騰落レシオの見方についてまとめました。
レシオで株を買い持ちし逆張りのスイングトレード。
全体相場を数値として把握するには有効な指標です。
利益を得るのは簡単ではありませんが、視野を広げる一助となります。
騰落レシオの見方
騰落レシオの振れ幅は、おおむね60から150の間を行ったり来たりしています。
騰落レシオと日経平均は連動している?
- 日経平均が高値にある時、騰落レシオは大きくなる
- 日経平均が安値にある時、騰落レシオは小さくなる
これが頭に入っていれば、スイングトレードで簡単に利益が出る筈である、そう考えていた時もありました。
騰落レシオ60近辺で逆張りの買いスイング
日経平均と騰落レシオをつき合わせた上で、タイミングを見てスイングトレードをすれば楽勝なのではないか?
そんな考えのもと、私は幾度となく、日経平均が下げた期間にスイングトレードを仕掛けてみました。
- 主力大型株
- 日経レバETF
- 新興株
これらについて、騰落レシオが60近辺にまで下がった時に、数日をかけて買いを入れて行きました。
騰落レシオ売買法の結果は
騰落レシオを見つつ、買ってから1週間~1ケ月ほど買い持つ方法。
結論から言うと、あまり上手く行きませんでした。
含み損が膨らんでブン投げるか、利益が出たとしても期待に沿うほどのものではありませんでした。
その理由を私なりに振り返ってみたいと思います。
1.主力の大型株
確かに主力の大型株は、日経平均にある程度連動しています。
騰落レシオが60近辺の時に買えば、安値で買える筈です。
しかし、結果は利益がたいして出ないか、結構な大損をしました。
何度か試しましたが結果はあまり変わらなかったような。
その理由は、
- 買い持つ期間が1ケ月程度では短すぎる
- 分散投資が出来ていない
- 値上がり幅が狭すぎる
- 騰落レシオ60は1年に1回ほどしかない
などです。
買い持つ期間が1ケ月程度では短すぎる?
日経平均は、いったん下げ相場になると平気で2カ月くらいは下げます。
(相場が悪いと、もっと長引く場合もあります。)
かりに騰落レシオが60をつけたとしても、1日~2日間のリバウンドをしながら、全体相場は下げる続けることが少なくありません。
自分が買い持つ株に限って、リバウンドの恩恵にあずかれない、あの焦燥感。
分散投資が出来ていない
そもそも主力の大型株は、最低売買単位を購入しただけでも20万円くらいはかかるものが多いです。
そうなると、資金が200万円でも10銘柄しか分散できません。
10銘柄のうち、たまたま下げる株がいくつか出たたけで、ポジション全体に対する影響が大きくなります。
値上がり幅が狭すぎる
2008年のリーマンショックとその10年後の株価を比べますと、主力級の株の場合、調子の良い株で3~4倍程度、調子の悪い株ですと、ほとんど値上りしていません。
(もちろん個別事情によっては、下がっている銘柄もあります。)
10年間買い持ちしたとしてもこの結果ですから、たかが1ケ月やそこら持ち越したところで、さほどの利益は得られないのでは?と言う気持ちになりました。
騰落レシオ60は1年に1回ほどしかない
- 儲けが少ない(コスパが良くない)
- 1年1回、多くても2回ほどしかチャンスは来ない
騰落レシオで安値を探ると言うのは、このような二重苦があると感じられるようになりました。
そこで思いついたのが、主力株を買い集めるのではなく、日経レバETFを持つ方法です。
2.日経レバETF
主力株の分散スイングで挫折した私は、日経レバETFでも同じことをやってみました。
ところが、これもあまり上手くは行きませんでした。
その理由は、
- 日経レバETF一点集中投資の不安
- 日経の動きを当てられるなら先物のほうが良い
などです。
日経レバETF一点集中投資の不安
ETF一点集中投資でナンピンをかけて行く、このやり方に不安を感じました。
短期売買では、ナンピンによる失敗を何度もしていました。
これがある種のトラウマになっていたのかも知れません。
日経の動きを当てられるなら先物のほうが良い?
騰落レシオを見て逆張りの買いを入れると、ちょうど下げ相場の中でインする感じになります。
そうなると、全体相場が暴落しボラティリティが上がったところで、ナンピン買いの日経レバを抱え不安な夜を過ごすことになります。
欧米株が暴落し先物がメチャクチャな動きをする中、ひたすら耐える深夜。
このつらさは、株をやっている人ならおわかりでしょう。
先物であれば、夜中にブン投げることもできますし、買い増しをすることもできます。
ならば、日経先物のほうが良いのでは?と言う考えに至りました。
3.新興株
騰落レシオを見て主力大型株、日経レバETFを買うやり方に挫折した私が、次に目をつけたのは新興株です。
新興株は数万円で買える銘柄も少なくありません。
その分散効果と、全体相場の上下動を上手く活用すれば、儲かるのではないかと…。
しかし、これも結局はあまり上手く行きませんでした。
その理由は、以下のようなことです。
騰落レシオ(全体相場)と小型の新興株は連動しないことが多い
全体相場が安い時に買った筈なのに、いっこうに株価が上がらないことなど日常茶飯事。
と言うか、大損の上、地団駄踏みました。
新興株は主力株以上に予測できない値動きで、それを多数買い持つのは難しいです。
そして、小型株を買い持つ場合には、全体相場(騰落レシオ)は度外視して、その銘柄特有の値動きを追いかけたほうが良いのでは?と言う結論に至りました。
投資に敗れた騰落レシオをほとんど見ない男
大損と地団駄を踏みまくるトラウマにより、今では騰落レシオを見ることはほどんどなくなりました。
ときおりツイッターなどで「今、騰落レシオ85」などと教えてくれる親切な人がいると、「ありがとう」と言う気持ちになります。
おそらく本当の長期投資、つまり10年~20年、あるいはそれ以上買い持つ長期投資をする場合には、安値で株を仕込む有効な方法なのだろうと思います。
短期売買の場合にも、レシオが60前後になった場合、「一泊二日のスイングでリバウンドを取るチャンスが近い」と言えます。
ですから、心の中では「早く騰落レシオ55にまで下がってほしい」と思うことも度々あります。
騰落レシオは、そんな心の中のお守り的な存在と言えましょう。