トンガで大規模な噴火。
当初、津波は日本まで到達しないかのような情報がありました。
しかし、そこは訂正。
日本にも影響ありです。
それどころか、今後数年に渡り、世界に暗雲が垂れ込めなくもない、そんな雰囲気。
そう考える理由は以下。
噴火の状況
デカそうなのはわかります。
しかしピンと来ない。
縮尺はどのくらい?
噴火規模は関東地方を覆い尽くすレベル。
フィジーでの衝撃波は瞬間、人間の肌をピシャリと打ちました。
フィジーはトンガから数百キロ離れているのに。
日本にも影響はあります。
津波はしっかりやってくる、とのこと。
今後の世界、そして日本への影響は?
予想は難しい。
過去の例から類推するくらいしかできません。
火山爆発指数
火山爆発指数とは、英語でVolcanic Explosivity Index。
頭文字を取ってVEI。
VEI0~VEI8まで等級が割り当てられています。
数字が大きいほど爆発の規模が大きくなります。
トンガの噴火はVEI6とのこと。
火山爆発指数の例
- VEI1 キラウエア火山(1983~現在、米国ハワイ)
- VEI2 有珠山(2000~2001年、日本)
- VEI3 雲仙岳(1990~1995年、日本)
- VEI4 北海道駒ヶ岳(1929年、日本)
- VEI5 富士山(1707年、日本、宝永大噴火)
- VEI6 ピナトゥボ山(1991年、フィリピン)
- VEI7 タンボラ山(1815年、インドネシア)
- VEI8 イエローストーン(220万年前、アメリカ)
と言うことは、今回のトンガは、ピナトゥボ山と同レベル。
ピナトゥボ山の噴火
以下、箇条書き部分は、ウィキペディアのピナトゥボ山より抜粋。
1991年、ピナトゥボ山の噴火は
- 20世紀最大の噴火
- 成層圏に大量のエアロゾルを拡散
- エアロゾルの内容は二酸化硫黄
- 北半球の平均気温が0.5~0.6度低下
- 地球全体で約0.4℃の気温低下
- 成層圏の雲は3年間残存
- オゾン層が破壊
とのこと。
そして、ピナトゥボ山の噴火より、ワンスケール大きい噴火、それが1815年、インドネシアはタンボラ山の噴火です。
タンボラ山はVEI7にカテゴライズされます。
実は、今回トンガの噴火も、まだ終わったわけではありません。
今後スケールを増してくる可能性もゼロではないのであります。
従いまして、ワンスケール大きいタンボラ山の噴火についても、確認しておいて損はありません。
タンボラ山の噴火
1815年、インドネシアはタンボラ山の噴火は、人類が経験したもっとも大きいもの。
世界的に平均気温が約1.7度低下(ウィキペディアによる)。
直後の1816年は、「夏のない年」と歴史に名を残しています。
欧米においては、冷夏の影響で農作物に多大な影響を与えることとなりました。
穀物の価格も高騰。
飢餓や伝染病(コレラ)も大規模に発生。
日光が弱まりますと、日照により人体で作られるビタミンDが減ります。
ビタミンDは骨の発育や病気に対する抵抗力、すなわち免疫にも寄与する物質。
コロナ禍においても、ビタミンDの摂取を推奨する医師がいます。
日照が数年間も弱まり、体の抵抗力が弱まったところで、飢餓。
それは人体に影響を与えますわな。
そもそも太陽の活動が若干弱くなるだけで、地球に届くエネルギーが漸減する結果、経済に悪影響があると言われるくらいです。
太陽の活動は周期的に上下動しており、それが地球上の景気変動にも影響を与えるのです。
大きな噴火によって太陽光が遮られれば、当然ロクなことにはならないような。
噴火の影響
エアロゾルとは、空中に浮遊する極めて微小な粒子です。
コロナ禍において、エアロゾル感染などと言う語もさかんに使われました。
マスクをも通過するほどの微粒子がエアロゾル。
二酸化硫黄などの火山性噴出物が、エアロゾルとなって成層圏を漂う。
非常に細かい粒子ですので、なかなか落ちては来ません。
火山性噴出物の浮遊は少なくとも数年間、続きます。
二酸化硫黄は、硫酸、殺虫剤、漂白剤などの原料にもなる、人体に有害な物質。
のみならず、微小な粉塵とあいまって、オゾン層を破壊するのであります。
成層圏へ到達するエアロゾルは、時間をかけて拡散されます。
その結果、地表への太陽光が数%は減ることになります。
太陽光は減りますが、オゾン層は破壊されるので、有害な紫外線は地表に到達してしまいます。
有害な紫外線による影響は、皮膚がん・白内障などの疾病の増加。
さらに、免疫機能の低下です。
人体に影響しないとはとても言えません。
農業への影響も少なくありません。
冷夏で不作になることは目に見えています。
経済に影響が出るのは必至です。
世界的にはインフレに拍車がかかるかも知れませんな。
スタグフレーション?
スタグフは、不況下のインフレです。
日本はまだデフレ余波の範疇にありますので、いくらかマシですかな。
いや、そうはいかないでしょう。