空売りが難しい理由

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空売りは一見簡単に利益が出るように見えて、なかなか難しい。

古今東西、この空売りで息絶えたトレーダー、少なからず。

一発退場の危険性がちらほらと垣間見られる、そんなリスクありの手法。

初心者の方々には当然ながら、推奨できる類いのものではありません。

昭和の時代においては、通常、相場の素人は多くの場合、空売りができませんでした。

証券会社が許してくれなかったのです。

資産の裏付けが一定以上、おそらくは2000万円以上。

そんな人々の特権でした。

その後、信用口座を持てば誰でも空売りができる、今の時代に至りました。

便利な時代に潜む、空売りの諸事情。

当方が空売りをやらない理由、その思いは以下のようなものであります。

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そもそも空売りができない

銘柄によっては最初から空売りができません。

値動きの良い銘柄に限って売り禁になっていることは多い。

最近では証券会社独自の一般信用において、空売りができる小型株も増えています。

しかしその場合も、売りを入れようとした瞬間に弾切れ(売り玉の在庫切れ)となったりする等が少なくありません。

すなわち、常に空売りができるか否か、チェックをしている必要があります。

一般信用による売り玉の在庫状況は、証券会社によって変わります。

しかるに、証券会社、各社の状況を確認しなければならなくなります。

このように、空売りを狙って行くためには余計に神経を張り巡らす必要が出てきます。

比較的気を使わず、いつでも売れる銘柄と言うと、東証プライムの大型株。

東証プライムの大型株はたいていの場合、いつでも空売りができることが多い。

貸借銘柄が多く、売り禁になっている場合が少ないためです。

貸借銘柄とは、制度信用による空売りができる銘柄を指します。

では、空売りを狙うには、いつでも大型株を狙えば良いのか?

大型株は下がらない

例外があるとは言え、東証プライムの大型株はじわじわとしか下がりません。

狙って大きく値幅を抜くのは至難の技と言えましょう。

誰でも空売りが仕掛けられる銘柄において、簡単に値下がり箇所を当てられるなら、皆が一斉に空売りを掛けて来るでしょう。

すると買い戻しも一斉に入る。

このため、値が動かなくなります。

世の中、そんなに甘くはないのであります。

ではレバを掛けて、少しの下げでがっぽり稼ぐ?

しかし、逆に動かれたらどうするのでしょうか。

そう考えると、空売りで入る場合には、必然的に中小型株へ。

どうしてもそうなってきます。

中小型株の中には、とんでもなく急落する銘柄も少なくありません。

いわゆる、稲妻・爆下げ・大陰線です。

ものの数十秒、あるいは数分で5%や10%下げる銘柄は毎日のようにあります。

と考えてきますと、空売り銘柄として中小型株は外せなくなる、そんな仕組みです。

中小型株の空売り料金

中小型株は、信用銘柄に指定されている場合が結構多い。

信用銘柄とは、制度信用による空売りができない銘柄を指します。

各証券会社独自の一般信用、こちらでそれらの銘柄が空売りできる場合が増えてはいるものの。

この場合も、当然ながら別途、空売りの為の手数料がかかります。

この手数料は、売買代金に対し何パーセントかの率がかかる場合が多い。

最近では買いの信用取引については手数料無料など、かなり安くトレードできる証券会社は数多い。

しかし、空売りについては、手数料は比較的高い場合が多いのであります。

もちろん、それを上回ってしっかり利益が出れば無問題。

空売りで勝てる自信があれば。

勝てる自信があるのだから、当然グイグイ玉を乗せていく。

さて、レバレッジでも掛けますか、と言う具合に。

買戻しできるん会

中小型株にレバを掛け、ガッツリ利益を取りに行く。

実にトレードに手慣れたプロ的風情。

しかし、この中小型の空売り、いささか恐ろしい現象が発生しかねない、この相場事情。

それが「買戻しできるん会」。

寄り付いて数分でS高張り付き。

ヘタをすればストップ高連発。

レバなんて掛けていてこれを食らったら、一撃退場待ったなし。

この買戻しできるん会への参加だけは避けたい。

そして、その会に参加した瞬間、追い討ちをかけられる場合も少なくありません。

高額逆日歩

「買戻しできるんかな?」

そう思った瞬間、売り禁、高額逆日歩、追証の発生。

買いで入っていれば、高額逆日歩が発生することはありません。

信用買いが禁止される、すなわち現物でしかトレードができないことも、通常はほとんどないと言えます。

しかし、空売りしたら売り禁となる場合。

そして、逆日歩は時折、とんでもなく高額。

売り禁で追いつめられて高額逆日歩、そして追証で息の根を止められる。

これが中小型株にたまにある、空売りの恐ろしさです。

空売りは原則やらないと言う古参トレーダーもいるほど。

当方も中小型株の空売りはやりません。

大型株、レバETFくらいでしょうか。

先物もたいていは買い。

なぜやらないか?

