バケツリレー上場廃止株の方法

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当方、悪材料の株でトレードすることがよくあります。

好材料の株もグイグイ上がる場合がありますが、それはそれで難しい。

なぜなら、相場とは、知った時には時すでに遅し。

上がり切っている場合が多いのです。

ところが、悪材料の株はそうではありません。

突然火柱を上げることもあります。

以下、当方の相場感想文であります。

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バケツリレーへの思い

最も肝を冷やすトレード

当方、廃止懸念の銘柄で真っ青になったことが何度もあります。

生きた心地がしません。

たいていはスイングで、厚めに持ち越してしまった場合。

ヤバい株に限って、値動きが大きくなります。

廃止の懸念が出て、爆下げをした後、リバウンドを狙う。

しかし、欲でついついワンショットが大きくなってしまう。

そもそも廃止の懸念ですから、そこから「ガチで来る」場合もあります。

もちろん下に来るのであります。

これでとんでもない目に。

廃止が決定され、整理ポストに入る。

その後も、たいていの場合には約1ケ月間、トレードをすることができます。

1円に向かってまっしぐらではないかと思いきや。

思いのほか上下動があります。

1ケ月の間、1円張り付きにならない場合も多い。

それどころかグイグイ来ることも。

1円を取りに行く

超低位株の1円は大きい。

某大手航空株の上場廃止が決まり、7円寄り付き。

ここで1円を抜くべく頑張ったことがあります。

7円のうちの1円は、14.2%、これはなかなか大きい。

しかし、そんな銘柄に限って、損をする場合も大きくやられます。

いきなり特売りが来て、そのままドボンなんてことも。

すなわち、1円狙いが息の根を止めるのであります。

悪材料でなぜ寄るか

上場廃止懸念株が、なぜザラバで寄るのか。

その理由は、短期で売買する人がいるからです。

でなければ、特別売り気配のまま、1円まで寄り付きません。

ぶん投げ売りの人しかおらず、買う人なし。

そのような銘柄に買いを入れるのは、デイトレーダーです。

あるいはスイングトレーダーの場合もあります。

空売りの買戻しだけでは、一瞬寄ったとしても、あっという間に特売りに戻ってしまうでしょう。

主戦場は悪材料

実は当方、悪材料の出た株が主戦場と言ってもよろしい。

上場廃止株を売ることができずに、そのままドボンしたケースもあります。

廃止後、当方のもとに封筒が1通届きました。

その後、何年も経ちますが、一切音沙汰無し。

おカネ返して。

その後倒産したのかどうかもわかりません。

もう企業名も忘れてしまいました。

表参道の裏路地、ボロい雑居ビルに本社があった会社です。

損したなあ。

こんなことばかりやっています。

廃止株はどこへ

廃止株は謎に満ちています。

なぜなら、廃止株はデータ上、消え去ってしまいます。

証券会社のツールは、上場している銘柄のみ、閲覧可能になっています。

また、分足チャートについては、一週間以上経ってしまうと、見られません。

過去の分足データについては、手間をお金をかければ調べることも可能。

しかし、歩み値から自分でチャートを復元しなければならないなど、相応の困難を伴います。

【実録】上場廃止株のトレード

以下、ここ数年で出くわした上場廃止株について、当方の株日記です。

2021年7月20日 7519五洋インテックス

この日の爆上げ株と言えば、この銘柄。

上場廃止株にして、爆上げ。

上手くやれば利益が出た筈です。

なぜ、インできなかったのでしょうか。

様子見の理由

前場、上場廃止株の値動きは

  • 始値7円
  • 高値23円
  • 前引値13円

始値で買って前場の高値で売れば、3倍。

廃止株が3倍相場。

しかもきわめて短時間に、であります。

値動きの全てが取れないにしても、なぜ少しだけ、利益を分けてもらえないのでしょうか。

そう出来ない理由はいろいろあります。

忘れている

当方、動く銘柄全てを監視しているつもりです。

しかし、忘れていました。

廃止株など眼中になし。

まさかここまで上がるとは予想しておりません。

ましてや、この銘柄の最終売買日は翌日。

ですが、この値動きノイローゼを自称する男。

見逃しは痛過ぎ。

5万円分だけ買って、それがいとも簡単に15万円に。

50万円分だったら。

これが世に言う「爆上げは忘れた頃にやってくる」であります。

出来高が薄すぎ

誰か一人で持ち上げているのではないか?とも疑いたくなります。

板も厚いとは言えません。

しかし、相場においては、上昇が正義。

