機械発注らしき挙動にイライラした経験、ありますでしょうか?
株の短期売買をやっていれば、誰しも時折遭遇する、謎のピコピコ発注。
逃げても逃げても追いかけて来るから厄介。
アルゴへの対策は、どんなものになるでしょうか。
アルゴリズム取引とは
株をやっていると、アルゴに出くわしたと思うことがよくあります。
「これこそアルゴだ!」と。
私の経験上では、出来高が薄い銘柄の場合が多いです。
なぜそう思うかと言うと、出来高が集まっている銘柄では、アルゴが入っていても判別できない場合が多いからです。
出来高が厚い銘柄では、板状況がガッチリ詰まっています。
そこにピコピコと新たな発注が入り、あるいは取り消されても、トータルではそれを遥かに上回る発注が入ってきます。
したがって、目視では判別できません。
そもそもがマイクロ秒単位の発注ですから。
マイクロ秒とは、100万分の1秒を意味します。
マイクロは単位の接頭語。
単位の接頭語は以下のような例があります。
- ミリ(m) 1/1000
- マイクロ(μ) 1/1000000
- ナノ(n) 1/1000000000
- ピコ(p) 1/1000000000000
1マイクロ秒とは、1×(1/1000000)秒を意味します。
アルゴが本当にマイクロ秒で動いているのか否か、それは定かではありません。
ただ、このアルゴ、閑散銘柄では憎たらしいほどに動きが目立つことがあります。
株のアルゴリズムのくせ
例えば、ある値段に100株の買い発注を自分が出すとします。
すると、それが板に表示される前に割り込む発注があります。
正確には、割り込んでいるのか、自分の後にくっついてきているのかはわかりません。
「あれ?」と思って自分の買い注文を取り消す。
今度はアルゴ(と思われる発注)も消えます。
同じことを繰り返すと、何度やっても自分の100株に割り込む、あるいはくっついて来る状況。
5回くらいやったところで、「こいつは何かの機械的な発注だ」と気づきます。
アルゴへの対策
経験上、上記のような出来高の薄い銘柄で、アルゴに出くわしたと思った後は勝率が良くありません。
含み益がほとんど出ないまま、ジリジリとやられることが多いです。
当方の場合、他の理由もあって出来高の薄い銘柄はパスしています。
そのおかげで「アルゴにつき合わされた」と言う機会はあまり多くはありません。
しかし、そう思うだけで、実際は気づかないうちにアルゴにやられているのかも知れません。
アルゴのいやらしい攻撃をかわしている気になっているだけなのかも…。
アルゴは個人で組める
そもそもがアルゴリズムとは、計算の規則を意味します。
計算の規則なら、コンピュータでなくとも組むことはできます。
人間の手発注でも、アルゴリズムはいくらでも組めると言うことです。
そう思って、私もトレードの規則を全て手順化するようにしています。
コンピュータとの違いは、その手順をこなすスピードが遅いこと。
目視と手作業依存ですから。
さらに、コンピュータは記憶力において人間の遥か上を行きます。
データを消さない限り、原則、忘れることはありません。
人間がその面で太刀打ちすることは難しいです。
手発注をアルゴリズムにする
手作業のメリット
人が勝てることと言えば、状況に合わせ柔軟に対応すること。
自分の計算の規則、すなわちアルゴリズムをいくつか用意しておき、様子を見て切り替えることです。
機械の場合には、ルールに乗っ取った変更しかできません。
設定通りの動きしか出来ず、融通が利かないという訳です。
おそらく世を席巻するアルゴも、後ろに人間が立って監視する係の人がいる筈です。
彼はアルゴの支配人であり、スイッチのオン・オフ係です。
そのアルゴの支配人の派生形、それが実は、一般のデイトレーダーであるかも知れません。
手作業のデメリット
しかし、いかに自分なりのアルゴを組んだからと言って、しょせんが人間のなせる技。
間違えてマウスをクリックしてしまい、フライングになることもあれば、発注が遅れて地団駄踏むことも…。
そういう経験を繰り返すと、どんどん焦ってきてさらに下手を打ったりします。
機械はそもそも計算通りの発注を正確に出せますし、焦ることもありません。
ここが人間の手作業が劣る点です。
デイトレーダーとアルゴの戦いは、いずれか一方が駆逐されるまで続くことでしょう。
果たして人間の手発注は、どこまで生き残れるでしょうか。
アルゴの見分け方
アルゴの結論、それは一言でいえば、ピコピコであります。
歩みに伴う板の明滅。
ピコピコを読むことによって、アルゴの動きを察知する。
ザラバの間中、じっと監視していると、何かが見えてくることがあります。
どこでインすれば良いのか?