怖いからです。

一撃を食らって退場、それだけは避けたいのであります。

ショートの俗称

空売りにはショートと言う俗称があります。

相場においては、買いをロング、空売りをショートと呼びます。

ショートとは、英語で「短い」、あるいは「不足」と言う意味。

空売りをショートと呼ぶ理由は、定かではありません。

当方の考えでは、買い圧力が「不足」している、しかるに空売りをかけるべき、そんな流れではないでしょうか。

何しろ、上げはゆっくり、下げは急激。

この相場の常識からすると、ショートと言う俗称もぴったりハマる、と言うものです。

長く持つことは避けるべき、と言うニュアンスも含められているに違いありません。

実際には、上記の事情などにより、ショートを長きに渡り保持することは、難しいと言えます。

空売りの宿命的な特徴

信用買いと空売りは、上下に対称なものではなく、等価でもありません。

にも関わらず、買いと売りを同じように考えている人は少なくありません。

空売りをやるかどうかの選択は、個人の自由。

ですので、各自が御自分の責任のもとで決めるべきであります。

その際、空売りと言う仕組みが持つ性質は理解していて損はない、と考えます。

何となく空売りをすると言うことは、準備なしに相場の海に飛び込むに等しい。

準備の一環として、当方の思う空売りの特徴、それは以下のようなもの。

相対的な利幅

「相対的な」とは、買いと空売り、それぞれの利幅の比較に関することです。

モデルケースについて、以下のような例を考えてみました。

ここでは、インした価格に対する利幅の率を、利益率と呼びます。

1円⇔2円モデル

買いから入る場合

1円買いの2円売り。

この場合の利幅は差し引き1円。

買いの値段が1円、利幅が1円。

したがって、利益率は、

(利益率)=(利幅)÷(買いの値段)

=1÷1

=1

すなわち、利益率100%と言うことになります。

売りから入る場合

2円空売りの1円買い戻し。

この場合の利幅も差し引き1円。

空売りで入る値段が2円、利幅が1円。

利益率は、

(利益率)=(利幅)÷(空売りで入る値段)

=1÷2

=0.5

すなわち、利益率50%です。

利益率の不等式

1円⇔2円モデルにおいては、上記の計算結果より、利益率において、

100%>50%

となり、

(買いから入る場合の利益率)>(売りから入る場合の利益率)

となります。

同じ値幅でも、率にして、大きな差が生じます。

実は、この計算結果は、1円⇔2円の場合以外においても、同じ考え方が適用できると言ってよろしい。

違うのは程度の差だけです。

例えば、値がさ株、2950円⇔3000円の場合には、買いから入っても空売りから入っても、差が感じられません。

その理由は、買いと空売りの利益率の差が小さいからです。

しかし、感じられないだけで、実際には、計算上、

(買いから入る場合の利益率)>(売りから入る場合の利益率)

の不等式が効いているのであります。

n円モデル

n円買い

買いから入り、任意の価格n円でインした時、想定しうる最大利益は、無限大であります。

なぜなら、理屈の上ではどこまででも上がる可能性があるのであるからして。

すなわち、

(最大の利益率)→∞

これを相場用語で、青天井と呼びます。

n円空売り

売りから入り、n円でインした後、想定しうる最大の利益とは?

どんなに頑張っても、1円で買い戻すのが精一杯。

通常は1円が下値の限界であるからして。

(上場廃止となるまで放置できれば、0円までイケます。)

通常、空売りの最大利益はn円と1円の差額、n-1円とみなせます。

例えば、100円で空売りをし、1円で買い戻せば、

n-1

=100-1

=99円

の利幅。

となると、最大の利益率は1倍に満たないのであります。

(最大の利益率)=(最大の利益)÷(インした価格)

=(n-1)÷n

=1-1/n

<1

1倍に満たない、その計算結果がこれです。

利益率の範囲

(買いから入る場合の最大利益率)→∞

(売りから入る場合の最大利益率)<1倍

反復時のモデル

上記の1円⇔2円モデル、n円モデルは、典型事例に過ぎません。

しかし、これらの結果は薄く広く、相場の隅々に反映されていると言ってよろしい。

この売買を多数回反復するとどうなるか?

