即金規制IPO翌日までの知識

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即金規制のIPO株でデイトレ。

その際、当方が大損した理由。

新規上場株は値動きの大きさに特徴あり。

寄り付いた直後は、もの凄い動きをする場合があります。

現在では多くの場合、見送るようになりました。

規制が解除されてからイン。

それでも結構おっかない。

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即金規制のIPOでぶっこく理由

ぶっこくとは、株のネットスラングで、大損すると言う意味。

即金規制のIPO株でぶっこく、あるいは上手く行かない理由は、以下のようなもの。

  1. 信用取引が使えない
  2. そもそも現金残高(預かり金)がない
  3. 寄り付く株価が高い
  4. 出来高が減る
  5. 翌日以降信用取引が出来なくなる場合あり

信用取引が使えない

IPO銘柄では、上場初日に買い気配が続き寄り付かない場合、2日目は即金規制になります。

即金規制になると、信用取引が使えなくなります。

現物のみの取引です。

この場合、預かり金以上に資金を回転させ、デイトレードをすることができません。

現金残高が30万円ですと、10万円で買える銘柄だったとしても、10万円ずつ3回買いを入れたら終了。

それ以上は買えません。

あとは売るだけ。

最小単位が30万円の株なら1回だけしか買えません。

ピンポイントで値上がりする場面を買い、すぐ降りる必要があります。

一直線下げを食らったら、ブン投げるのみ。

その後その銘柄は買うことができません。

この場合、その日の信用枠は既に消えているので、他の銘柄でデイトレし、取り返すこともできません。

そもそも現金残高(預かり金)がない

資金30万円でデイトレードをしている場合、現金残高がない場合がほとんど。

直近の2営業日では、フルに資金を回転させ、信用取引でトレードをしていることが多いです。

そうなると、現金残高(お預かり金)は0に。

これが即金規制です。

回復するには2営業日かかります。

このため、即金規制のIPO株は買えません。

参加からして無理と言う事になります。

寄り付く株価が高い

IPO株が即金規制になるケースは、新規上場初日に買い気配のまま引けた場合。

翌日も高値で寄り付く場合が多いです。

場合によっては、寄らずの買い気配を数営業日繰り返す場合もあります。

そうなると、とんでもない高値で寄り付くことになります。

これがIPO株の凄さでもあり、恐ろしさでもあります。

即金規制が敷かれた中、とんでもない値がさ株がとんでもない高値で寄り付き。

ビビりまくって、とてもではないですが気軽にデイトレードなどできません。

出来高が減る

こんな状況ですと、多くのデイトレーダーが様子見になる為なのか、出来高が減ります。

高値で寄り付いて、板が飛び飛び気味、出来高減少傾向。

インするのには勇気がいります。

ビビりまくり。

顔面を引きつらせながらトレードするのは、気持ちの良いものではありません。

翌日以降信用取引が出来なくなる場合あり

仮に現金残高が余っていたとしましょう。

その分で即金規制のもと、IPO株のデイトレができるかも知れません。

しかし、全ての現金残高を即金規制の株に当ててしまった場合。

その翌日には、信用取引のための余力がなくなってしまいます。

現物売買で使ってしまった買い付け余力は、回復するために2営業日を要します。

その間、信用取引によるデイトレは不可になります。

こうなると、即金規制のIPO株でトレードし大損したとしても、翌日以降に取り返せないことになります。

即金規制とは

新規公開株が上場初日に寄り付かなかった時などに出される規制。

買い付け代金が即日徴収されます。

即日徴収になると、手つかずの(2営業日の間、株の売買をしていない)現金が手元にないと、売買できません。

信用取引はできません。

IPO株が初日に寄らない場合には、この規制をかけるのが通例となっています。

