相場の本質は運を拾うこと

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相場とは運を拾うこと。

必然ではなく、偶然を狙うのです。

確かに、相場の必然と言うものは存在します。

しかし、それを追えば追うほど、目的から離れて行く。

ここで目的とは、相場に寄り添いつつ、利益を出すことです。

それ以外に相場の目的などありません。

そして、相場の必然は、意外に捉えることが難しく、必然でも何でもなく不確かでしかなかったりします。

その結果、偶然性に依拠した手法にフォーカスを当てざるを得ないこととなります。

そんな当方の思いは以下。

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トレードは運で勝つべき理由

  • 微負けの連続の中に大勝ちを見出す
  • 微勝ちの連続の中に大負けを食らう

どちらが良い手だとお思いでしょうか?

結論:前者の勝ち

理由:トータルの収支が(前者)>(後者)であること。

シミュレーション

(前者の例)
1日につき収支-1000円のトレードを250営業日続け、1営業日で50万円を得る。

この時、トータルの収支は+25万円となります。

(後者の例)
1日につき収支+1000円のトレードを250営業日続け、1営業日で50万円を失う。

この時、トータルの収支は-25万円となります。

まとめると、収支については圧倒的に(前者)>(後者)となります。

意味

1000円で仕切るは作業、50万円まで引っ張るは運。

大事なのは作業の先にある運であって、作業そのものではないのです。

すなわち、小手先の作業はたいした利益になりません。

それどころか、大損の原因となる場合さえ、よくあること。

経験則上、そして計算上、これは確実に言えます。

これを当方の相場用語で、

必然で勝とうとする者は運に負け、運で勝とうとする者は必然に勝つと言います。

なぜ運なのか

相場の必然とは、例えば、その企業の業績が上向き、株価が上がり、うまく行けば配当も増える。

あるいは、材料によって動意づき、その値上がり益を享受する。

これらにより投資利益が上がる、すなわち儲かる、この一連の流れ。

これが相場の必然をつかむ、と言う行為です。

であるからして、その必然を追い、相場に向かう人、少なからず。

しかし、これらのことは、必ずしも前もって読み切ることはできません。

期間軸が短ければ短いほど、思い通りに行くなんて事は少なくなるのであります。

簡単に予想ができ、思い通りに事が運ぶのであれば、誰でも大儲けです。

すなわち、予想は困難を極め、当たらず、運に左右される。

相場の必然は、運と言う名の相場の偶然性の中に埋もれてしまいます。

その結果、儲けを見つけるに困難を伴い、気づけば路頭に迷っている、そんな相場のパターン。

勝率を上げる

次にたいていの人が考えることが、勝率を上げる、と言うこと。

いろいろな角度から考えて調べ、勝率を上げる。

例えば、勝率が9割あれば、当然、トータルでは利益が残るだろうと。

残るだろう?

悲しいかな、相場においては常に疑問形であります。

すなわち、相場の必然を追い、何とか確率を上げることで相場に勝利しようとする。

この考え方が、相場に手を染めた人たちにありがちな、初動の発想であります。

そして、実際にそれをやり始めることになります。

相場を読み、データを取り、個別銘柄を調べて、勝率を引き上げにかかるのです。

高確率で勝ち、その利益をコツコツとためるのだ、と。

世に言う、コツコツトレーダーの誕生であります。

相場の糸

このタイプのトレーダーは、実にデイトレーダーに多い。

日々、利益は小分けにし、分割し、小さな利益を積み上げていきます。

そして、全てを試行回数の多さで乗り越えようとします。

ところが、これで大儲けとなるのか?

