようなもの。)

何かのデータをダウンロードすること自体、意図しない危険なウィルスを一緒にダウンロードしてしまうリスクがあります。

14.世代間の情報格差とは

ある一定年齢より上の世代の方は、スマホよりパソコンのほうが得意な傾向があります。

もちろんそれより上の世代になりますと、パソコンもスマホも苦手。

ほとんどテレビと新聞だけと言う状態になります。

テレビだけを見ている状態ですと、得られる情報に偏りが出ますので、新しい機器やツールについての知識も乏しくなります。

情報化時代のスピードについていけない人がさらに遅れを取り、これらの世代間ギャップがますます開くことにもなり兼ねません。

ネットを見ていたからと言って偉い訳ではありませんし、必ずしもその情報に信頼性がある訳ではありません。

しかし、視野が狭くて有利になることはあまりないと言うのが実情でしょう。

15.流浪の民 まずは質問サイトへ

ネット上の質問サイトでは、思いのほか「やばいデータ」にアクセスしたユーザーが後から心配になり、

  • 「これは違法なのではないか?」
  • 「逮捕されるのではないか?」

と、真っ青な顔色で書き込みをしている場面も見受けられます。

そんなに不安になるなら、最初からタッチしなければ良いのに。

とは言え、そこは比較的世代の若いスマホユーザー?

好奇心が旺盛すぎて、自らの行動を止めることができなかったのでしょうか?

それとも、巧妙なインセンティブに誘引され、砂漠の中に迷い込み、砂上の楼閣に閉じ込められた「中年世代」 の大人?

最近ではネット民の不安に弁護士が答えるサイトまであります。

ネット民の不安に答えるサイト

質問内容は、例えばこのような感じです。

「いかがわしい動画をダウンロードしてしまいました。誤ってダウンロードしてしまったのですが、大丈夫でしょうか。」

これに対して、弁護士は実に簡潔な文章で、的確に答えています。

しかし、その時点で質問者は情報と言う名の砂漠でさまよい、文字列の洪水の中で溺れていると言うことなのかも知れません。