相場勘の使い方

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相場勘を手にする前提

心理の掌握

人は天井で売りたくなります。

素っ高値で売れば儲かるからです。

儲かるから売るし、そうなると、空売りをかけたくなります。

空売りとは、モノがないままに売りをしかけることです。

例えば、リンゴを1000円で売ります。

しかし、モノはない。

今、目の前に現物のリンゴはないのであります。

従って、「後で持ってきます」とお客さんに言っておく。

「人気の品ですからね」と言う訳です。

この1000円と言う価格は、おそらく高い。

天井だ。

だからこそ、売ると言う約束だけしておいて、モノは後から調達して、お客さんに渡せばいいのさ。

新高値、ぶち上げ天井の心理とは、誰しもこのようなものです。

天井空売りの読み違い

日経がグイグイ上げ、新高値を取る。

そこで出現した陰線。

下がるんじゃないか?

素っ高値ですよ、と。

ここで厳正な事実が提示されます。

相場はどっちに行くかわからない。

天井だろうが底だろうが、次の瞬間、どっちに行くかはわからないのであります。

そのわからないものを、上だ、下だ、と決めつけても仕方がありません。

さて、1000円で売る約束を取り付けたリンゴ。

お客さんに渡すために、現物を調達する必要があります。

実際にリンゴを買ってくる必要があるのです。

さあ、モノを手に入れましょう、と思った、そのせつな。

市場ではリンゴの価格が1500円になっていたのであります。

空売りと相場

安く買って高く売る。

これが売買の基本であります。

であるのにもかかわらず、1000円でリンゴを売る約束を取り、現物のリンゴを1500円で仕入れ、お客さんに渡す。

500円のマイナスではありませんか。

これが相場の読み違いであります。

もしリンゴの値段が急騰しているなら、そういうことも十分にあり得る。

空売りの仕組みが、人間の頭にとっては、いささか複雑なのであります。

そして、複雑なのに、いとも簡単に空売りができてしまう。

それがマーケットです。

危険性を体で知っている人ならば、先に売りの約束を取り付けるなんてことはしない。

なぜなら、値段が上がりまくっている時に限って、現物のリンゴが調達できない。

そんな恐ろしいことが度々あるからです。

人気の品は、そう簡単には手に入りません。

ですから、まずは仕入れてから、現物を手元においてから、それを高く売ろうとします。

そのほうが気楽なのであります。

この手順をすっ飛ばし、相場においてはボタン一つで空売りができてしまう。

すなわち、簡単に実行できるからと言って、儲けられる訳ではないのであります。

これが相場のアンビバレントであり、空売りの難しさです。

アンビバレントに勝つ方法

いつ、いかなる時でも、未来は予測できない。

天井に見えるからと言って、次に相場が下げるとは限りません。

では、限らないからと言って、次は上に行くのか?