残念ながら、たいていの場合、そうは問屋が卸さない。

なぜなら、9割の勝ち、そして1割の負け。

この1割の負けで、ドカンと大きくやられてしまうからです。

これを当方の相場用語で、一撃必敗と呼びます。

コツコツトレーダーには、常に一撃必敗の恐怖がつきまといます。

なぜなら、勝率を上げようとする態度は、綱の上を渡ることによって、近道をする行為だからです。

いわば相場の見えざる手からすれば、チートな行為に相当します。

このため、ロットが上げられません。

ヘタにロットを上げれば、バランスを失い、綱が重さに耐えきれずに切れてしまうからです。

これを当方の用語で、相場の蜘蛛の糸、と呼びます。

ロットさえ上げられれば、話はまた違うのですが。

キャリアトレーダー

一撃必敗、すなわち綱渡りから落ちるのがコワくて、ロットは上げられず。

あくまで、おっかなびっくり、コツコツに徹さざるを得ない。

勝率を上げることに注力し、コツコツトレーダーとなるのです。

そして、あくまで想定上の、敷かれたレールの上を歩み続けようとします。

これは旧来型の年功序列、終身雇用のサラリーマンの発想そのものであります。

ところが、その旧来型リーマンと大きく違うことがあります。

そこはレールの上じゃない。

相場と言う名の綱の上です。

そして、大損と言う名の谷底が、眼下に控えているのであります。

相場に寄り添う限り、この大損可能性は排除することができません。

大損の末の退場、これは厳しい言い方をすれば、リストラにあったサラリーマンより、遥かにひどい。

なぜなら、今までのキャリアが全く持って評価されないからです。

この罠を、当方の相場用語で、相場の谷底滑落と呼びます。

小額利益は嘘

すなわち、相場において、少額利益の積み上げは嘘、と言う結論。

小額ずつ積み上げて、ある日ドカンと大損をする。

これが相場において、最も忌むべき、かつ頻繁にありがちな谷底滑落のパターンです。

あの時オレが大きくやられたのは、運が悪かったんだ。

あのバッド・ラックさえなければ。

確かにその通りです。

しかし、これは綱渡りの典型的パターンに過ぎず、相場の常なのです。

なぜ、コツコツためて大損するのではなく、逆に、コツコツ損をし、最終的にドカンと大きく儲けることがができなかったのか?

買いボタンと売りボタンが真逆だったからです。

すなわち、スタート地点からして間違っていた、と言うことです。

ドカンは運

はっきり言いましょう。

勝率を上げることにさしたる意味はありません。

ドカンはある時やってくる。

これは運によります。

偶然と言ってよろしい。

綱渡りからの谷底への滑落、これがひとたび起これば、誰も止めることができません。

オレは綱渡りがうまいんだ、など、相場の悪魔からすれば失笑ものであります。

そうではなくて、逆にそこで取らなければいけません。

すなわち、発想を逆転し、コツコツは捨て、偶然性を拾うこと。

コツコツためる利益を排斥し、運を拾って大きくドカンと取る。

注目すべきはそこであります。

いつ仕込むべきか

儲からないのなら、相場をやっても仕方がありません。

儲かると思うからこそ頑張れるのであります。

そして、だからこそ休むことができます。

儲かるからこそ休める

人間誰しも経済活動をしなければなりません。

稼いだからこそ休める、そういう人は少なくないでしょう。

もちろん何らかの理由で、儲かっていないのに休む場合もあるでしょう。

しかし、それはあまりうれしいことではありません。

理想を言えば、儲かって休む。

儲からないんだったら、休んじゃいられない。

いてもたってもいられず、ついつい相場に参加してしまう。

そんな事になりがちです。

実はこれが一番良くありません。

最初が肝心

相場に参加しているのに儲からない、と言うのは実はかなり危険な状態です。

何のために虎の子の資金を投入しているのか?

