チャートパターンの経験則

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チャートパターンの結論

チャートパターンは頼れるか?

頼るのは難しい、そう答えざるを得ません。

もしパターンに頼るとするならば、それはある意味、綱渡りを意味するのであります。

はたして、綱渡りには信頼性があるのでしょうか?

その答えは、本人の能力と運に依存する、となります。

突然、風が吹けばどうなるか?

すなわち、能力があっても、運が悪ければ綱から落ちてしまいます。

相場とは、綱渡りをすれば解決するほど単純ではありません。

チャートに対する当方の思いは、以下のようなものです。

チャートが振り回す

相場においては、チャートで判断するのが当然、そんなふうに考えてはなりません。

当方もある時、そのような心理に陥りました。

チャートには、最初から移動平均線が描かれている場合も多く、他に各種の補助線を付け加えることもできます。

様々なテクニカル指標を併用できるのです。

そして、新知識が増えていきます。

しかし、知識に振り回されると言うことが、相場の罠。

実際、知識で勝てるほど、相場は甘くないのであります。

しかるに、なぜチャートが存在するのか?

チャートが流行る理由

チャートで判断するためには、ロウソク足、移動平均、その他の各種テクニカル指標を知っておく必要があります。

移動平均やその他のテクニカル指標を使わず、ロウソク足だけを使う、あるいはロウソク足すら使わず、折れ線グラフだけで考える、それも可能です。

しかし、昨今の株ツールには、多種のテクニカル指標を含む機能が、当然のごとく備わっています。

このため、折れ線グラフのみを使う人はまずいません。

「この機能は何?調べてみるか。」

と言う感じで、様々な新知識が増え、今度はそれを活用したくなってきます。

最初のうちは、それが結構楽しかったりするものです。

これがチャートが存在し、世を席捲している理由です。

知識の優位性

株を始めたばかりの人にとっては、チャート分析は目新しいことであり、新知識が増えることが楽しい。

そして、これで儲かるのではないかと期待感が先行します。

もちろん、その程度で儲けられることは、通常、ありません。

そのくらいの知識は、誰でもすぐに身につくことだからです。

9割がたの人が知っている、そんな知識に優位性はありません。

気づけばチャートに囲まれ、知識と言うまやかしに埋もれかねないのであります。

目を通すべきチャート枚数

例えば、売買した銘柄の日足と分足チャートを保存するとしましょう。

画像データの保存です。

5銘柄分のチャートを毎日画像として保存していくのであります。

すると、1カ月で日足と分足を合わせ、200程度の画像になります。

(5銘柄×20営業日×2=200)

年間だとその12倍。

たった5銘柄ずつ日足と分足の画像を保存していくだけで、年間にして、チャート画像2400枚に達します。

もちろん一日5銘柄以外にも、注目すべき銘柄はあります。

したがって、それ以上の件数のチャートに目を通す(画像を保存する)ことになるのは必然。

実際にそれをやっている人は少なくありません。

多数のチャートに目を通し、評価するのであります。

念入りに見直し、記憶に残すよう努めながら。

しかし、全てを見直すことはほとんど不可能と気づくのに、時間は掛からない筈です。

パターンマッチングの行く末

記憶力の良い人は、努力をするまでもなく全てを覚えています。

売買の度に「パターン・マッチング」を行ったり、経験則でたやすく売買が可能になるのかも知れません。

しかし、パターン・マッチングがトレードにおいて有効でない可能性もあります。

現時点での当方、個人的な感想では、そこそこ有効に機能するのではないかと思われますが。

この場合、トレードの勝敗は、脳の機能が高度か否かに依存することになることになります。

勝てないのは頭が良くないため、そういう結論にならざるを得ない、と言うことです。

特異的能力の理由

パターン・マッチングに優れた脳をお持ちの方であれば、勝てるのかも知れません。

これは、特異な記憶力と、その処理能力に依存するところです。

しかし、いったい人口の何%がそのような特殊能力を持った人なのでしょうか。

その都度チャートを視覚的に脳内で反芻し、幾何学形状の一致・不一致を確認する行為。

なぜ特殊能力が求められるのか?

