値動きが激しい株の研究

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値動きとは複雑怪奇。

そこを何とか利益をもぎ取る方法。

そのためには値動きのキモと言うべき、損小利大の謎を解き明かさなくてはなりません。

しかし、ここではっきり言いましょう。

損小利大なんて不可能。

不可能なのであきらめて、致命傷を食らわないようにするべし。

生きて帰る。

これが相場の最大目標であり、致命傷を避けずに、その目標は達成されないのであります。

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損小利大の嘘

確かに損小利大、損切り幅を小さくして利が伸ばせれば儲かります。

しかし、短期売買の場合、宿命的にそれが難しい、と来ています。

そもそも、最初の時点で、短時間・小さな値幅で降りると決めてしまっている訳です。

なのに「利を伸ばせ」とはおかしくないですか?

デイトレードであれば、その時間的制約上、自動的に利幅は狭くなります。

すなわち、デイの人にとって、損小利大はお題目であり、当初の行動予定とは矛盾する行為となります。

「損を小さく利は伸ばす」はあくまで理想論に過ぎないのです。

そして、儲けると言う現実上の要請に対し、理想論はほとんど役に立ちません。

理想論は無駄

時間軸を極めて短く設定しているのに、利幅だけ広くする、そんな夢物語には意味がありません。

それができるなら、簡単に儲かりますので。

「針穴に糸を通す、そんな手法、オレには簡単さ」とうそぶくのは傲慢に過ぎません。

短時間で降りると決めているなら、利を伸ばすことはできない、あるいはその蓋然性が高いのです。

利幅の狭さに抱き合わせで生じる不都合が存在します。

超速で利益確定するのであれば、それに応じて相対的に損切りの幅が広くなっているのであります。

意図的に利幅を狭くしているのに対し、それよりさらに損切りの幅を小さくするなど、机上の空論。

特にスキャルピングの場合、損切りをした時点で、その日は負け確定も同然。

そう言っても過言ではないのであります。

損切りの時点で負け

利幅が狭くなればなるほど、損切りの時点でトータル負けとなる可能性は高まります。

例えば、要する時間1秒、1円の利幅が取れたとしましょう。

そして、1円の利幅に対し、損切りの幅が0.3円であるならば、それは確かに損小利大と言えます。

では、実際に0.3円下の損切りで済ますことは可能なのでしょうか?

多くの場合、株価の刻みは1円であり、不可能です。

たとえ株価が0.1円刻みだとしても、実際上、0.3円で切ることははかなり難しい。

「え?

損切りをした時点で負け?

ってことは、全勝にしなきゃいけないのかよ?」

と、当方もドンヨリした気持ちになったものです。

では、どうすれば良いのでしょうか。

最も必要なものは

トレードにおいて、最も必要なものは同値降りです。

損切りなどではありません。

同値降りか、ほとんどそれに近い損切り。

であるならば、以降、小さな利幅を積み上げて、トータル勝ちに持って行けます。

実際にそれが可能だとお思いですか?