それも断言はできません。

すなわち、決めつけることはできないのであります。

しかし、決めてもらったほうが人間は楽です。

楽どころか、気持ちがいい。

説明の上手い、人気者のインフルエンサー。

彼が「これはこうなんです」と断言してくれると、何か気持ちが晴れる。

「そうだ、そうだ」と同調したくなる。

この心理は相場も同じです。

巧妙に見える説明をトクトクと受け、納得してしまってはまずいのであります。

そうではなくて、現実は、一寸先はわからない。

わからないものはわからないものとして、そのまま受け入れる。

そして、その時、次の一歩が踏み出せるのであります。

相場勘の正体

判断とは、自分で行うものです。

誰かにしてもらうものではありません。

相場においては、なおさらです。

人にまかせておいて、うまくいかなかったら、その人を責める。

それも一つのやり方でしょう。

しかし、そのままでは、いつまでたっても判断ができないままです。

すなわち、相場の一歩を踏み出すとは、自分で判断し、足を前に進めることなのであります。

自分で足を進めるうちに、勘が冴えてくる。

これが相場勘であります。

相場勘が研ぎ澄まされたとき、聖杯が我が物となります。

相場勘の手順

何をやっても、全体相場が急落してしまっては損する可能性が高まります。

実際の話、大型株は日経平均に準ずる動きをします。

小型株も日経の暴落には逆らえません。

相場を長くやっていれば、多少全体が下がっても連れ安しない銘柄、これを何とか探し出そうとします。

しかし、暴落の前では、所詮が無駄な努力なのです。

日経平均が500円~1000円下がったら、それに反して上がる個別株はそうそうありません。

ハイリスク・ハイリターンの実際

当方が買い持ちする銘柄はほとんどの場合、日経平均にあまり引っ張られない小型の新興株。

それでも日経平均が500~1000円下がったら覚悟をします。

小型の新興株や材料株は、普段は必ずしも日経平均に連動しません。

しかし、暴落の際には逆に、とんでもなく下がることが多いです。

上がる率も高いかわりに下げる時はとんでもなく下げる。

いわゆるハイリスク・ハイリターンです。

第一の方法

当方の場合、

  • 日経平均
  • 為替(主にドル円)
  • マザーズ指数
  • 東証グロース市場Core指数
  • ダウ平均
  • ナスダック
  • S&P500
  • フィラディルフィア半導体指数
  • ドイツDAX指数
  • イギリスFTSETM指数
  • 上海総合指数

などを見て、ヤバいと思ったら、買いを控えるか玉を小さくします。

毎日です。

しかし、判断は、実のところ、適当。

そんな適当なことで良いのか?

その答えは後述します。

各国指数の日足を見る

当方、昼休み以降にこれを行うことが多い。

その理由は、当日の日足・ローソクの形状が、ある程度完成されないと判断しにくいと言うこと。

ボラティリティ(価格変動率)が急上昇しているような荒れた相場の場合は別です。

14時30分以降、急速に当日の日足形状が変わるような急変動がないとは言えません。

昼休み以降に各国指数の日足を見て、明日、上に行きそうか下に行きそうかを判断。

判断と言ってもあてになりはしないので、あくまで仮のものです。

相場がヤバい、急落しそうと感じた場合、何度も上記を繰り返します。

第二の方法

日経平均の大型の主力株の日足のうち、代表的なものを50銘柄程度見ます。

下げ相場に入る前は、これらの日足が下げ傾向になります。

日足が微妙に下向きになって来たら、明日大暴落が来ても構わないよう、買い持ち株の玉を小さくするのであります。

これは有効です。

ダウや日経平均などの指数だけから判断するより、こちらのほうが確度が高い。

なぜそんなに適当なのか?

それしかできないからです。

いろいろ試しては見ましたが、総合的に判断する場合には、勘に頼るしかない、そんな結論。

代表銘柄を見る手順

主力大型トリオ株の銘柄を見ます。

主力大型トリオ株とは、当方が勝手にセレクトした50程度の銘柄群です。

主力大型トリオ株一覧

  • 鉄鋼:5401日本製鉄、5411JFE
  • 電機:6501日立、6701NEC、6752パナソニック、6758ソニー、7751キヤノン など
  • 機械:6954ファナック
  • 自動車:7201日産、7203トヨタ、7267ホンダ、7261マツダなど
  • 商社:8058三菱商事、8031三井物産、8053住友商事
  • メガバンク:8306三菱UFJ、8316三井住友、8411みずほ銀
  • 証券:7604野村
  • 海運:9101日本郵船、9104商船三井、9107川崎汽船
  • 保険:8750第一生命、8766東京海上、8591オリックス
  • 不動産:8801三井不動産、8802三菱地所、8830住友不動産
  • 電力:9501東京電力、9503関西電力
  • 通信:9432NTT、9433KDDI、9984ソフトバンク
  • 小売:9983ファーストリテ

なお、選んだ根拠は、とりたてて厳密なものではありません。

これらの銘柄を株のツールに登録して、日足を概観できるようにしています。

一周3分くらい?

メガバンクを見る

時価総額がトップで売買代金も最上位クラスの銘柄、メガバンクについては、特に注目します。

メガバンクは大物株主(機関投資家)が数多くいて、時価総額、売買代金も最上位。

例えば、日経平均や欧米諸国の日足は下に行きそうな印象ですが、メガバンクは出来高が上がり、上昇しています。

だから、明日はそんなに下には行かないのではないか?

こんな感じです。

メガバンクを上で買った人が多くいる。

このため、結果的に終値の株価も上がり、売買代金も上がりました。

その買い金額は巨額、時価総額の増加分も巨額。

ですから、明日も上がるんじゃないですか?

実際にはわかりません。

これで裏切られたことも数多くありますので。

そうやってトレンドを読み、買いか売りかの判断をしている次第であります。

なぜ相場勘なのか

人間が人の表情を読み取る場合と同じです。

理屈をつけていろいろ計算し、判断しようとすると、かえって迷ってしまいます。

相手が喜んでいるか、怒っているか、どんな感情を抱いているのかは、結局、勘で判断するしかありません。

コンピューターにいろいろなデータを入力して、出て来た結果で判断しますか?

