フラッシュクラッシュの定義
フラッシュクラッシュとは、ガラそのものであります。
ガラとは、泣く子も黙る相場用語であり、ナイアガラの滝を意味します。
ナイアガラの滝とは、世界三大瀑布の一つとして数えられ、相場においては、巻き込まれたら一巻の終わり。
その実体は、暴落と濁流の断崖絶壁。
生きて帰れやしない、相場の恐怖のどん底。
フラッシュクラッシュとは、決して巻き込まれてはならない相場の不条理に他ならないのであります。
では、これに対し、何を準備しておけば良いのか?
なぜガラが発生するのか
ガラ発生要因は、技術の発展によるところが大きい。
すなわち、利便性がガラを発生させ、フラッシュクラッシュを誘因するのであります。
なぜそう言えるのか?
発注ツールの進化
日々、進化し、便利になる発注ツール。
この利便性が一体何を生み出すのか?
トレーダーの利益に、どのくらい貢献してくれるのか?
残念ながら、相場はそれほど甘くありません。
なぜなら、発注ツールの進化は、相場全体に寄与しているのです。
すなわち、特定個人のみが享受するメリットは存在しません。
皆が同等に便利になっているに過ぎないのであります。
相場の見えざる手は、えこひいきをしません。
どういうことか?
自動返済・損切りの増加
買ったら即売り、売ったらすぐ買い。
損切りポイントが来たら、すぐに返済。
予めトレードをデザインし、自動設定する。
このアクティブな売買は、現在では相場の隅々に反映されていると言えます。
個人トレーダーは証券会社の株ツールで。
証券自己売買部門のディーラーはアルゴで。
手作業でカチカチとマウスをやるなど、前近代のなせる技。
想定外のどんな動きにも、瞬時に、そして自動で反応。
この結果、思いがけない事象が発生します。
その一つが、ロスカット・ガラであります。
ロスカットガラの発生
ある者は持ち株が5%下がったら、自動で成り行きの売りが出るように設定。
またある者は7%下がったら自動損切り。
逆指値による自動売買は、末端の個人トレーダーから証券自己売買部門のディーラーにまで行き渡っています。
なぜなら、手動でやっていては間に合いやしない。
相場を疾駆するアルゴリズムは、ナノ秒単位。
目にも止まらぬ機関銃売買です。
これに対抗するため、あらゆる相場参加者は身構えています。
そして、ある瞬間、この5%下げ、7%下げの自動損切りは、一点で交わることとなります。
ロスカット・ガラ発祥の地であります。
フラッシュクラッシュの正体とは、巨大ロスカット・ガラ、そして、そこに始まるカオスな暴落であります。
静的フラッシュクラッシュとは
フラッシュクラッシュには、当方の用語では、動的・静的の2種類があります。
動的とは、通常のフラッシュクラッシュ。
ずんずん下げて、坂道を転げ落ちます。
静的とは、動きやしないにも関わらず、最も忌むべき大損失の原因。
すなわち、特別売り気配。
そのままストップ安、さらにS安連チャンもありえるよ。
回復不能、すなわち相場からの退場ここにあり、と言う訳であります。
頻度はどのくらいか
ちょっとしたフラッシュクラッシュなら、月に何度かはあります。
ガラは相場の日常茶飯事であるからして。
大きなフラッシュクラッシュですと、最近では2020年春、コロナショックの際の暴落。
すなわち、小さなものなら常時、大きなものなら数年に1度。
そして、フラッシュクラッシュは不規則に発生し、かつ、予測不能。
頻度を明言することはできません。
大地震が80%の確率で起こる、しかし、これに備えるのは難しい。
予測もできない。
これと同じ理屈であります。
前兆
フラッシュクラッシュの前兆を察知することができれば、大儲けであります。
ただ空売りをかけておけばよろしい。
しかし、それは至難のわざであります。
アルゴリズムによる高頻度取引、すなわちハイ・フリークエンシー・トレード(HFT)は常時、相場の隅々を駆け巡っています。
そして個人の逆指値は至るところに張り巡らされています。
これがいつ何どき、フラッシュクラッシュが起きても不思議がない理由です。
はっきり言いましょう。
フラッシュクラッシュは偶然の産物であります。
たまたま彼らのブン投げが一致した時に起こるのです。
あるいは、その一致した瞬間を契機に、次なるガラが誘因されます。
ガラの連鎖発生、それがフラッシュクラッシュの正体です。
相場が下げた時の逃げ方
たとえ相場が下げても逃げられる、この思いなくして、相場は張れません。
特にスイングトレードの場合、値幅は格段に大きいのであるからして。
短期売買と言えども、信じられないほど動きます。
こちとら、そこが狙い。
そして、チャンスだからこそ、逃げる手法を持たねばなりません。
逃げ足の速さをどう確保すれば良いのか?