これだけ上がっているのに、なぜワンティックすら取れないのか。

上がる玉につけ。

これが当方の鉄則であるのに。

まさかここまでとは

まさかが起こるのが相場です。

上がり始めた時点で監視銘柄に加えなければなりません。

それができないのは単なる怠惰。

なぜ、超低位だから、出来高が薄いから、上場廃止株だからと言って、インできないのか。

その気持ちは以下。

素っ高値を掴めない

人間の心理として、素っ高値はつかめない。

これでは短期売買はつとまりません。

短期筋は、素っ高値特攻隊なのであります。

ましてや極小ロットなら、命まで失うと言うことはない。

明日こそは、チャンスの素っ高値に特攻したい。

そう思ったところで引け。

2018年6月26日 1606日本海洋掘削

相場を忘れる週末

金曜の引け後となれば、当方、相場から離れ、ツイッターも見ず、スマホも開くことはありません。

株をやっていたら一年365日、ネット情報・ニュースから離れられません。

しかるに、金曜の夜くらいはホッとしたい。

場合によっては週末にとんでもない含み損。

この銘柄、上場廃止になるのではないか?

そんな週末もあります。

心配事のない週末は貴重です。

この日、金曜の大引け。

買い持ちの株がいくつかありました。

含み損もなく、相場を忘れることができていたのに。

忘れた頃にやってくるコレ

ネットを見ないと言っても、やはり何かの拍子に目に入って来るものです。

夜分遅くになってから、1606日本海洋掘削の上場廃止のニュース。

IPO初日からウォッチしていた、思い出深い銘柄の1つです。

振り返ってみると、IPO当初の5000円台から1200円台にまで下がっています。

7割以上の下げ。

IPO初日にインして持ち越していたと記憶します。

当時は売買代金も相当上がりました。

実はこの銘柄、廃止決定の日に買い持ちしていた可能性は結構ありました。

大株主に財閥系の大企業を多く含んでいたからです。

大株主は石油資源開発、三菱マテリアル、国際石油開発帝石など。

三井物産や三菱ガス化学、東京海上日動火災も株主に名を連ねています。

安いと思って全力で買っていた可能性、ゼロではありませんでした。

正直なところ、上場廃止はないだろうと。

財閥系の大企業がこれだけ出資して出来た企業ですよ、と。

期待の実際

相場が成り立つ根本には期待感があります。

しかし、期待が先行し過ぎた銘柄は、株価が下がる一方となります。

期待され脚光を浴びることが、後々のやりにくさにつながるのです。

「この子は良い子、能力もある、運動神経も良い、イケメン。」

そういう期待感を子供時代に背負ってしまうと、場合によってはその後、本人が苦しみます。

相場のエゴイズム

何かに期待することほど、ラクなことはありません。

そうではなくて、他人には期待をせず、自分にも期待しない。

一見、淡々としている状態。

これが、実は後々の伸びしろにつながります。

後になってから、「あれ?結構出来ているじゃないか!サプライズ!」と言うのがベスト。

そして、サプライズが来ても期待感を膨らませない、それが当方のルール。

期待はエゴイズムに過ぎないのです。

海洋掘削はアベノミクスの恩恵を受け、一時、株価10000円を超える場面がありました。

期待感ほど厳しく残酷で、価値の減少が激しいものはありません。

期待しない、それを当方、第一のルールとしています。

バトンタッチシステムと廃止株

相場とはバトンタッチシステムの上に成り立つ仕組み。

バケツリレーを前提にしている、そう言っても過言ではありません。

上場廃止株が1円となるまで寄り付かない、そんなことはあまりありません。

むしろ思わぬ高値で寄り付くことが多い。

その理由は、このバケツリレー・バトンタッチシステムによります。

上場廃止が明らかとなった日本海洋掘削も79円で寄り付きました。

バトンタッチを止められたら

バトンタッチできないのであれば、易々と株を買うことはできません。

かの国で突如発せられた「売ってはいけませんルール」と言うのがあります。

この奇想天外ルール、ご存じですか?

某国の株式市場では、そんなことが何度もありました。

とてもではありませんが当方は買う気になりません。

相場は商売と似ています。

リスクを押して資金を使い、せっかく商品を仕入れたのに、営業停止命令。

これほど怖いものはなし。

商行為と言うだけでリスクがあるのに、それ以外のリスクが上乗せされる。

この状況は参入の大きな障壁になります。

自由な市場経済の国、日本では原則、それはありません。

廃止株が寄り付く理由

上場廃止が思いのほか高い値段で寄り付く、これが最近の常であります。

デイトレーダーが多いせいでしょう。

1606日本海洋掘削、この日の始値は79円。

一カ月後に上場廃止になる株がこの値段?