誰しも利益確定が目的ですから、ちょっと下げたくらいで損切りをすることは難しい。

「あとちょっと、もう少しで利確できる。」

そう思っているのに、その場で降りるなんてことは、普通はやりにくい。

やりにく過ぎる。

あえてそれを実行するためには、どうしても「迷いながらやる」と言うことになります。

同値降りを本当にやり切るためには、何度もその位置に株価が戻って来てくれて、躊躇しながらも、そこで何とか降りる。

何度も行ったり来たりしてくれれば、何とかその近くで降りられそうですから。

逆に、一直線の稲妻下げを食らったら、そんなことは全くもって不可能です。

短期売買の至上命題

以上により、短期売買において最も必要なことは以下です。

損切りにおいては、ほとんど同値降りで逃げること。

その前提として、一直線・稲妻下げを避けること。

稲妻の鉄槌を頭から食らって、生き残ると言うのはかなり難しい。

買いから入った後の「超速の棒下げ」の中で、損切り幅を小さくすると言うのは、ほとんど無理なのであります。

至上命題として、これを避け、その上で株価が何度か戻ってくれないとまずいのです。

すなわち、短期売買における値動きにおいて、最重要のキモとなる事柄は、

  • 棒下げしない
  • 株価が戻って来てくれる

の2点になります(買いから入る場合)。

はたして私達は、そんな都合の良い銘柄を日々見つけることができるのでしょうか。

確率による値動きの洞察

値動きを求め、値幅を少しでも多く取りたい。

これが相場と向き合う人の本能。

しかし、利益あるところにリスクあり。

値が動けば動くほど、危険性は増すのであります。

すなわち、ハイリスク・ハイリターン。

言い換えるならば、ローリスク・ローリターンの重要性。

低いリターンでも利益は利益であります。

地味でありながら、キラリと光る株で勝負したい。

そんな銘柄が見つかるならば、ですが。

地味な株の優位性

地味な株は上がらないと言う定説。

たしかに、長らく目立たず、さしたる材料もなし。

これでは人気が今一つであるのも致し方ありません。

しかし、値動きは素直であることが多い。

小型の材料系銘柄のように、瞬時に上がったり下がったりはありません。

特別気配のトンデモ爆下げ等は、なかなか発生しないと言っても差し支えないのです。

すなわち、上がる時にはじわじわ上がるし、下がる時もゆっくり。

ここであることに気づきます。

上がり始めたら、この株にそっと乗ればいいのではないか。

フェイントの爆下げで損切り、などと言う恐ろしい事象は起きないのではないか、と。

すなわち、値動きなどと言うものは、素直であればあるほど良いのであります。

値動きの激しさに優位性なし

考えてみれば、突如として上がる・下がる。

これくらい危険な値動きはありません。

実際、動意づいた小型株に誘われた当方、何度大損をしたかわからないのであります。

買った途端に特別売り気配など、許されざる相場の悲劇。

なぜ、小型株でトレードをしていたのか。

なぜ、値動きの一部を頂くためだけに、こんなリスクの高いことをしていたのであるか。

その答えは、ただ一つであります。

値動きを読めると言う勘違い。

あえて言いましょう。

値動きを読める、などは思い上がりであります。

値動きは読めない

値動きを読むと言う行為を分解しますと、次の3点に絞られます。

  1. 方向
  2. 時間

これらが読めて初めて、値動きが読めたと言うことになります。

当方の用語では、これらを値動きの3要素と呼びます。

値動きの3要素とは

まず第一に、上がるのか・下がるのか。

これが値動きの方向であります。

次に、方向性が決まった後、どのくらい動くのか。

すなわち、幅であります。

そして最後に、その値幅がどのくらいの時間をもって達成されるのか。

これらの3要素を、瞬時に読めるでしょうか。

いいえ、読めません。

少なくとも、当方には無理であります。

そう思わざるを得ない。

長らく、そんな危機的状況が発生し続けているのであります。

3要素の時系列

値動きは、時系列で言いますと、方向がまず決定されます。

何をおいても方向性。

これが決まらずして、値動きなし、であります。

上か下か、その確率は50パー。

この狭き門をくぐり抜けた後、値動きの幅・時間。

値動きの幅については、仮に、買い値から1%上がったら売るとしましょう。

この時、3秒で上がるのと、30分で上がるのでは、全く意味が変わってきます。

30分かけてじわじわ上がるのであれば、持ち続ければ良し。

しかし、その間に急落したらどうするのでしょうか。

すなわち、方向・幅のみならず時間。

これを正確性をもって当てなければ、値動きを読んだことにはならないのであります。

はたして、値動きを真に当てる確率はどのくらいになるのでしょうか。

値動きを当てる計算式

値動きを当てる確率は、3要素の確率をそれぞれ乗じた結果となります。

すなわち

(値動きを当てる確率)=(方向を当てる確率)×(幅を当てる確率)×(時間を当てる確率)

であります。

この式において、(方向を当てる確率)については50%であると、すでに述べました。

すなわち、方向当てゲームに参加した時点で、勝つ確率はいきなり半分になるのであります。

とすると、結果、求める最終的な確率は、とても小さい数値となります。

例えば

(方向を当てる確率)=50%=1/2

とした上で、仮定として

(幅を当てる確率)=1/3

(時間を当てる確率)=1/4

とするならば、これらを掛け合わせ、求める確率は1/24。

小さすぎやしませんか?

ともかく、計算上、2分の1より小さくなることは、最初から確実であります。

すなわち、あきらめたほうが早い。

値動きの洞察を棄却する

以上により、値動きの洞察と言う行為を棄却する。

やめじゃい。

これが当方の結論であります。

そして、ただ値動きについていく。

  • 上がり始めたら値動きに乗り
  • ある程度の値幅が取れたら降りる

と言うことであります。

判断の根拠は、悲しいかな、勘。

これをもって、より短期のトレードにおいては、地味な株。

値動きの素直な、主力かつ大型株が有利、と言うことになります。

いかがでしょうか。

これが当方の考える、地味株の優位性であります。

すなわち、値動きの洞察力をかなぐり捨てることにより、主力大型株に優位性あり。

そう判断するところであります。


さて、本日の結果は、スイング負け。

持ち越した低位株は、普通に下げ。

耐えていれば十分利確できましたが、当方、それを待つような男ではありません。

未練なくスパッと損切る、非情な男であります。

相場が私をそうさせました。

かつての未練たらしい男は、もういない。

これができたのもロットの小ささゆえであります。

ポジを抱え込んでは非情な相場で生きられない。

今回はリバウンドが取れなかった時点で負けであります。

ノーポジ引け。