サンプル数が多すぎるからです。

チャート検証の経験則

チャートを検証する作業、これだけで結構な時間と手間を食います。

果たしてその分だけの見返り、すなわち利益が本当に生まれるのでしょうか。

結論を申し上げると、当方の場合、期待したほどの儲けは出ませんでした。

能力が足りないのかも知れません。

あるいは努力が足りないのかも知れません。

原因は不明。

しかし、費やした労力を考えたら、やらなくて良かったのではないか、と思います。

それほどデータの管理は手がかかります。

全てを脳が処理してくれれば、どんなに楽でしょうか。

経験則の理由

チャートによる判断では、

  • 視覚的・直感的に判断できる
    → 値動きを把握した「ような」心理になる
  • あいまいな記憶が残りやすい
    → 売買の細部、時系列の数値データ各種を覚えていない

と言う、注意すべき事態が起こり得ます。

しかも、それらのことに気づきません。

わかったような顔で相場の迷宮に入る、そんなことになりかねないのであります。

例として、株価が一旦上がってから下がり、次に直近の高値に近づくチャートについて考えましょう。

その直後に

  1. 上にブレークする場合
  2. ブレーク出来ずに下に行く場合
  3. 「横ヨコ」的に動かない場合

大まかに3種類の場合分けをしたとしましょう。

その全てを画像として残し、記憶するよう努めるためには、手間と時間がかかります。

実は、その大まかな3種の結果を集計するためには、チャートを記憶する必要はありません。

1、2、3の件数を調べ、その数を記録しておけば良いだけです。

余分な工程は省くべきであります。

言い換えるなら、どの情報を捨てるべきか?

一種の「捨てる技術」であります。

チャートパターンの特性

チャートパターンには特性があります。

避けることができない、必須の特性。

それは、狙う箇所が限定されている、と言うことです。

例えば、以下のチャートパターンにおいて、買いで狙う箇所は一点であります。

相場の底で入りたい。

少なくとも、上図の黒丸になるべく近い位置で入る必要があるのであります。

すなわち、インで狙う箇所は限定されており、その近傍から離れれば離れるほどに不利になります。

負けのパターン

まず第一に、限定ポイントで的確にインすることができるか。

そして、下図の位置で買いで入ったとして、それが本当に相場の底なのか、否か。

実際には、その答えは、相場の神にしかわかりません。

上図の位置から、どちらへ行くかは、誰もわからないのであります。

第二に、そのチャートパターンは盤石なのか、と言う問題。

たしかに、いったん思惑通りに買いでインすることができ、直後は想定通りのパターンに収まった。

にも関わらず、次の瞬間、突如としてチャートが崩れることもあります。

想定を裏切って下げたら、どうなるのでしょうか。

はっきり言いましょう。

そんなもの、負けるに決まっているじゃないですか。

チャートパターンの前提

チャートパターンで勝つための前提は、上記のように

  • 限定ポイントにインし
  • その後に想定が崩れない

と言うこと。

これらの前提条件なくして、功を奏することはないのであります。

すなわち、崩れたら負けと言う綱渡りを強いられます。

相場と言う名の断崖絶壁で、常に。

そんな危険地帯において、決して崩れやしない、信頼できるチャートパターン、それはあり得るのでしょうか。

はなはだ疑問と言わざるを得ない。

綱渡りにおいては、落ちる時は落ちるものであり、こうすれば大丈夫なんてパターンは存在しない。

そういうことであります。

無限通りのパターン

いつ何どき、どこでチャートパターンが崩れるのかわからない。

これが相場の実際です。

確率が大体80%、そう豪語したところで、次の瞬間に大崩れすれば何の意味もありません。

にも関わらず、たくさんあるチャートパターンを覚えるべきなのか。

別の言い方をすれば、いつ何どき崩れるか否か、それが一切わからない。

であるならば、チャートパターンは無限通りあることになってしまうのです。

と言うことで、チャートパターンは20個あります、などはナンセンスの極みであります。

当方の経験則では、とてもではないが、20個のパターンには収まりません。

では、もしチャートパターンに頼るとすれば、何通りのチャートに分類すれば良いのでしょうか。

相場の類型総数。

その答えは、当方の経験則によれば、なんと2種類です。

2種類のみのパターン

チャートパターンは、買いで入る場合 買いのチャートパターン

の1種類、そして売りから入る場合に

売りのチャートパターン

の1種類の、合計2種類です。

他にパターンはありません。

そして、このチャートパターンに即して、損を少なく、利を多くするだけであります。

他に儲ける方法など存在しないのであるからして。

実際の話、これ以外のパターンは、ただ図面の上で、図形をこねくり回しているだけ。

こんな相場格言があります。

罫線屋、線を引き引き足を出し。

足を出すとは、予算を超えて赤字となることです。

上昇パターンの見つけ方

出来上がったチャートを見て、上昇トレンドだと言い張るのはたやすい。

問題は、これからどのようなチャートが作り出されるのか?

