三菱グループの序列|ヒエラルキーは暗黙の了解

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三菱グループとは、静かにそびえる市場のピラミッド。

いわずと知れた、企業ヒエラルキーに君臨する、企業体の雄。

株式投資においては、それらの知識が知らずのうちに身についていたりします。

ランキング形式での企業一覧の表を、どこかで見たことがある人も多いでしょう。

世界でも有数の時価総額、格付けを誇る関連会社群。

三菱のみならず、旧財閥系企業は頭に入れておいて損はありません。

三菱グループとその背後にある御三家、金曜会など、豆知識をまとめました。

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暗黙の序列とは

株をやっていると、

「この会社、大丈夫なんだろうか、買い持ち越ししてしまったけれど」

と言うのが非常に多い。

資金枠いっぱい、パンパンに買い持ちしたところで引け後に何かあれば、一瞬にして退場を免れないことになりかねません。

そして、当方のように連日短期の買い持ち越しをする場合には、文字通り毎日、

「この株持ち越して大丈夫?」

と気にしている訳です。

一年365日、大引け時刻と共に。

その生活を10年繰り返せば、3650回。

(厳密には営業日はもっと少ないですが…。)

これだけの回数、大丈夫かどうか、不安になってはそれを払いのけているのですから大変です。

そのような不安を払拭するためではないですが、持ち株の財務をいちおう買う前に確認し、株主資本比率、有利子負債、利益剰余金、その他を見るだけは見る訳です。

それで状況が良ければ一安心と。

その時に、大株主の上位に「三菱グループ」が君臨しているなら、さらにほっと胸を撫で下ろすことができます。

天下の財閥系企業グループですから。

「これ、とりあえず明日までは大丈夫じゃね?」と言う訳です。

「明日まで」とは、ずいぶんな言い回し。

世の企業の暗黙の序列、ヒエラルキーがそこにあるのであります。

無数の関連会社の上に成り立つ、巨大企業ピラミッド群、その王様。

僭越な物言い、あいすいませんでした。

三菱東京UFJ、三菱商事、三菱重工が御三家

株をやっていれば、これらの企業が御三家であると言われなくとも、日本市場において、最重要銘柄群であることは自然と頭に入ります。

売買代金ランキング、時価総額ランキング、経済ニュース、ツイッター。

あらゆる情報媒体に名前が上がり、毎日のように目にする、代表格の銘柄であることは、言わずもがな。

格付けとしては、最上位に位置することになります。

三菱グループのような有力企業群については、代表的な大型株の一角として、50銘柄程度を株のツールに登録しています。

一周3分間程度で日足チャートを見て回ると言う作業を、毎日、幾度となく繰り返しているのは当方だけでしょうか。

そんな訳で、言われなくても勝手に覚えてしまうのが、御三家銘柄群です。

これら御三家銘柄は、三菱の他にも三井、住友などの銘柄群と並んで、ずいぶん以前より勝手に自分の中で「トリオ銘柄」と命名し、株ツールに登録しています。

他にも、NTT、JR東日本、日本郵政などの元国営企業群など、いろいろありますけれども。

ピラミッドのヒエラルキー

御三家のもとに、これも株をやっていればお馴染みの三菱マテリアル、三菱地所、三菱電機、旭硝子、日本郵船、東京海上日動などがある訳です。