バトンタッチ・システムだからこそ買う人がおり、それで初めて成り立つ値段です。

バトンタッチできないのであれば、寄り付くこともなし。

買う人は現れず、1円に張り付いたまま、残りの1ケ月を過ごすことになりかねない。

買ってすぐに特別売り気配を食らうリスクもあります。

分足を見ていたら、上下動がありながらも、やはり大きく下げて行きました。

1日で9割下げもあるよ

終値77円、-902円、-92.13%

ストップ安張り付けとなっていた前日終値979円から、9割下げ。

長期で持って、大損していたかと思うと、相場の恐ろしさを痛感せざるを得ません。

紙切れ、と言う言葉が口をついて出ました。

この銘柄、常に自分の監視銘柄に入れてあり、上場廃止にならないとさえ考えていました。

廃止株は現物

廃止が決まった後は、現物の売買のみしかできません。

下手なことをすると差金決済ルールに巻き込まれて、売れなくなります。

前日から買い持っていた株を売り、その後に買い直した場合にそうなります。

当方、それで大損したことがあります。

廃止株の差金決済は御法度です。

始値79 13:03

高値87 13:10

安値59 14:20

終値77 15:00

この日の日中足を振返ると、安値から引けまでに18円上がっています。

各値段10,000~30,000株くらいの板が多く、けっして厚い板とは言えず。

売買代金8億円程度。

特売りに巻き込まれて大損しなかっただけ良し。

1606日本海洋掘削 分足 概略図

廃止後1カ月の推移

最終売買日までには、約1カ月弱の期間があります。

上場廃止が決まった低位株は、値動きが大きくなる傾向。

そこにワンチャン狙いでイン。

いきなり特売り、そのまま1円に張付く可能性はゼロではないのに。

リスクマックス、廃止株とはそんな銘柄。

2018年5月28日 6636ソルガム

バケツリレーのコツ、それは忍耐や努力を避けること。

確かに、必要があればバケツの穴を修繕すべきかも知れません。

しかし、無理なものは仕方ありません。

誰が大穴の空いたバケツで、水を運ぼうとするでしょうか。

じっとしているほうがよろしい。

はっきり言いましょう。

この界隈、結局は運なのであります。

1ティックの軌跡

6636ソルガム、S安張付きを経たこの日。

当方、リバウンド狙い。

思わず手が出てデイでイン。

1ティックゲット。

これは奇跡に近い。

想像以上に場中にジワジワ下げましたので。

運を天に任せる

結局、ソルガムは大陰線の底値引け。

ダダ下げの分足、リバウンドを狙うのはあまりに効率が良くありませんでした。

寄りの47円から引けの37円まで2割以上、下げ。

下手にナンピンなどしていたらトンデモないことになっていました。

ソルガムは2回インして、1度は損切り。

利益が出た方の取引は、ナンピンするかどうか迷っていて、実際に下の板に買い発注を出していました。

急にリバが来て救助されたものの。

廃止株のデイなんてものは、こういうのが多い。

廃止株の努力とは

とりあえず当日の収支はプラス。

しかし、それは結果論。

この結果論は努力のおかげなのでしょうか。

努力する才能、そんな言葉に思わず乗せられる。

バケツの穴を埋めたら上手く行くのでしょうか?

それなら、当然努力することでしょう。

しかし、上手く行かないのなら、やらない方が良いのであります。

退場のささやき

山登りで言えば、完全な迷子、五里霧中だったら、動かないほう良い。

その方が明らかに助かる可能性が高い。

助からない人はたいてい、闇雲に動き回っている。

穴の開いたバケツに水を注ぐ作業、これは誤った努力と言うものです。

必要なのは、まずバケツの穴をふさぐこと。

それを差し置いて水を注ぐ努力をすることは、意味がありません。

体力・気力、時間の無駄づかいと言う意味では、害さえあります。

退場が近づくは、その時。

穴の開いたバケツを無闇にいじくると、かえって穴が広がる、と言うことです。

バケツ修復の結論

穴の位置がバケツの上のほうにあるのなら、ふさがなくても助かります。

修復はいりません。

しかし、穴がどの位置に、どの大きさで開いているかは、その時点ではわからないことが多い。

運です。

自分ではどうすることもできません。

結論は、

× あきらめたら試合終了。

◎ あきらめてから勝負が始まる。

これが相場の本質と言ってよろしい。

そんな思いのバケツリレー。

何とか上手く降りることができました。

たまたまバケツの穴が上にあり、その大きさも小さかったのでしょう。


さて、本日の結果は、ノーポジ・ノートレ買い遅れ涙目。

何度この涙を流せば気が済むのか。

鉄、自動車、メガバンクが上がっており、円安。

これは下手をすると上か?

当方、買い遅れ涙目の際には、遅ればせながらついていく主義であります。

しかし、どうにもいい感じの銘柄がない。

ノーポジ引け。