しかし、この即金規制、増担保規制に比べても、好きになれません。

増担保規制とは

信用取引において、委託保証金が通常より多く必要となる規制です。

この規制が実施されると、委託保証金が30%、50%などの指定が入り、その率に応じて信用取引建玉の大きさを抑える必要が出てきます。

例えば、通常は信用取引において、30万円の運用資金では100万円を超える程度の建玉が建てられます。

ところが増担保規制が入ると、建てられる玉の金額が60万円までとなったり、場合によっては30万円までしか建てられなくなります。

増担保規制は、その銘柄の売買が活況になり過ぎた場合などに実施されます。

条件はいくつかあり、東証で公表されています。

概ね、日々公表銘柄に指定された後に実施されることが多いです。

証券会社が独自に実施する場合もあります。

増担保規制では、それでもいちおう信用枠は残る訳です。

しかし、即金規制の場合には、インした後に他の銘柄で使う分の信用枠までなくなってしまうので、心理的な障壁がより高くなります。

規制は参加者を減らす

このような規制による調整をやると、出来高がスカスカの銘柄が増えてしまいます。

そして、ただでさえ出来高不足で参加者が不足気味の相場に、輪をかけてしまいます。

仮想通貨、為替、米国株、その他のデリバティブなど様々なマーケットに資金が分散してしまっている現状。

出来高を減らす規制には同意しかねます。

こちらとしても、売買を手控えるしかないのが実情。

低迷気味の新興株市場では、デイトレーダーが手を引いたら、参加者がさらに少なくなり、スカスカ状態。

個人投資家が参加しづらい状況を作るのはいかがなものでしょうか。

当方の場合、出来高が減って来たら、即座に監視銘柄から外します。

そんな人は多い。

そうなると、出来高が減れば減る程、相乗効果でさらに出来高が減ってしまいます。

即金規制の解除とは

寄らずの買い気配が終わり、やっとのことでIPO株が寄り付き。

その日は即金規制のもと、現物株のみの売買が行われます。

そして、その翌日になって、即金規制が解除されます。

こうなって初めて、通常通りの信用取引が可能になります。

即金規制明けはどうなるか

即金規制当日に比べ、翌日以降には買いが入り易くなって株価が上がる等と言う俗説があります。

いちおう調べてみましたが、その結果は何とも言えません。

上がる時には上がるし、下がる時には下がります。

とりあえず信用取引が可能になりますので、その意味では気軽にデイトレができます。

しかし、高値圏の小型株がどれだけ難しい値動きであるかは、言うまでもありません。

IPOの基礎知識

IPOの意味は「新規公開株」です。

IPOとは、Initial Public Offering の略。

  • Initial「初めの」
  • Public「公(おおやけ)の」
  • Offer「申し出る」

ビジネス用語でOffering は「製品・サービス」あるいは「(株や債券が)売り出された状況」と言う意味もあります。

IPOのセカンダリーとは

セカンダリー投資とは、新規上場直後の株を買う方法です。

上場前の株は、市場で公開されておらず、通常買えません。

証券会社の抽選で当選して、初めてIPOを買うことができます。

しかし、新規公開株は人気がある場合が多く、上場前の公募・売出価格ではなかなか手に入りません。

証券会社によりますが、抽選となることが多いです。

このため、上場してから後に新規公開株を買うことの方が多くなります。

なぜIPO株にこだわるのか

以下の理由などによります。

  1. 公募・売出価格より上場初日の初値のほうが高くなる場合が多い。
  2. 上場後しばらくは値動きが大きくなることが多い。

IPO銘柄の特徴

値動きが大きいことが多い

新規公開株は値動きが大きい場合が多い。

その理由はいろいろあります。

小型株が多い

IPO銘柄は新規上場株ですので、新興市場(グロース、スタンダード)に属する株が多いです。

比較的小規模な企業。

(例外はあります。)