日本郵船は海運株の御三家として覚えています。

旭硝子も硝子・土石の代表格の「トリオ銘柄群」、東京海上は保険株の代表的「トリオ銘柄群」として。

それ以外にも数多くのグループ企業があります。

株をやっていて覚えていなければならない三菱グループの代表銘柄としては、他に三菱自動車、キリン、JX、三菱化工機、ニコン、などでしょうか。

格付けのお高い企業ばかりです。

それ以外の銘柄は、当方、そらで暗唱してはおりません。

上場、非上場の企業を含め、無数の関連会社があり、企業名に三菱と入っていない企業も多数あるのですから。

大株主上位に食い込む三菱グループ

かの日本海洋掘削も、以前は何度も買い持ちしていました。

当時、この銘柄の大株主のうち、上位を占める企業には、石油資源開発、三菱マテリアル、国際石油開発帝石…(中略)…、三井物産、三菱ガス化学など。

そうそうたる企業が大株主と来ているのですから、買ってから何度もそれで胸を撫で下ろしていました。

ところがある日、その時は来ました。

相場の非情な宣告。

2018年7月、上場廃止となったのです。

投資に絶対はありません。

どんな優良、安定、大企業、あるいは大企業がバックについていても、リスクはあります。

当方の場合、直撃・被弾をせずに済み、助かった訳ですが、やはりそれは運によるところが大きかった。

「この株、もの凄く下げているけど、資本関係に三菱グループの企業が入っているから大丈夫だろう。」

そういう考えは実際にありました。

しかしその短絡的な考えは一瞬にして吹っ飛び、相場の恐さを思い知らされました。

世界有数のコングロマリット企業群

三菱グループは、世界のコングロマリット企業群としても有数の規模であると言われます。

日本のGDPに影響を与えるとも言われる規模です。

コングロマリットとは、異分野・異業種間に渡る巨大複合企業群を意味します。

株をやっていたら、三菱グループについての「御三家」、「三菱金曜会」、「三菱広報委員会」などの語は、どこかで触れることがあると思います。

ネット上に上がっている、いわば株用語ですから。

御三家とは上述のように、三菱東京UFJ、三菱商事、三菱重工。

UFJ、商事、重工と略して言うことが多い。

なぜなら、相場においては、商事と言えば三菱商事、重工と言えば三菱重工に決まっているからです。

これを

「商事?どこの商事だよ?」

「重工って言ったって、いろんな重工があるだろ?」

など言っているうちは、ド素人と言うことで間違いありません。

三菱金曜会とは、金曜日に会合を行っていたことから名づけられたと言われます。

20を超える、三菱の中核を成すとされる関連企業から成り立っています。

上場・非上場の企業を含みます。

三菱広報委員会は、金曜会と重複する企業を含む30以上の企業グループです。

そして、株をやっていて知ることになる事実として、三菱鉛筆は三菱グループではない、と言うのがあります。

以前、「三菱が嫌いだから三菱鉛筆は買わない」と言う人がいましたが、それは的外れです。

誤発注で確認の大株主とは

過去にこんなことがありました。

とある週末、前場寄り付きで売り切ったと思っていた銘柄が、誤発注のおかげで、売れていない。

そのまま気づかずにいたのです。

大引け間際に確認すると、大幅な含み損に。

しかも、保有していることに気づかないまま、新たに買い増し。

意図せず「トンデモ買い」の暴挙に出てしまいました。

大引け後に「あれ、なんで想定の倍、買い持ちしているんだ?

