割安とは、何か。
それは人の心理が作り出すものです。
たとえ割安でなくとも、人が安いと思えば、それは割安なのであります。
理論株価など、特に短期のトレードにおいては、ほとんど何の役にも立ちません。
理論と現実には、大きな開きがあるのです。
人の心理を先取りした割安度。
これこそが、実際的な上値余地を生み出す、使える割安指標であります。
あくまで当方の感想に過ぎませんが。
買えないから上がる
当方の割安の定義は、買えるか・買えないかの問題であります。
買えない、すなわち、誰も買っていない。
買える、すなわち、誰かが買っている。
この理屈に乗っ取れば、最も割安な銘柄、それは誰もが全く買えない銘柄であります。
例えば、とんでもない悪材料の出た株。
この危険な銘柄で、当方、利益を出すことは多いのです。
ただし、
(割安)=(株価が安い)
この等式は、経験則上、必ずしも有効ではありません。
素っ高値で株価が高いからこそ買えない、そんな状況も十分あります。
高値なら、誰も手が出ないからです。
(誰も買えない)=(割安)
この等式は、往々にして成り立つことが多い。
上昇余地がありさすれば、それは株価が上にあっても、割安と言えることはあります。
まとめますと、
(割安)=(誰も買えない)≠(株価が安い)
です。
半端に買えない銘柄
注意すべきは、中途半端に買えない銘柄であります。
半端に買えない銘柄は、単にいつまで経っても上がらない、厄介な株に成り下がっていることが多い。
なぜなら、まだ割安が十分に織り込まれていないから。
ちょっとやそっとの買えない銘柄、これはそのまま単純に買えない銘柄に過ぎないのであります。
すなわち、ダメな株を狙うなら、徹底的にダメな銘柄を狙わなければなりません。
中途半端ではなく、徹底した割安を狙うのです。
日本株が4000銘柄あるのであれば、4000の中で最もダメな株。
さもなければ、割安度が十分に織り込まれていない、下げ余地のある銘柄を掴むことになりかねません。
当方、長らくこのリスクに苦しめられてきました。
ただし、ここで高らかに言いたい。
4000から選りすぐった危険性こそ、相応の上昇余地を持ち、不可思議な爆発力を内包する。
そんな場合が無きにしもあらずであると。
出来高で買えない
出来高が少ないことは、買えない一つの要因であります。
すなわち、買えないのであるからして、割安の一因と考えることもできます。
しかし、経験則上、出来高が少ない銘柄は無効であることが多い。
出来高が少ない銘柄は、板も薄く、ザラバに出ている指値注文が飛び飛びになっています。
スカスカ。
ここで買いを入れますと、自分の買いで、たやすく価格が上がってしまいます。
売る場合も同様。
自分の売りで価格が下がってしまうのです。
自分の買いと売りで、ダブルで価格が修正されてしまう。
すなわち、上で買って下で売る。
自分の挙動で、自動的に割安が訂正されてしまうのであります。
この罠から脱出しようとして、買い指しをさらに下に出し、売り指しをもっと上に出しても無駄です。
ミスプライスを拾おう。
そんなことは誰でも考えることなのであります。
スカスカの閑散銘柄は、出来高が十分ある銘柄に比べ、実は、割安の織り込みが足りていない事が多い。
多くの人が手掛けていれば、もっと下がっていた筈でしょう。
しかし、まだ多くの人が手掛けていないので、十分に下がっていない。
すなわち、本来はもっと下に買い注文が出せた筈なのであります。
板が薄く飛び飛びになっていることによって、気づかないうちに、上で買い指しを出さざるを得なくなっている。
これは、出来高が少なく板薄であることにより、割安の織り込みが阻害される、そんな結果であると言えましょう。
しかし、板薄の銘柄ほど、簡単に値上がりする傾向はあります。
空白地帯を駆け上がる現象であります。
従って、適度な頃合いの出来高、これが大事であります。
絞り込みの手法
例えば、出来高のフィルターにかけた時、当方の場合、4000の銘柄候補はその半分、あるいは3分の1、それ以下にまで絞り込めることが多い。
出来高だけで、かなりの抽出が出来てしまうのであります。
抽出方法は、100人いれば100通りあります。
そして、自分だけの候補銘柄を選ぶからこそ、自分だけのおいしい利益を享受することができます。
この抽出方法に甘さがあれば、自分が損をするだけ。
実は、この絞り込みについては、どんな条件を使っても良いのであります。
まず第一に、絞り込むのが目的だからです。
そして、他人と違った視点から絞り込むことの重要性。
他人とかぶったフィルターで絞り込むと、割安とは言え、他の人も買いを入れることになります。
つまり、その分、割安が訂正され、割高になってしまう。
ですから、PERで絞り込む、と言うのは弱い。
なぜなら、より多くの人が、その指標で絞り込みをかけています。
そのフィルターは使い古されたものであり、すでに割安を狙って買いが入っている。
割高な株価へと、訂正されている可能性が高いのであります。
すなわち、人とかぶればかぶるほど、割安は掴めない。
このジレンマ。
テクニカル・フィルター
テクニカルも同様であります。
皆がMACD、あるいはRSIで判断しているのであれば、すでにその目線の割安は修正されています。
すでに割高になっているのです。
であるからして、テクニカル指標に頼る際にも、自分独自の指標、誰もまだ使っていない見方を開発する必要が出て来るのであります。
では、当方はどのようにしているのか?
当方は、パターンマッチングを採用しています。
図形の見た目で絞り込む。
これはある意味、相場における絵画の鑑賞であります。
当方の割安判定は、何を隠そう、上がりそうか否か。
上がりそうなら割安と判定します。
そもそも、図形の見た目で絞り込むなど、子供がやることであります。
であるからこそ、他人とかぶらないのです。
根拠がないと言う理由で、多くの人がパスしてしまうテクニカル・フィルター。
それこそが図形の見た目によるパターンマッチングであります。
割安に根拠は必要か
割安に根拠はいりません。
なぜなら、安いと思った人が多ければ、それは割安になるのであります。
明らかに。
今後の買いが見込めれば、それは十分に割安。
そして、その割安は、まだ多くの人が気づいていないものでなければなりません。
気づいた人が多ければ多いほど、割安はすでに訂正されている。
フィルターは、根拠があっても、なくても構わないのであります。
そんなことより、他人とかぶらないことの方が遥かに大事であると思われますが、何か?
そして、先んじてその割安にベットする。
割安は、人間の心理が作り出す、実態不明の魔法であります。
本日も、確かに、その魔法に助けられたと言えます。
本日のトレードは、デイなし・スイング負け。
スイング持ち越しは、ダダ下げ銘柄いろいろ、廃止懸念株、スーパー素っ高値のバリュー株など。
うち数銘柄が前場、爆上げしてくれたものの、1銘柄が大幅ギャッダンにより、トータル微損。
もうちょっと持っていれば余裕で利益が出たのですが、こんな相場ですから、さっさとぶん投げ。
ぴえん。
しかし、このおそロシア相場で微損で済んだ、などは上出来な方。
儲かった気分であります。
いつになったら大儲けできるんやろか、と思いつつ。
再度、茶番相場は買い、この新理論の検証に入りました。
いろいろ持ち越し。
本日、東1銘柄では半導体、自動車関連が良く下げていました。
いわゆる値がさハイテク関連であります。
明日は日本市場が休場です。
これは何かあやしい。
日経平均の寄与度が高い銘柄を売ってきている感が否めない。
と言うことで買い向かい。
よく買うなあ、おい。