最速損切り
短期売買の場合、値幅が大きいところを狙いに行きます。
だからこそ、危ない。
逆に動かれたら一巻の終わり。
含み損が膨らめば膨らむほど、切れなくなります。
であるからして、最速で損切りし、再度勝負を仕掛けたいのであります。
当方の場合、それでたいていの場合、取り返せることが多い。
例えば、311の震災の時もそうでした。
何とあの日、あろうことか、当方、ほぼ全力で買い持ち。
そのまま、まともに爆下げを食らったのであります。
にも関わらず、しばらくのうちに、ほぼ全ての損失を取り返せていました。
下げたらチャンス
値動きが大きくなった時こそ、チャンス。
であるからこそ、予想外の暴落であればあるほど、取り返せるチャンスは増えます。
ともかく、早めに切ること。
では、具体的にどうすれば良いのか。
買った途端に切る訳にも行きません。
それではトレードにはなりません。
ここがポジションを持つ際の難しさとなります。
買って、いくらかは耐えなければならない。
そして、ある段階ですっぱり切ると言うわけです。
絶妙に切る
絶妙な頃合いで切る。
これができて初めて、次のチャンスで取り返して行くことができるのであります。
例えば、当方の損切り基準は、株の3要素に依存します。
株の3要素とは、当方の勝手な決め事であり、株価、出来高、時間であります。
この3点において、基準を作っておき、どの基準に触れても即損切り。
多くの場合、まず株価の基準に触れてしまうことが多い。
つまり、下がったらぶん投げ。
朝から損切り。
これが日々のお仕事であります。
そして、損切りと言うのは、大きくやられては損切りになりません。
浅い傷で降りる必要があるのであります。
浅い傷の手法
浅い傷で降りるためには、最初に組んだポジションが大方、的を射ていなければなりません。
大外しをしてしまったら、とんでもない含み損となってしまいます。
その時点で損切りとは呼べません。
単なる大損です。
大損の場合も、当方、速攻でブン投げる習慣ではあります。
しかし、そこそこ良いポジションを持てて初めて、最速のぶん投げが履行しやすくなるのであります。
すなわち、まず入りが重要。
入り口が出口の巧拙を規定してしまうのです。
チャンスだからこそ
そして、次にどんなチャンスが来るのか。
この意識がなくては、スムーズに切ることはできません。
次のチャンスで取り返せると思うからこそ、より早く切ることができるのであります。
取り返せないかも知れないとの思いが強くなると、早く切ることはできません。
泥船から降りることができなくなるのです。
次の船が見えているからこそ、海に飛び込み、救いの船へ向かうことができる。
すなわち、
入り口
↓
出口
↓
次の入り口
一連のセットが背中合わせに連動している。
このうちいずれが欠けていても、上手く行きません。
トレードの難しさはここにあります。
【実録】フラッシュクラッシュで軽い致命傷【2018.2.7】
「フラッシュクラッシュのアルゴにやられた。」
そう言い訳すれば格好がつくような。
「HFTと言ってね、超高速取引なんだ、ナノ秒なんだ、わかるかい?」と。
この言い訳手法、相場においては幅広く使えます。
マスコミのお方も、この語を表題とし、記事作成にいそしんでおられるのを目にします。
「原因はAI、人工知能の暴走です」と。
様子見は御法度
前日の下げでは、主力大型株があまり下げませんでした。
買いをためらっているうち、どんどんリバウンドが来てしまい、買い時を逃しました。
米国株の下げが急速。
日経ももう少し来るかと思い、警戒しすぎ。
やはりリーマンショック、東日本大震災の影響は大きい。
思い切った買い持ちができない体になっています。
石橋を叩いて壊すレベル。
予想外のボラティリティ
前日大引けで適当に下げた株を買い、本日の寄りでギャップアップ。
こんなに上がるとは。
昨日の場中、リバウンドが入ってしまっていました。
にもかかわらず、前日損切りした分とほぼ同額、取り返すことができました。
