直近IPOが初値をつける時間

この記事は約6分で読めます。

直近IPOの初値にまつわるトレードの常識とは?

スポンサーリンク

直近IPOとは

新規に上場した直後の銘柄を直近IPOと言います。

IPOとは新規公開株。

すなわち、IPOには、

  • 上場前
  • 上場後

の2つの状態があり、後者を直近IPO株と呼びます。

なお、この直近IPO株を、IPOのセカンダリーと称する場合があります。

セカンダリーとは、2番目の、第2の、と言う意味。

IPOのセカンダリーとは、上場直後のIPOを指し示す言葉です。

IPOが初値をつける時間

IPOが市場で初めて値を付ける瞬間。

この時刻がいつになるかは、寄り付き前の発注がどのくらい入るかに依存します。

買いが多く入れば、当然寄り付く時刻は遅くなります。

新規上場予定日に値がつかず、買い気配のまま終える場合も少なくありません。

その日に寄り付く場合には、14時20分くらいまでに寄り付く場合が多い。

経験則上、ほとんどの場合がそうなっています。

この14時20分を過ぎてしまうと、多くはそのまま寄らず、初値は翌営業日に持ち越しとなります。

ただし、例外はあります。

大引け間際に突如として寄り付く場合があるのです。

引け間際に大きな売り玉が出れば、そういうこともごくまれにある、と言う程度の頻度ですが。

初値売りの時間を予測する

買い気配と売り気配の総量から、初値がいくらで売られるのか、予測をつけることもできます。

証券会社によっては、そのような予測ツールを実装している場合もあります。

ただし、買い気配・売り気配は随時変わりますので、全てをあらかじめ読み込むことはできません。

あくまで、大体の予測となります。

すなわち、初値がいくらで売り出されるのかについては、市場と言うまな板の上に乗せられた鯉に等しい。

いかなる料理が出来上がるかは、相場次第であります。

IPOの売り時

IPO株は、証券会社の中の人を除き、空売りができません。

一般人は買いか、保有株を売ることしかできないシステムです。

公募価格であらかじめIPO銘柄を買えている場合、あとはいつ売るかの問題となります。

売り時はいつにすれば良いか?

そんなものは単純です。

多くのIPO株は公募価格よりも上で初値を付けることが多いのです。

その場合、初値で売り切っても良いし、もう少し頑張って利を伸ばしても構いません。

IPO株はこのように、公募・公開価格で入手さえできれば、かなり有利な展開に持ち込める可能性が高い。

だからこそ人気がある銘柄だと言えましょう。

【実録】2018年10月18日のIPO

何を隠そう、当方も食らったことがあります。

とんでもないまでの一直線の下落。

一度味わったらもうたくさんです。

したがって、新規公開株の初値はなるべく安く寄ってほしい、それが本音。

なぜなら、安く寄ってくれさえすれば、暴落はしないだろうから。

この日、新規上場した株は7805プリントネット。

デイトレードの場合、その業容がどうであるとか、財務内容が良いか悪いかなどは、関係ありません。

スイングトレードで持ち越す際には念のため財務内容などを確認はします。

プリントネットもそうでした。

そして、当方が気にしていたのは、なるべく安く寄ってほしいと言うことだけ。

寄り付き値の予測

IPO株の初日では、気配からいつ頃寄り付くのか、概ねの予想をすることができます。

板に出ている買い注文と売り注文をトータルし、見込みの寄り付き値段を割り出します。

この見込みの寄り付き値段については、証券会社のツールによっては、視覚的に分かるようになっている場合もあります。

ただし、当方の場合には、あくまで脳内で大まかな見込みを立てた上、後は野となれ山となれ。

過剰な期待は全て捨て、気配の推移を見守るのみ。

なぜなら、途中から妙に厚い買い注文が入ってきて、結局その日のうちに寄らないなどと言うことがあります。

いくら予想を立てても、何の保証にもならないのです。

急落をどうするか

本日の7805プリントネットが寄り付いたのは10時30分頃。

朝方のデイトレが一通り終わる時間帯です。

やり易いタイミングではありました。

IPO株の初日でもっとも怖いのが、とんでもない値幅を伴った急落。

IPO株でのデイトレードの急落

分足チャートにおいて、図中の矢印のような下げを食らったら、何をどうやっても大損してしまいます。

これはIPO株に良くあることと言って差し支えありません。

巻き込まれたら、しまい。

特別売り気配(別名特売り)にいったん巻き込まれたら、逃げることも出来ず、ただ断続的に値段が下がっていくのを傍観するのみ。

何も手を打つことができなくなります。

直近IPO株の下げ幅

新規公開株のうち、セカンダリーで寄り付いて数日の間の株を、直近IPO株と呼ぶことがあります。

この直近IPOにおいては、ザラバにおいて急落、それも特別売り気配を伴うような厳しい下落が起こることがあります。

経験則では、いきなり10%くらい下げた後、さらにみるみる内に15%くらい下げると言う、食らったら悶絶以外何もないと言う、とんでも分足チャート。

普通はそうなる前にストップ安値に引っ掛かります。

トータル25%もの下落が起こるのは、寄り付きから急上昇してストップ高近くまで上がり、そこから急落する場合。

上に15%くらい上がってから下に25%くらい下がると言う訳です。

もちろん寄り付いてすぐ急落し、即ストップ安に張り付くと言うパターンもあります。

急落と利益のバランス

IPOでもっとも恐ろしいのがこの急落。

デイトレーダーの中にはこれを危惧して、IPO株では一切デイトレをしないと言う人もいます。

IPO初日のティックを調べてみると、値つけが飛び飛びに上下に動いていてる場合があります。

通常の株のように最小ティックを往来する分足チャートとは一線を画した、きわめて大きい値動き。

これを称して、値動きが軽いと表現されることもあります。

インしたら勝手に値が動いてくれると言う訳で、スキャルピング的な売買をする者にとっては願ってもない値動きです。

ただし、簡単に利益が出ることと、トータルで勝てるか否かは別の話。

なぜIPO株は急落するのか

安く寄り付けば、急落はしないのではないか?

これはあくまで憶測に過ぎません。

もっとも怖いのは、初日に寄り付かず即金規制のまま数営業日上がり続けて、とんでもなく高い値がさの値段で寄り付き、そこから急落するパターン。

なぜ急落するかと言えば、誰かがまとめて売りを浴びせるから。

もう十分に儲かった、だからこの株は売り切ろう。

そう思えば、持ち株を全部まとめてドカンと売ることになります。

大儲けした人の儲けを保証するために、デイトレーダーがその人のブン投げによる爆下げを被弾する。

そんなことに成りかねません。

ですから、直近IPO株でデイトレードをする際には安く寄ってもらったほうが安心感があると考えざるを得ないのです。

気休めの辛勝を積み重ねる

もちろん、安く寄ったからと言って急落しないと言う訳ではありません。

相場に絶対はありませんので。

あくまで気休め。

本日のプリントネットは午前のうちに寄り付き、しかも2000円台と値がさ株と言うほどには価格が高くなかったので、比較的楽な気持ちでインすることができました。

珍しく大きな損切りもなし。

このパターンは比較的ラッキーな部類です。