どこで離脱すれば良いのか?
しかし、そもそもこのピコピコ、本当にアルゴなのか?
個人の買い、すなわちイナゴの買いなのではないのか?
イナゴとアルゴ
イナゴの買いとアルゴの買いは判別がつきません。
ただし、イナゴにも軽量級イナゴと重量級イナゴがいます。
重量級のイナゴこそ、相場を動かしてきます。
そして、その重厚さは出来高に出るのであります。
痕跡を残さずに機関銃を撃つことはできません。
売買の履歴は、必ず歩み値に残ります。
例えば、IPO株が初値をつけた日を振り返れば、特徴的な歩み値を確認することができます。
一日の売買代金は数百億円。
千億円に達する場合もあります。
にも関わらず、歩み値の上では
100株
200株
100株
400株
(以下続く)
こんな調子の約定が続きます。
ときおり1000株以上の約定が見られるものの、多くの売買が細かく分かれているとわかります。
しかも1分間当たりの約定件数は、まさに機関銃。
そんな中、売り板を出した当方、不思議なことに気づきました。
アルゴの正体
ある瞬間、当方の出した売り発注は一気に食われました。
売り板が瞬時に消えたのです。
消えたように見えた、と言うのが正しいのかも知れません。
当方としては、希望の値段で売れたので大助かりです。
おそらくは誰かがまとめて買いを入れてくれたのでしょう。
大口トレーダーの買いであるかも知れません。
そう思って約定履歴を調べて見ますと…。
瞬時に食われた売り板は、約定履歴の上で
100株
300株
200株
100株
300株
(以下略)
このように、やはり細かく分かれて約定していました。
まとめて一気に食われたと思ったのに。
これがアルゴの正体なのでしょうか。
アルゴの本尊さんも、細かく売買すればするほど手がかかるし、システムに負担がかかるようにも思えます。
なぜこんなに細かく、分かれて約定しているのでしょうか。
なぜ細かく発注するのか
一気に食われた筈の当方の約定が、なぜこんなに細かく分かれていたのか。
それは謎です。
当方ができることは、なぜ機関銃が作られ、連続的に細かい掃射を行うのかを考えることです。
機関銃は弾を分散して発射することにより、的に必ず当てる目的で作られています。
仮に多くの弾が的を外すとしても、そのうちの一部が当たればそれで良い。
十分な脅威となります。
脅威があるからこそ、敵は接近することができません。
心理的効果も大きいのです。
実質的な害プラス、心理効果。
素手で対抗できるのか
丸腰で立ち向かうことは無謀です。
ハチの巣にされるのが関の山。
機関銃の正面に立ってはいけません。
とりあえず、こちらもステルスが基本。
対抗策があるとすれば、機関銃の背後に回ること。
しかし、相場と言う戦場で、どのようにステルスの隠密行動を取り、機関銃の背後に回れば良いのか?
仕方ないので、とりあえず買い発注を出す時に、最小単位・成り行き発注で出してみる。
最小単位でクリックを連続するのです。
最小単位なら、敵さんの機関銃発注と区別がつかないだろうし、成り行きなら板に注文が出ません。
これでステルスになる?
そう祈りつつ。
さて、本日の結果は、スイング負け。
薄い損切りで助かりました。
当方のルールでは、微損は勝ち。
つまり、負けるが勝ちの日であります。
夏枯れ本番と来ては、やることなし。
冷徹に次のチャンスを狙う他ありません。