最近、証券会社ごとに様々な株発注ツールが準備され、昔に比べるととても便利になった感があります。
この株ツールの利便性は、一体何を生み出すのでしょうか。
私たち個人トレーダーの利益に、一体どのくらい貢献してくれるのでしょうか。
科学技術が進化すればするほど、儲けやすくなるのであれば、うれしいことです。
現実はそうそう甘くはありません。
日々変化する相場に追いついていく意味では、発注システムの進化を無視することはできませんが。
相場が下がる・上がる、どちらがいい?
全体が上がったからと言って、デイトレーダーにとってやり易い相場とは限りません。
むしろ下がったほうが良い場合が多い。
下がったら、中心になる銘柄が絞られますので、ずっと同じ銘柄で一日中トレードできます。
銘柄を絞り込むためのトレードの手順が一段階減る訳で、ずいずん楽な印象になります。
銘柄選定はデイトレードにおいて、重要な手順です。
最近では取引ツールが進化し、便利になったおかげで手間がかからなくなってきていますが。
取引ツールに助けられギリギリで逃げる
売買代金が今一つで、盛り上がりに欠ける相場はよくあります。
短期売買では、そのような冴えない相場が一番難しいのです。
そんな相場がいつまでも続くことは珍しくなく、結果、こんなふうになります。
「もうイヤだ。」「もうやめたい。」と。
トレードツールを立ち上げるのがわずらわしくて仕方ない状態。
それでも、自動返済売りのシステムなど、便利なシステムには助けられます。
退屈な相場を自動ツールで逃げ切る
指値を出してボーッとしていたら、ヘンな急落を食らってしまい、
「ヤベッ、何だこの下げは!」
と思った瞬間、瞬時に買えてしまう。
そんなこともありました。
しかし、直後にタッチの差で返済売りが出来ていて、ラッキー。
それで上手く売り抜けることができて、助かる訳です。
昔だったら、完全にドン下げを食らって含み損になり、そのまま延々苦しい展開になるようなケースでも。
株ツールの進歩は良い事ばかりか?
ツールの進化のおかげで助かることもありますが、その真逆の現象も少なくはありません。
ツールや発注方法が便利になるからこそ、皆の行動パターンが似通ってきて、一つのパイの取り合いになり、結果やられることもあるのです。
皆が-5%で自動損切りの設定をしていたら、5%下がった瞬間に「ガラ」が来ることになります。
「ガラ」とは、泣く子も黙る株用語で、ナイアガラの滝のような下落を指します。
便利さの影に静かに忍び寄るナイアガラ。
手動で損切りをしていた時代のほうが、皆がモタモタと損切りをする感じになり、急落にはなりにくかったのではないでしょうか。
技術の進化がフラッシュクラッシュを生む
デイトレーダーにとって、ツールの進化は必ずしも良いことばかりとは言えません。
それは、フラッシュクラッシュなどと呼ばれる、ナノ秒取引のアルゴリズムによる爆下げにも言えることです。
科学技術の進化によって、儲けやすくなるなんてことはありません。
前に進むも闇、後ろに戻るも闇。
一旦投資と言う名の魔界に迷い込んだら、常に相場をさまよい続けることになるのかも知れません。