株式投資、現実社会、いずれにおいても三角関数は不要。
だからやる必要はない。
この論に賛成すべきか反対すべきか。
皆が成功する確率を上げるよう祈りつつ、まじめに考えてみました。
結論は、三角関数を削除してもしなくてもどちらでもOK。
試しに削ってみても良い。
しかし確率だけは必要。
そして、そうなった場合の方が難しく、頭が良くならなければならない。
そういうことになります。
以上、皆さんはいかがお考えでしょうか。
株に確率は関係ない?
「三角関数など意味のないものだ。」
「数学など実生活上、不要。」
こんな意見が聞かれる昨今。
実はおカネを儲ける行為、つまり経済活動は数学と密接に関係しています。
確率を無視した行動は取りたくないものです。
確率論の発祥と賭け
1600年代、とある賭博師が数学者パスカルに相談した内容。
それは、「勝敗が決まらないままに賭けを中断した際、集まったおカネをどう分配すべきか」と言う問題でした。
おカネの分配方法を決める時には、その時点で様々な条件を抽出します。
条件に基づいて、資金を分配するしか方法はありません。
この時に、いろいろな確率(期待値)を考え、ルールを導き出したのが数学者パスカルです。
ルールと説明の重要性
納得できるルールとその説明。
それ無しにおカネを配分すると、混乱を招く可能性、無きにしもあらず。
それが世の中の仕組みです。
パスカルと賭博師のこの一件が、確率論の発祥とされています。
なぜ確率は難しいのか
なぜ確率が難しいかと言うと、実生活上の「自然」・「社会」も相手にしなければならないからです。
数学は「自然科学」ではない
自然科学とは、自然を研究する分野を指します。
しかし数学の対象は、数式と言う人工言語を使った形式科学です。
形式科学とは
理論だけで形式的に積み上げた分野を指します。
数式による抽象的な体系、それが数学そのものです。
必ずしも自然を扱っている訳ではないと言う意味では、数学は自然科学とは言えません。
ところが、確率を扱う際には、自然や社会を解釈し、数式に置き換える作業が必要となる場合があります。
例えば、条件付き確率がその例です。
条件付き確率とは
条件付確率は、事象Aのもとで事象Bが起こる確率。
これをP(B|A)などと表します。
Pとは確率、プロバビリティ(Probability)。
求めるものは事象Bの確率ですから、Bを先に書き、「条件Aのもとで」と言う意味で「B|A」と表記します。
事象を抽出するややこしさ
P(B|A)を考える時、まず最初に事象Aと事象Bを理解する必要があります。
自然や社会の状況を数学的な概念に置き換える作業です。
ここで勘違い等が差し挟まれる余地があります。
勘違いが入り込むと、最初から全てを見誤ることになります。
数学の小問(1)が間違えていると、その後も全て間違えてしまうパターン。
数学0点、赤点で落第の危機へ。
現実と論理のつき合わせとは
現実の事象を論理につき合わせる作業のややこしさ。
これが確率の難しさです。
例えば、独立・排反の理解も一筋縄では行きません。
独立とは
P(A|B)=P(A)
この場合、「事象AとBは独立である」と呼びます。
言い換えますと、
「事象Bは、事象Aが起こる確率に影響を与えない」
となります。
排反とは
P(B|A)=0
この場合、「事象Aと事象Bは互いに排反である」と呼びます。
言い換えますと、「事象Aが起こった時、事象Bは起こらない」と言うこと。
よくある独立と排反の取り違え
たったこれだけのことを記号に置き換えるだけ。
それで誤認が入り込む余地あり。
これが入り口から0点、即赤点の恐怖です。
株取引は条件付き確率の連続
- 一定PER(事象A)のもとで株価(事象B)はどうなるか
- 一定の売買代金(事象A)のもとで値動き(事象B)はどうなるか
- フィボナッチ・リトレースメント(事象A)と値動き(事象B)の関係は?
トレードに際しては、常に条件付き確率の呪縛から逃れることはできません。
この銘柄の事象A、事象Bは独立か排反か?
