相場の足の速い・遅い

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相場には足の速い・遅いがあります。

今の相場は、極めて足の速い相場であります。

なぜそう言えるのか?

過去の相場と比較しつつ、現況を追います。

いわば、足を使い、相場の祭りを捉えたい。

神輿に乗っかって、わっしょいしたいと。

そんな当方の思いは以下。

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速い足の買い

速い足の買いとは、例えば、アルゴの買いであります。

アルゴは現在、マイクロ秒の売買を行っているとも言われます。

マイクロとは何か?

単位の接頭語であります。

単位の接頭語を例示すれば、

  • ミリ(m) 1/1000
  • マイクロ(μ) 1/1000000
  • ナノ(n) 1/1000000000
  • ピコ(p) 1/1000000000000

となります。

ミリは1000分の1倍、マイクロは1000分の1のそのまた1000分の1倍、続いてマイクロの1000分の1倍がナノ、さらにピコ、と続きます。

すなわち、1ミリ秒と言えば千分の1秒、1マイクロ秒と言えば100万分の1秒を意味します。

文字通り、超速の足の買い、それがマイクロ秒の買いであり、アルゴの買いであります。

マイクロ秒の売買が動けば、どうなるか?

瞬時に価格の訂正が行われます。

そこに人間の手発注は差し挟まれる余地がありません。

アルゴが流行れば流行るほど、訂正されるべき価格は瞬時に訂正済みとなります。

そして、アルゴを上回る速さで、価格の裁定を取りに行くことはできないのであります。

裁定とは、サヤを取りに行く行為です。

これが現代の相場における、速い足の買い、と言うことになります。

遅い足の買い

では、人間の手発注はどうか?

モニターの表示を見て、買いを出すまでに、人間はいったい何秒かかるでしょうか。

どんなに急いでも数秒はかかるでしょう。

ミリ秒やマイクロ秒など、ありえません。

まさに遅い足の買い。

アルゴ以前、相場の価格訂正には、途方もなく時間がかかっていました。

今よりもなおいっそう、人間による手作業の買いは遅かったのです。

その結果、大きな価格差が生まれることもありました。

たとえば、90年代バブルの当時には、日経平均と日経先物の価格差は何十円にも上ることが普通にあった、と言います。

参加者全員が足の遅い買いだったからです。

当時、マイクロ秒単位の売買は、存在していなかったのです。

日経と先物の価格差を見て、まず、発注のメモ書きを手にする。

次に、場立ちの間を走り回り、廊下を駆け抜け、やっとのことで裁定取引の申込み手続きを終えていたのだと。

裁定取引とは、高い方を売り、安い方を買う。

まさに足を使い、駆けずり回って裁定を取る。

90年代がどれだけ足が遅かったのかは、言うまでもありません。

あの時は儲かったなあ、そんな話を聞いたことがあります。

皆の足が遅ければ、そこに相場の隙が生まれる、と言うことであります。

アルゴ相場の理由

たちかわって、今の相場はどうか?

訂正されるべき価格は、瞬時に訂正されます。

アルゴの見えざる手が瞬時に入るからです。

見えざる理由、それはマイクロ秒の売買によるものです。

見えている価格は、全て修正済のものと言ってよい。

だから自分が買ってから、思惑通りに動いてくれることが少ないのです。

買ったけれど、そのまま全く動かない、あるいはじわじわ下がる。

思惑は当然のごとく外れる、そんなことが多い。

日経平均と日経先物の価格差がいつのまにか大きく開く、なんてこともありません。

そんなのんびりした、古き良き時代はとうの昔に過ぎ去りました。

マイクロ秒の取引が、裁定を取る隙をつぶしたのであります。

デイトレードが難しい、そんな声も、これに起因していると言ってよろしい。

速い相場の不確定性

価格が瞬時に訂正されれば、もはや、やることはなし。

雑魚は用済み、なんてことになりかねない。

後は、ちょぼちょぼと、人の手による売買が行われるのみ。

極めて遅れた価格の訂正であります。

たまに大口の買いが入れば、値動きは出るでしょう。

しかし、それを待たねばなりません。

待つと言う行為は、不確定性を受けれるということ。

なぜなら、神輿の上に乗り、皆が担いでくれるのを待つ、と言う行為に他ならないからです。

わっしょい相場が来ることを期待しつつ。

しかし、相場は実におそろしい。

祭りは既に終わっているかも知れないのです。

そんな中、裸で震えながら、独りハチマキを巻いて、わっしょいを待つ。

これが相場に言う、後の祭りと言うものであります。

不確定性と言わずして、何と言えば良いのでしょうか。

わっしょいジプシー

みずからを振り返れば、わっしょいジプシーと言う言葉が思い浮かびます。

わっしょいを追い求め、閑散相場を迷走している男。

しかし、相場の足は究極的なまでに速い。

祭りを追うには、相場の足が速すぎるのです。

そして、次の神輿にたどり着いた時には、すでに祭りは終わっている。

イナゴすらいない。

おいてかれた。

ハチマキを巻き、準備万端、裸で備える涙目の男。

それもこれも、アルゴのせいや。

わいのせいやない。

そんな声を何度発したことでしょう。

これが相場の足の速い・遅いに思うことであります。

さて、本日のトレードは、スイング勝ち。

どんな風の吹き回しか、偶然か。

わっしょいに乗ることができました。

ロットは小さくとも、がっつり値上がり。

しかし、余裕で20%は取れるところ、10%と少しで降りてしまいました。

握力不足。

せっかくわっしょいにぶち当たったのに、すぐに退散とは、根性なしであります。

仕方ないのでIPO、低位、適当に買い。