反復回数に応じて、これらの要素が適宜、上乗せされていく、と言うことになります。

当方の相場用語ではこれを、「利益率における空売りの、買いに対するマイナスの複利圧力」と呼びます。

これは、小さく金利を取られているようなもの。

すなわち、利益の率についてだけ言えば、買いより空売りの方が小さくなる傾向にあります。

逆日歩は読めない

現物買いにはない逆日歩と言う仕組み。

逆日歩とは、我々にとっては経費の一種であり、手数料のようなもの。

逆日歩は常に発生するものではありません。

株不足になった銘柄のうち、その程度が特にはなはだしい銘柄などに発生するものです。

逆日歩がかかるかどうかを予め読み切ることは、通常、できません。

(それができるくらいなら、高額逆日歩狙いの信用買い、と言う手法が可能となってしまいます。

信用買いにおいては、逆日歩はもらえるものです。

信用買いの逆日歩狙いで、いつも勝つのは難しいです。)

逆日歩は時に高額となります。

30円の銘柄に20円以上の逆日歩がかかる場合も。

それ以上も十分あります。

これを当方の用語で、逆日歩のマイナス青天井、と呼びます。

実際に高額逆日歩で一撃退場を食らった例も、ときおり見聞きします。

一般信用の空売り手数料

一般信用とは、各証券会社が独自に設定している信用取引です。

一般信用の空売りにおいては、通常では空売りできない銘柄について、空売りが可能となる場合があります。

証券会社の企業努力によって、空売りできる銘柄が増えています。

ただし、この空売りには手数料がかかります。

証券会社は営利法人であり、手数料や金利をメインの収入源とするのが常です。

この空売り手数料、手数料とは呼ばず、別の呼び方が取られている場合も少なくありません(空売り料など)。

我々にとっては、金利と並び、避けては通れない経費となります。

空売りに要する経費は、信用買いの場合に比べ、比較的割高となるケースが多いです。

空売り不可銘柄

市場では、大別して、制度信用、一般信用と言う2種類の信用取引において、空売り可能銘柄が存在します。

しかし、何をどう頑張っても空売りできない銘柄は存在します。

「お?これは空売りで儲かりそうだぞ」と思った場合に限って、空売りができない。

そんな場合は少なくないのであります。

と言うか、当方の場合、ほとんどがそれです。

過去に何度、空売りできない銘柄で落胆したかわかりません。

急に空売りできなくなる場合

最初から空売りできないとわかっているなら、まだ良いのであります。

相場はそんなに悠長ではありません。

今の今まで空売りできていたのに、次の瞬間に空売りができなくなる。

そんなことは相場の日常茶飯事です。

売りたい時に限ってそれがやってくる。

なぜか?

簡単な理屈です。

相場の参加者の多くが、全く同じことを考えているのです。

空売りしたくて仕方ない筋は、相場に蔓延しています。

彼らが目を皿のようにして、各証券会社の売り玉の残りを探しています。

空売りの玉は取り合い。

空売りの玉は、チャンスであればあるほど、椅子取りゲームの様相を呈して来ます。

椅子取りゲームも最終段階となると、運が大きく作用してきます。

子供の頃を思い出せばわかります。

たまたま椅子の近くにいた者が有利となるのです。

そして、無理をすると、ケガをしかねない。

売り玉は、買いの玉より遥かに限定されていると言えます。

以上の結果より、当方に言わせて頂ければ、買いより空売りの方が難しい。

その感想は否めないのであります。

にも関わらず、なんで難しい方で勝負するの?

と言うお話。

おそらくは当方の知りえない、何か特別に儲ける手法があるのでしょう。

おそらくは、ね?


さて、本日のトレードは、ノートレ・ノーポジからのスイング狙い。

しかし、どれもこれも今一つ。

はっきりしない相場ですな。

今月はプラス収支ですが、今回の夏枯れは、例年にもまして参加機会が少なかった。

近年まれに見るアレ。

日次にして、4勝4敗1引分、利益額はそこそこ。

それでも月の半分はやっていたので、まあこんなもんか。

当方も閑散に対し、身構えておりました。

いつもこれでやられているのだからして。

明日から9月はIPOがいくつかありますので、これ期待。

今日の所はどうにもできず、またノーポジ引け。