そんな考えにとらわれ始めると、赤点の恐怖におびえる高校生の心境に。
いいえ、違いました。
そこにあるのは赤点ではなく、退場の二文字。
「なにコレ赤点よりコワい!」
なぜ役に立たない三角関数を高校生がやるのか
三角関数は習熟度が如実に現れる
三角関数が役に立たないと言う論は間違いです。
進路によっては、初歩から必須となる知識。
三角関数の場合、必要に応じ作図をし、目的に応じて計算をする場合が多いです。
作図や計算には習熟度が問われます。
ですから、テスト結果等において、上手い具合に得点のバラツキが出ます。
適度な得点差が出る訳です。
確率全問完答の肩透かしとは
三角関数に比べると、確率のほうが簡単に解けそうでいて、その実、フタを開けたら入り口から0点。
「肩透かし食らった」等と言うことにもなり兼ねません。
「得点分布が0点と100点に二極分化した」等と言う可能性も…。
問題の設定にもよりますが、これではテストになりません。
これが確率問題の博打度。
三角関数やめたらどうなる?
三角関数を高校の履修範囲から削除したらどうなるのでしょうか?
同じく行列、複素数平面、数列、指数・対数なども不要だと言う論が出てしまいます。
そうなると、当然ながら微積分もほとんど扱えません。
これらの分野を選択範囲とし、高校で義務化していない国もあります。
数学の得意な人・必要な人が学べればそれで良いので、それはそれで理にかなっています。
例えば、三角関数をやめ(選択制にする)、確率だけに特化し習熟する、それも面白い試みかも知れません。
金融立国を目指すなら、それもあり?
多くの分野を外したら…
「実生活に関係ない論」に基づき、高校数学の分野を大幅削除した場合。
高校までに習う数学の範囲は、あえて選択しない限り、現行の中学2~3年までの範囲で終わりになります。
そうなると、高校の数学教師の就職口は大幅になくなります。
進学する学生も減り、数学関連の大学教師の口もなくなるでしょう。
大幅なリストラです。
ただし、文科省が存続する限り、そんなことはありそうもないですが…。
現実問題のカオスと確率
世の中の全てのことを論理的に把握するのは難しいです。
その上、現実が生み出す期待値を按分しつつ、確率的に高い行動を取るのは、三角関数より遥かに難しいと言えます。
その難しい確率論を信じ、他の分野を捨て去ると言うのは、「上手く行けば大成功。失敗したら完全アウト。」になり兼ねません。
「全問正解したと思ったら0点だった」と言うリスク。
その意味では、三角関数より確率のほうが難しいのです。
三角関数不要論の博打度は高いと言えます。
「こうやったら上手く行く」と言うのは、結局のところ確率論ですから。
確率との格闘の日々
高校生、株取引のおじさん、デイトレーダー。
誰であろうとも、現実に求められていることは、確率と戦い勝利すること。
株の短期売買について言えば、それなくしては明日にも退場。
今そこにあるのは、常に背水の陣でリスクと戦う現実です。
5月7日のトレード結果
読みは当たっていたのですが、利益を全て吐き出して終了。
この「読みが当たっていた」と言うのが結構危険。
次におかしな握力を効かせてしまうことがあります。
株の短期売買では、素直に早く降りたほうが安全です。
確信を持つのであれば、それなりに確度の高い確信でなければなりません。
デイトレードの確率論に長じていなければ、早降り撤退が正解。
これを肝に命じました。
【デイトレード売買銘柄】
(買建)4293セプティーニ・ホールディングス、4588オンコリスバイオファーマ
(売建)なし
デイトレード新規建売買代金(買建) | 概算120万円 |
デイトレード新規建売買代金(売建) | なし |
デイトレード損益 | -0.1万円 |
スイングトレード損益 | なし |
本日のトータル結果 | -0.1万円 |
今月の損益 | -0.1万円 |
持越ポジション(新規買建) | なし |
持越ポジション(新規売建) | なし |
含み益 | なし |
225オプション | なし |