そんな囁きが常に追いかけてきます。

特に短期売買の場合、その思いは強い。

損切りが連発した後、どうにもトレードをやめられず、挙句に大損の上塗りをしてしまう。

これを防ぐためには、一番最初の時点で、簡単に相場に手を出してはならないのです。

まず第一に、儲かると言う算段がなくてはいけません。

その算段なくして、休むも相場もへったくれもなし、と言うこと。

そして、儲からない相場は意に反し、続いてしまうものであります。

儲からない相場の持続可能性

この相場ダメやん。

そう思ったらそれがしばらくは続きます。

下げ相場に入ったら、当方の感覚では1ケ月は続くと考えてよろしい。

場合によっては3カ月以上。

2020年3月のコロナショックにおいても、下げは1ケ月。

日経が元の位置に来るまでには3カ月程度かかりました。

いや、3カ月で元に戻るのは早い方です。

リーマンショックの後に東日本大震災が来てしまった当時は、こんなものではありませんでした。

究極のダメ相場が長らく続いたのであります。

究極のダメ相場とは

リーマンショックは2008年の秋。

東日本大震災は2011年。

その間、日経平均は低迷し続け、相場は閑散。

盛り上がる銘柄に欠け、短期トレードは非常にやりにくい相場が続きました。

活況を取り戻したのは2013年初頭、いわゆるアベノミクス初期です。

日経平均は急騰し始め、すると売買高は活況に次ぐ活況。

振り返ればこの時期まで、およそ5年程度は究極のダメ相場が続いたのであります。

あの時、私たちにやれることは何だったのでしょうか。

良い時を待つ

日経の大底、と言ってもそれは今だから言えること。

当時はまだ日経が下がるかも知れない、そんな気運が漂っていました。

とてもこんな相場は買えない。

誰しもがそう思っていたのです。

相場低迷期なんてそんなもの。

あの時、長期投資の人にとっては絶好の仕込み場だったのであります。

5年かけて優良銘柄をじっくり選び、仕込んでおけば良かったと言えます。

また、短期売買の人にとっては、売買を休んで研究しつつ、次の相場に備えるべきでした。

そして、アベノミクスで一気に資金を回転させれば良かったのです。

つまり、ダメ相場は思いのほか、長く続いてしまう。

だからこそ相場を休み、次のチャンスに全振りするべく、様子を見る必要があるのであります。

俊足のチーターになる方法

相場の難しさ、それは負け方にあります。

大きくやられたら終い。

生還できる余力を残さねばならないのです。

そして、負けは必ずやってくる。

全勝はありえないのです。

したがって、いかに負け、いかに生き残るのか。

これが大事なコンセプトになります。

負けを避ける方法

全勝を続けることなど、不可能であります。

どこかで負けざるを得ない。

その時、なるべく被害を小さくする。

これが相場で生き残りの主目標、最大限に利益を残す方法です。

すなわち、負けを受け入れ、いかに上手く負けるのか。

ところが、負けを取り返そうとして、ついつい悪あがきをしてしまう。

損の上塗り。

負けが負けを呼ぶ。

取り返そうとしてさらに悪あがき。

相場にありがちな事象であります。

すなわち、負けを避けるのではなく、スマートに負けることが求められるのです。

では、どうすれば良いのか?

負け額を小さく

負け額を小さくするコツは、チャンスのみにインすることであります。

勝てるチャンスと言っても、絶対ではありません。

必ず負けは発生するのであります。

ただし、勝ちの確率はそこそこ良い。

この自覚であります。

そこそこ高確率で勝てるからこそ、次のチャンスを待てるのです。

逆に言えば、「これじゃまずい、取り返さなくては」と思い始めるのがまずい。

取り返そうとして、かえってやられる。

相場の難しさはここにあります。

確率の高さとその確信、これにより余計な手出しを慎むこと。

チーターの手法

地上最速の動物、チーターが良い例です。

チーターの特徴は、その俊足のみならず、非常に賢い動物であること。

無駄な争いをしません。

例えば、獲物を手にした、その直後の行動。

サバンナと言う荒野では、しばしば、獲物の匂いを嗅ぎつけハイエナが寄ってきます。

この時、チーターは獲物を守るために争うことはしません。

そのへんの駄犬のように、ガウガウ吠え、周囲を威嚇するようなことは決してしないのであります。

ハイエナが寄って来た時点で、静かにその場を立ち去る。

せっかく手にした貴重な獲物を残して。

なぜなら、チーターは勝負事の本質をよく理解しているのであります。

ハイエナの爪で傷をつけられたら、サバンナでは生きられません。

引っ掛かれた傷は、あとあと化膿し、高熱にうなされるようなことになりかねない。

そうなると、獲物を追うことすらままならなくなります。

すなわち、小さな傷がサバンナでは命取りになる。

それを十分知っているのであります。

負けを受け入れるとは、このような行動を意味します。

勝負事をよく理解し、行動をコントロールする必要がある、と言うことです。

ハイエナごときに落ちぶれてはならない

相場で言えば、チャンスは絶対ではない。

どんなに勝てる確率が高くとも、必勝はありえないのであります。

したがって、負けに拘泥してはなりません。

チーターがみずから獲物をあきらめ、静かに立ち去るように、無駄な勝負は避け、すぐに降りる。

そして、次の機会に賭けるのであります。

なぜなら、地上最速の足があるのだから。

ハイエナごときに関わっていては、相場と言う荒野では生き残れません。

でも待てよ、オレ、そんなに足が速かったっけ?

むしろハイエナのほうじゃ…?