含み損のまま買い過ぎ、明日大損してしまうではないか」と。

こういうこと、株をやっていたらたまにあります。

ポジションが大きくなりすぎました。

仕方ないので、引け後にこっそり確認しました、持ち株の大株主群を。

すると、ありました、大株主の上位に三菱グループの企業名が。

まあ何とか大丈夫だろうと。

こんなことを幾度となく、繰り返しています。

企業群の最速把握法

最速時間でマーケットを確認する方法、それは日経平均やトピックスを見ることです。

しかし、それだけではピンときません。

イメージをつかむには、個別銘柄について広く概観すること。

直観的に市場を把握するためには、それがぜひとも必要です。

しかし、日本市場においては個別銘柄は数多い。

短時間で全ての株価を確認するだけでも、至難のわざ。

当方、株を始めたばかりの頃に、日本市場の全銘柄を株ツールに登録し、日足を全て見ていくと言うのをやっていたことがあります。

日本株の総銘柄数は、地方市場を含めると4000程度。

これを全て見ていくと、どう頑張っても1時間くらいはかかります。

出来高がなくて、当日のチャートがない、なんて銘柄も含まれています。

いわゆる空白のチャート。

これを確認するだけでも、数秒は要してしまいますので。

毎日のことですから、そんなことをして1時間もチャートを見ていくと言うのは、実にコスパが悪い。

銘柄を限定する必要が出て来るのであります。

実は日経平均に採用されている225銘柄、これを全て見るだけでも結構大変です。

一つ一つチャートを確認していったら、急いでも10分程度はかかるでしょう。

それより何より、225と言うのは意外に多く、あっちは上がっているけど、こっちは下がっている。

一体マーケットの方向性はどっちなんだ、なんてことになります。

200銘柄程度でも、そんな有り様であります。

そこで当方がやっているのは、50銘柄程度の代表的銘柄をツールに登録し、チャートを確認すると言う方法です。

なぜ50銘柄なのか

実は、50と言う数字がなかなかに都合がよろしい。

多くもなく、少なくもない、ちょうど良い銘柄数なのであります。

全体を見て回るのに数分間。

しかも、日本株を頑強に動かす大企業、すなわち主力大型の代表格に限られる、と来ています。

そして、50銘柄であれば、代表的なゼロイチ銘柄を概ね含むとともに、そのセクターのトリオ銘柄がセットで入る、適度な範囲となるのであります。

ゼロイチ銘柄とは、そのセクターを代表する企業であり、銘柄コードの下2桁が01である銘柄を指します。

トリオ銘柄とは、当方の勝手な造語であり、三羽ガラス的な代表銘柄を指します。

例えば、銀行株であれば、三菱UFJ、三井住友、みずほ、などのように。

これらの重要な銘柄群を、上手い具合に過不足なく含み、きわめて短時間で見回れる銘柄数、それが50であります。

そして、この50銘柄をセクター別に区分けし銘柄登録をすると、マーケット全体のイメージがつかみやすくなります。

そのセクター別50銘柄は、一例として、以下となります。

50企業選定の実際

そもそも代表的銘柄を50に絞ることは難しい。

TOPIX100のように、代表銘柄を過不足なく入れようとすれば、すぐに100程度は到達してしまいます。

TOPIX100とは、大型株を時価総額・流動性などで100銘柄選び、株価指数としたものです。

すなわち、絞り込むには何らかの視点によって、無理矢理抽出することにならざるを得ない。

当方が50に絞る際の基準では

  • ネームバリュー
  • 流動性
  • 時価総額
  • 日経平均への寄与度

などを重視します。

  • 日本郵政が入っていないじゃないか
  • 空運が入っていない
  • 親のソフトバンクはもはや通信会社ではない
  • 任天堂は半導体じゃないよ、ゲームセクターじゃないか

など、言わないでください。

そもそも50に限る時点で、全ての重要銘柄を含めることはできないのであります。

さらに、大企業の場合、業容が多岐にわたるため、完ぺきなセクター分けが難しい側面があります。

その点をご容赦いただいた上で、50銘柄抽出の実際は、以下となります。

卸売

  • 8058 三菱商事
  • 8031 三井物産
  • 8053 住友商事

鉄鋼

  • 5401 日本製鉄
  • 5411 JFE

海運

  • 9104 商船三井
  • 9101 郵船
  • 9107 川崎船

電機

  • 6501 日立
  • 6502 東芝
  • 6752 パナソニック
  • 6758 ソニー
  • 7751 キヤノン
  • 6971 京セラ

自動車

  • 7203 トヨタ
  • 7267 ホンダ
  • 7201 日産
  • 7261 マツダ
  • 7270 SUBARU

機械

  • 6954 ファナック
  • 6902 デンソー

半導体

  • 8035 東エレク
  • 6594 日本電産
  • 6981 村田製
  • 6861 キーエンス
  • 6920 レーザーテック
  • 6857 アドバンテスト
  • 7974 任天堂

銀行

  • 8306 三菱UFJ
  • 8316 三井住友
  • 8411 みずほ

証券

  • 8604 野村
  • 8601 大和

サービス

  • 8591 オリックス
  • 6098 リクルートHD
  • 2413 エムスリー

保険

  • 8766 東京海上
  • 8750 第一生命

不動産

  • 8802 三菱地所
  • 8801 三井不
  • 8830 住友不

電力

  • 9501 東京電力
  • 9503 関西電力

通信

  • 9984 ソフトバンク
  • 9433 KDDI
  • 9432 NTT
  • 4689 Zホールディングス

小売

  • 9983 ファーストリテイリング
  • 3382 セブン&アイ

医薬品

  • 4502 武田薬

これらのうち、三菱グループの関連企業はいくつあるでしょうか。

ざっと見ただけでも、UFJ、商事、重工、地所、東京海上、郵船などが挙げられます。

マーケットにおいて威光を放つ、三菱グループの片鱗がここにあらわとなっている、そう言って差し支えないのであります。

さて、本日のトレードですが、収支はなし。

相場が上がっているので、仕方なしに薄く買い持ちしました。

若干含み益の新興株。