この結果は決して満足が行くものではありません。
今回の利益、この2~3倍は取れそうに思えるからです。
下げればハイボラ
今朝の米国株が引けてからの日経先物(CME)がものすごいリバ。
これで救われました。
ここまでボラティリティが大きくなると、チャンスは増えます。
同時にリスクも増えます。
高値からの日経の下げ自体は-10%程度。
年に1~2回、良くある下げです。
これで終わってしまうとはちょっと思えない。
買い時を逃した私としては、第2段の下げが来てくれないと、出動機会を逃したままです。
第2段が来たら来たで、下げ相場入りが濃厚。
言い訳の仕方
プログラム売買による超高速取引、フラッシュ・クラッシュ。
しかし、このくらいの下げは昔から普通にあります。
1ナノ秒で日経が何%も下げたと言う訳ではないのです。
人間が争うように売ったら、平均株価にして10%くらいはすぐ下がります。
リーマンショックの時には、もっと下げが連続していました。
1日の下げ幅もきつかったです。
こちとら、トンデモない損をしてますから。
当時は、昨日の底からさらに10%くらい平気で下げる感じ。
80年代のブラックマンデーでは、1日の下げはもっと凄かったと思われ。
取り敢えず、少量、新興株の下げてるヤツを買い持ちしておきました。
チャンス待ちです。
このまま上に戻ってしまうと、何にもできません。
下げるほうが可能性高いと思いますが、どうでしょう。
今から空売りする確証はなし。
下がる・上がるどちらがいい?
相場が上がったからと言って、トレードがやりやすくなるとは限りません。
むしろ逆です。
下がったら、中心となる銘柄が絞られますので、目星の銘柄が絞りやすくなります。
トレードの手順が1段階減る訳で、やりやすい感じになります。
ぶっこいていなければ、ですが。
自動ツールで逃げ切れるか
指値を出してボーッとしていたら、ヘンな急落を食らってしまう。
しかし、直後にタッチの差で返済売りが出来ていて、ラッキー。
上手く損切りをすることができて、助かります。
発注ツールのおかげ。
昔だったら、完全にドン下げを食らって含み損。
そのまま苦しい展開になること、この上なし。
ツール進化の結果
ツールや発注方法が便利になるからこそ、皆の行動パターンが似通ってきます。
一つのパイの取り合いになるのであります。
その結果大きくやられる。
フラッシュクラッシュを食らってしまうのであります。
皆が-5%で自動損切りの設定をしていたら、5%下がった瞬間に「ガラ」が来ます。
手動で損切りをしていた時代は、皆がモタモタと損切りしていました。
このため、急落と言うより、じわじわ下がることが多かったのであります。
便利さは相場の魔物を生み出します。
儲けやすくなるなんてことはありません。
前に進むも闇、後ろに戻るも闇。
相場迷宮、そこではいつなんどき、不慮の事故に巻き込まれるやも知れない。
そういうことであります。
さて、本日(2023.2.20)の結果は、スイング・デイ、両方勝ち。
持ち株はたいして上がらなかったものの、即刻決済。
微妙に下げた銘柄もありました。
そして、目星をつけていた爆下げ銘柄に入るべく、相場を凝視。
この銘柄は爆下げ中であり、リバウンド狙いであります。
上げ始めたらインしようと。
爆下げ銘柄とは、下げる時はどんどん下げ、上がる時はア●みたいに上がるものです。
なぜそうなるのか?
相場のおっさんの習性であります。
ダメだと思ったらどんどんブン投げ、イケると思ったらグイグイ買ってくる。
単純バ●なのではないか?
これが爆下げ銘柄のリバウンドであります。
すなわち、上がり始めたら10%は上がります。
20%上がる場合もある。
毎度だもの、いい加減気づくわ。
久々にデイで引っこ抜くことができました。
しかし、こちとら、昨日やられております。
こんなんでは満足できません。
欲求不満です。
明日も戦いは続きます。
アレな株いろいろ買い持ち。