おそらくはそれより、現状、人間の勘の方が正確です。

AIは、一度に多数の判断を、同時に行う場合に有効です。

しかし、今のところ精度はそれほどよろしくありません。

表情から感情を読み取るためには、複雑系の判断が求められるからです。

現状、人の勘のほうが手っ取り早く、しかも当たる確率が高いのであります。

昨今では自動車の運転までコンピューターがやる時代です。

今後はコンピューターに軍配が上がることになるのでしょう。

相場の幸運を拾う法

相場においては、あえて幸運をつかみに行く。

つかんで離さない。

利益の落ちている場所に、みずから飛び込んで行く。

これができて初めて、相場の聖杯にアプローチできるのであります。

予兆を察知する

ラッキーを拾うにもコツがあります。

幸運のきざしをつかむ。

予兆を察知するのです。

例えば、上がる株はどんどん上がる。

買いが買いを呼ぶ。

であるからして、下がる株だけを見ているなどと言うのは、まことにお疲れ様な行為であります。

もちろん、視野を広く持つと言うのは大事な行動であります。

上がる株も下がる株も、広く視野に入れておいて損はありません。

しかし、一つのことだけに捕らわれてしまっては、幸運のきざしを逃がしやすくなってしまいます

すなわち、予兆を察知するためには、まず視野の広さ。

それプラス、「らしい」場所を探す必要があるのであります。

幸運とは、平均的にばらついて落ちている訳ではありません。

万人に機会平等なシロモノでないのであります。

宝くじに連続して大当たりした人も存在します。

残念なことに、ラッキーはどこかに固まって落ちているのです。

ラッキーのある場所

こと相場においては、ラッキーはグイグイ上がる銘柄にあることが少なくありません。

もちろん、上がる株の高値掴み、と言うこともあります。

であるので、どんな株が上がり続け、さらに上にぶっ飛んだのか、それを研究する必要があります。

しかし、なぜ、上がったのか?

誰が買っているのか?

これを考え始めますと、相場の迷宮にハマる場合があります。

わかるくらいなら、誰も苦労しません。

上がるから上がるのです。

これが相場の成り立ちであります。

頼れるものは、イケると言う確信のみ。

イケる確信とは

イケる、イケない。

この二択判断。

これこそが相場に乗れるか否かの分かれ目であります。

イケると思うからこそ、買いを入れる。

なぜそう思うのか。

その答えは、勘。

相場勘そのものであります。

勘においては、根拠を求められることもありません。

なぜなんだ?

材料はなんなんだ?

そんな問いに前もって答えられるのは、仕手筋の主だけであります。

だからこそ、相場勘を頼りにする。

正々堂々と勘で勝負するのであります。

そして、その先にイケイケどんどんが存在します。

イケイケどんどんに乗る

イケイケどんどんとは、ブチ上がる相場を指す相場用語。

絶好調にそっと乗る。

相場ではこの精神が大事となります。

絶不調には関わらない。

勝ち馬に乗る。

幸運に便乗するのであります。

であるからして、なぜにブチ上がる銘柄を無視できるのであるか。

そういう理屈になってきます。

イケイケどんどんに乗れずして、相場に乗れること無し。

そして、ハズした場合には、即あきらめる。

即断即決で損切る。

この精神であります。

即断即決の手法

考えていては間に合わない。

その場で最も的確な判断をする。

相場のプレーヤーとは、運動選手に近い。

脳みそが相場と言う名の筋肉でできている。

考えずにして、脊椎反射で動けなければなりません。

脳筋にも関わらず、クレバーな動きができるか?

それができないのにライバルに対抗しようとしても、大負けを喫するばかりでなく、ケガさえしてしまいます。

相場の大ケガにおいては、そうそう簡単に立ち直れるものではありません。

デンジャラス。

ここが通常のスポーツと比較して、違うところ。

だからこそ、気軽にプレーしてはまずいのであります。

準備あるのみ。

相場勘を頭に叩き込むと言う準備を。


さて、本日の結果は、スイング同値降り。

持ち株、微妙に上がりませんでした。

相場が動きませんので、仕方ありません。

素直に上行くか、日経3000円くらい下がらないかな。

しかし、そんなことの原因って、アレくらいしかありませんよね。

おーこわ。

そこそこのポジで買い。