株取引において、ローソク足の下髭の部分。
デイトレで利益を出すと言うのは思いのほか難しいです。
そもそも下ひげは「下」の部分にある訳で、急落も起こり易く、特別売り気配になる恐れもあります。
お勧めはできませんが、そこで稼げる人は上手なデイトレーダーと言えるのではないでしょうか。
下ひげとは
下ひげとは、ローソク足の一形態の呼び名であり、読み方は「したひげ」です。
下髭と漢字で書くこともあります。
文字通り下方に一本のひげ状の直線が出ています。
ローソク足では、直線の部分は株用語で「行って来い」、つまり株価が一往復して戻って来たことを意味します。
下ひげ陽線、下ひげ陰線、下ひげ十字のように、ローソク足本体の形状によって、様々な種類があります。
1.高値圏、安値圏の下ひげ
下ひげのローソク足は高値圏でも安値圏でも、どんな価格帯でも出現します。
そもそもローソク足と言うものは、どんな価格帯、どんな状況のもとでも、あらゆる形状が出現する可能性があります。
出現のパターンが決まっていたり、出現頻度に偏りがあるなら予測も付け易いのですが、正直な話ランダム的、偶然性の賜物です。
書物によっては、こういう局面で出易いなどと書かれていますが、それを当てにしてトレードをすると大損することがあります。
2.下ひげ銘柄は天井下ひげと底値下ひげ、どちらが買いか?
これも上記の出易い・出にくい論と同じで、最初から当てにすることは難しいです。
私個人的には、どちらが買いかの判断については、ローソク足だけではなく、全体相場や同じセクターの銘柄の動きから、総合的に判断するようにしています。
総合的な判断と言っても、所詮が素人の個人トレーダーですので、結局は勘で売買することも多いです。
「これ、勘で買うからロットは小さくしておこう。儲かったらラッキー。」的な。
その結果、集計を取るとすれば、どちらかと言えば底値圏での買いのほうが多いような気がします。
これは私の場合ですので、上手な人なら逆になるのかも知れません。
3.下ひげの連続
相場が上昇中・下降中、あるいは膠着しているにも関わらず、下ひげが連続することがあります。
下ひげのローソク足の底で買えれば何度も儲けることができますが、たいていの場合、私は様子見をします。
そこで上手く利益を出そうとして上手くいった試しがないからです。
そもそも前もってローソク足の形状を当てることができるなら、どんどん儲かります。
下ひげの底だろうと思って買って、そのままさらに長い大陰線になってしまったことも何度もあります。
そうなったら損切りか忍耐かの二択になるだけです。
予め予測できないことに関して、二択を繰り返すことは非常に危険です。
いつのまにか、知らないうちに引き返せない泥沼にはまることがあります。
4.ツリー形状は不可逆的
政治家の答弁で、「記憶にありません」と言うのが多いですが、あれも実は同じ理由です。
Yes、Noと言う二択でどんどん進むと、いつの間にか引き返せない想定外の結論に引き込まれてしまうことがあり、それを防ぐために逃げの答弁をせざるを得ない訳です。
「空が晴れていた時、気分が良かったですか?」
と聞かれた場合、Yesと答えてもNoと答えてもいけません。
なぜなら、たとえその日に雨が降っていたとしても、晴れを認めたことになってしまうからです。
二択で進む「選択肢のツリー」形状は、ブロックごとに分かれていて、別のブロックに飛んでしまうと、もとのブロックに戻ることは難しくなります。

5.下ひげの中の下ひげ
下ひげの中に下ひげが現れることがあります。
簡単に言うと、「行って来い」の中に「行って来い」が出現します。
ある種のフラクタル形状。
最終的な下ひげのローソク足を見ただけでは読み取ることができません。
中にいる人(実際に相場を張っている人)だけが、その値動きのすさまじさを知っています。
行ったり来たりしながら、最終的に大きな「行って来い」になる、実にやっかいで複雑怪奇な値動き。
複雑怪奇な値動きの全ての値幅を取れば大儲けですが、それが至難の技であることは、株をやっていれば痛いほどわかるようになります。