3秒先が予測できたら…

予測は不可能、これが相場のルールです。

3秒先でも確実に予測できれば、誰でも大金持ちになれます。

株でも為替でも仮想通貨でも、予測に応じたポジションを取り、3秒後に決済すれば済む話。

どんなに利幅が狭くとも、同じことを何度も繰り返せば大儲けできます。

上昇株の見つけ方とは、一言で言えば、未来をどう予測するか。

そう言っても過言ではありません。

買うべきチャートの筆頭

買うべきチャートとは、実に単純明快。

それは楽々含み益となり、あっと言う間に利益確定が可能なチャートです。

ザラ場を見回せば、そういうチャートがそこかしこに存在しています。

にも関わらず、なぜやられてしまうのでしょうか。

買うべきチャートとは陽線であります。

陰線で入るのは、いささか効率がよろしくありません。

なぜ陽線なのか。

陰線ではダメなのか。

そのあたりの諸事情は以下のようなものです。

陽線の諸事情

爆下げチャートを確認すると、明らかに判ることがあります。

それは、ほぼ必ずと言ってよいほど、陰線が続いてしまうと言うこと。

陰線が1本出現すれば、次も陰線かも知れないのに、なぜそこを買うのでしょうか。

次に上がると言う確信がない限り、インしてはいけないローソク足、それが陰線です。

素直に陽線のあるところにインすれば良いのであります。

陽連を手に入れる方法

買いで入り、陽線が連続すれば、まず勝つことができます。

たまたまタイミングが悪く、陽線の中の下げで損切りとなる場合もあります。

これを防ぐためには、買いを数回に分け、分散させればよろし。

その上で陽線が連続しているにも関わらず、損をすると言うのは逆に難しい。

すなわち、相場と言うものは、陽線連続をゲットするための戦いです。

陽連チャートこそ聖杯。

では、その陽連チャートにどのようにアクセスすれば良いのでしょうか。

スタートラインはここ

スタートを決める重要ファクターとは何か?

陽線連続のチャートにおいて、スタート地点には必ず陽線が存在します。

分足、日足、週足、どのロウソク足を見る場合においても、もし陽線が連続するのであれば、最初に必ず陽線が出現しているのであります。

にも関わらず、なぜ私たちは陰線のチャートにインするのでしょうか。

陽連チャートにインすることができた時、初めて楽勝のトレードを手にすることができる、と言うのに。

陽連チャートでは、ほとんど悩む必要がありません。

スタートはこのチャートであります。

上昇トレンドの難易度

トレードがし易いチャート形状は、以下のようなものです。

易しい上昇トレンド

難易度の低い上昇トレンドのチャート形状

このような形状のチャートであれば、どこで買っても大方損はしません。

しかも、早い時刻に買えば買うほど、急騰に乗ることができます。

遅い時刻に買ってもとりあえず損はしませんが。

問題はこの後どうなるかです。

迷いながらホールドするべきか

停滞し動かないチャート形状

上がらず下がらず、横ヨコ。

とりあえず、じっとしていて儲かることはありません。

損することもありませんが。

短期売買をしている側からすると、

【横ヨコ銘柄】 ≒ 【ノーポジション】

買い持ちしていないのと同じです。

しかし、時間が無駄であるのと同時に、下がるリスクも引き受けなければならないことになります。

結論から言うと、買い持ち、好ましからざる状況。

手仕舞うべきであります。

難しい上昇トレンド

難しい上昇トレンドのチャート形状

このチャート形状、いかにも簡単に儲かりそうに見えますが…。

冒頭で述べた通り、完成されたチャートを見ているからそう思うだけです。

実際には、上がる前に微妙な時間帯があります。

最初の3本のローソク足はほとんど上昇しておらず、横ヨコのチャート形状に近い。

「上がる」と解かっていれば、買い持ちすることができます。

それは当然。

大事なのは「数秒先の未来ですらわからない」と言うこと。

つまり、このようなチャート形状の銘柄を、上がる前から買い持ちするのは難しいことです。

下のチャートのようになったら、どうすれば良いのでしょうか。

簡単そうなチャートの罠

ジリ上げ後に急落するチャート形状

こうならないとは誰も断言できません。

下がると解かるなら、あらかじめ空売りをしておけば済むこと。

つまり、横ヨコを経由するチャートを長い時間買い持ち、利幅を大きく取ることはかなり難しい。

最も買いたいチャート

まとめますと、いきなり急騰する銘柄。

これがもっとも具合がよろしい。

リスクが少なく、ストレスも少ないのであります。

果たして、そんなチャート、うまく当てられるのでしょうか。

もはやチャートは

チャート形状は関係ありません。

別の言い方をすると、買った途端に上がる銘柄を買えれば成功。

横ヨコは半分負け。

急落は完全ノックアウト。

そして、陽線連続チャートに乗るのみであります。

明日こそそれを体感したい。


さて、本日の結果は、ノートレからのスイング買い持ち。

この程度の下げで、よくまあ買いを入れますな。

舌打ちをしながら相場を見ていました。

相場とは、殺伐としてからが買いであります。

平穏無事に買いは無し。

しかし、思わず手が出て小ポジ買い。

何となく嫌なパターンです。

小ポジからナンピン買いでドカンとやられたことは何度もあるのであります。

素直に明日は上がってほしいです。

たのんます。