小型株は大型株に比べ、値動きが大きい傾向があります。

それに加え、上場直後は多くの投資家が注目している影響で、売買代金が増えます。

このため、小型株の値動きが、輪をかけて大きくなる場合が少なくありません。

板が薄い場合が多い

小型株の場合、大型株に比べ指値注文の量がもともと少ない場合が多い。

その結果、板が薄くなります。

注文価格が飛び飛びになりがち。

しかし、上場初日やその直後は、いきなり大きな注文が入ることもあります。

その結果、大きく値が動くことも稀ではありません。

発行済株式数が少ない場合が多い

もともとの株の発行枚数が少ないことが多いです。

それだけに大口の投資家の意向が大きく反映されます。

箱の小さいところに、大量の資金がドカンと流入したり、噴出するイメージ。

公募・売出価格からの上昇率が大きい場合が多い

上場前の段階で、証券会社の抽選などを上手く乗り越え、IPO銘柄を手にすることができたらラッキーです。

初値は公募・売出価格より値上がりする可能性が大きいからです。

(もちろん絶対ではありません。)

過去の公募・売出価格と初値のデータを比較すると、値上がりしている場合がとても多いです。

公募・売出価格と初値(単位:円)
公募・売出価格 初値
7043アル― 1370 2010
7044ピアラ 2550 5030
4423アルテリア 1250 1190
7670オーウエル 750 855
2970グッドライフ 1600 1951
7045ツクイ 2630 4030

(表は2018年12月上場の銘柄群です。)

値がさ株が多い

上表でもわかる通り、IPO株には値がさ株が多い。

上場初日に株価が1万円近くになる場合もあります。

そうなると、売買する際の金額が大きくなりがちです。

このため、値上がり・値下がりにより、利益・損失も大きくなる場合があります。

小ロットで勝負したい向きには、やりにくい場合が少なくありません。

突然の特別売り気配

いきなり特別売り気配になって、そのまま売買が停止状態に。

そのまま、ストップ安まで値下がりする銘柄もあります。

その値下がりした状態から翌日、さらに爆下げするのを目の当たりにしたことも、何度もあります。

このため、やり方によっては、利益を出すのは難しいどころか、大損する可能性があります。

12月はIPO月間

例年12月はIPO銘柄のラッシュとなる月。

新規公開株を手掛けるには良い機会です。

同時に、大きな値動きにやられないよう注意すべき期間でもあります。

IPOのセカンダリーでデイトレすべきか

IPO銘柄を公募・売出価格でゲットできないとすれば、それは残念至極。

実は、株をやっている多くの人が同じことを考えています。

そうなると今度は、IPO銘柄の大きな値動きに上手く乗れないかと考える段階に入ります。

どうやって勝ち残ればよいのでしょうか。

値動きが頭に入っているか

IPO銘柄でデイやスイングでトレードする際、値動きの大きさに翻弄され、動揺してしまう場合が多いです。

どのくらい含み損になったら損切りすべきかなど、トレードのプランを組み立てておく必要があります。

ザラバのとんでもない急落は覚悟しておいたほうがよろしいです。

即金規制に対応できるか

信用取引が使えないと言うことは、繰り返し何度も売買ができません。

現物で回してしまうと、その分の現金については翌日以降の信用枠もなくなってしまい、回復するのに2営業日かかります。

トレード回数や信用の資金枠を考慮しながらトレードする必要が出てきます。

IPOセカンダリー売買の実際

実は、当方、毎回のように新規公開株でトレードをしていたことがあります。

もちろん損をすることも多い。

セカンダリー売買では、デイトレのみならず、スイングトレードにもチャンスがあります。

ギャップアップして上がり続ける場合もあるからです。

しかし、言い換えればギャップダウンも大きいと言う諸刃の剣。

十分にご注意ください。


さて、本日の結果は、スイング勝ち。

今一つガッツリ勝てませんでしたが。

なぜガッツリと行けないのか?

それは日本株が欧米に比べ強いからです。

このため、すでに買値が高くなっている。

余分に高値をつかまされているので、その分儲からないのであります。

相場は下げるならしっかり下げてもらわなければ。

あるいは、ガンガン上げてもらう。

そうすれば上の行きすぎが取れるものであります。

本日も微妙に下げが弱い。

嫌な相場。

仕方ないのでやや軽めポジ買い持ち。