デイトレードが勝てない

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勝てない理由

完璧な勝利と言うものは存在しない。

それどころか、デイトレは勝てない。

その諸事情。

時刻s<t(秒)の損益

同時に手掛ける銘柄数により、結果は変わります。

以下、2種類のデイトレードの比較。

単一銘柄の損益(含み)推移

時刻s 時刻t
銘柄A -0.4万円 +0.5万円

この場合、時刻sでは降りず、時刻tまで引っ張ったほうが結果が良くなります。

銘柄A~C(3銘柄)同時売買の損益推移

時刻s 時刻t
銘柄A -0.4万円 +0.5万円
銘柄B +0.1万円 -0.7万円
銘柄C +0.6万円 -1.2万円
+0.3万円 -1.4万円

時刻sで降りるのが正解で、時刻tまで引っ張ったら負け。

単一銘柄の値動きは意味がない

銘柄Aについて、時刻sで降りるべきか・時刻tまで引っ張るべきか?

この判断は、手掛ける銘柄数とそれぞれの値動きにより変化します。

トータルで損失を出せば負け。

仮に銘柄Aの値動きが完璧に読めていたとしても、最終的な結果は他の銘柄の値動きに左右されます。

銘柄Aに限ったことではなく、銘柄B、Cについてもそれぞれ同じことが言えます。

1銘柄の値動きを完全に読むだけでも難しいのに、それが出来たとしてもダメ。

値動きが読めるとはいったい何なのか?

単一銘柄のみでトレードする場合

1銘柄のみでデイトレードする場合。

すなわち、複数銘柄同時売買を行わない場合。

こちらも、実は、複数同時銘柄売買の時と同じです。

トータルの結果が全て。

1日に10回トレードするなら、10回終わった後で結果が判明します。

1回のトレードの勝ちは、ほとんど意味がありません。

そして、10回のトレードの結果は、10銘柄を同時に売買した場合の結果と大差ありません。

他のトレードとの相関の中で、どれだけ上手く降りたか。

ドカンを食らわず、他銘柄の含み益を帳消しにしないよう、適度なところで降りることができたか。

ここで、多くの人が思いつくのが、負けないトレード。

どうにも形勢不利なので、何とかギリギリ、どうにかならないかと言う訳です。

すなわち、負けないトレードとは、追い込まれ、どうにもならなくなった結果の、窮余の一策。

負けないトレードの結論

負けないトレードでは勝てません。

トータルでは、ほぼ確実に負けます。

負けないことの意味

「負けない」とは、「負け」の補集合。

補集合とは、下図において、青色の部分。

負けの補集合のベン図

この青色部分は、さらに以下のように書き換えることができます。

勝ちと引き分けのベン図

すなわち、

(負けない)=(負けの補集合)

=(勝ち)+(引き分け)

となります。

負けないトレードの実体

負けないトレードの意味は、なかなかにあいまいです。

実は、このあいまいさが負けないトレード信奉者の逃げ道になっています。

勝っても大喜びしない、と言う意味ではまさに正しい。

しかし、勝つことを意識しない、冷静に行く、それは相場に向かう者として当たり前のこと。

力説するほどのことではありません。

すなわち、何の主張にもなっていないのであります。

そして、負けないトレード主張派の多くは、以下のようなことを言っている場合が多い。

すなわち、小さく負け、結果的に勝つ。

勝つことを意識しない。

引き分けを多用する。

なぜなら、取引手数料が安くなり、証券会社によっては無料の場合も増えた今。

引き分け、すなわち同値降りを多用したところで、トレードの経費はほとんどかかりません。

同値降りは何度でも繰り返してよい。

そんな負けないトレードの結果、どうなるか?

結果として利幅が狭くなる

引き分け、すなわち同値降りを多用する。

そして、勝ちに重きを置かない。

その結果、勝ち幅が狭くなります。

大きくは負けないが、引き分けが増え、勝ちに拘泥しないので利幅は狭くなるのです。

実は、負けないトレードの主張派は、引き分けを増やせ、と言っているに近い。

これだけについて言えば、効率を下げる効果はあるものの、取り立てて害がある訳ではありません。

効率など悪くとも、最終的に勝てれば無問題なのであるからして。

しかし、利幅が狭くなったら、話は違います。

トータルで勝つことなど、ほとんど不可能になるのであります。

狭い利幅がまずい理由

トータルの勝ち、このためには利幅が全て。

そう言っても過言ではありません。

当方のマイ・ルールでは、利幅の狭い勝ちなど負けと同等。

はっきり言いましょう。

スキャルピングとは、負けに等しいプレイを神技的損切で切り抜け、ギリ勝ちに持ち込む手法を意味します。

そんなものは、トレード回数を増やし、新規建て金額を無限に増やしたい、そんな株屋さんの戦略に乗っかっているに過ぎません。

株屋さんにとっては、取引頻度が上がった方が都合がよろしい。

金利が取れるからです。

金利が無料の場合でも、頻回なトレードを続けていれば、いずれ1日で仕切れないトレードが発生します。

これにより、日をまたいだトレードの手数料・金利が取れます。

証券会社とは、営利を目的とした法人です。

全ての手数料・金利を無料にすることは不可能なのです。

そんな彼らにとっては、収益を得るため、顧客の頻回な取引があってしかるべし、そんな意向があるとか・ないとか。

すなわち、弱小の個人トレーダーは彼らの手のひらの上で転がされ続けかねないのであります。

トレードの解は利幅

利幅さえ広く取れれば、損切りがやりやすくなります。

例えば、一気に100万円の利益確定ができたとしましょう。

この場合、その後に1万円の損切りを多少繰り返そうが、痛くも痒くもありません。

100万円と言う広い勝ち額があるからこそ、損切りが自在になります。

これが利幅であり、トータル勝ちの解法そのものであります。

トレード解の行きつくところ

時間軸の短いスキャ・デイトレ、これらには確かに一時の勝ちはあります。

しかし、多少勝ちが連続したとしても、トータルで勝ち続けるのは難しい。

1度の利確をたやすく行える代わりに、トータルで勝つ場合の難易度が高くなるのであります。

であるからこそ、短期売買において、多くの人が結局のところ退場していくのであります。

語弊を恐れずに言えば、利幅の大きいデイトレ、あるいはスイング、中長期、これでしかトータルでは勝てない。

利幅の大きいデイトレとは、スイングトレードのうち、たまたま当日中に利が伸ばせて、1日で仕切れたものを言います。

実質的にはデイではなく、スイングであり、偶然日計りになったトレード。

これがトータルで勝ちに持ち込めるデイトレードです。

負けないトレードの難点

ところが、負けないトレード主張派の多くは、時間軸の極めて短いトレードを念頭に置いている場合が多い。

その場合、自動的に利幅が狭くなります。

意図的にみずから狭くしてしまう、と言ってよろしい。

狭くされた利幅により、これよりさらに狭い損切り幅で降りなければならないことになります。

これが利幅の狭いトレードの難点です。

負けないトレードにおいては、究極的なまでに幅の狭い損切りが求められる、と言うこと。

これこそ神技的損切りと言うものです。

神技的損切とは何か

究極的なまでに幅の狭い損切り、それはほとんど同値で降りることを意味します。

負けないトレードにおいては、ほとんど同値で降り、利益確定をする場合には勝ちを意識しません。

であるから、利幅が狭くなるのであります。

時間軸の短さが彼らの背中を押します。

これは、難易度の高い手法を、みずから進んで取り入れているに過ぎません。

トータルで負けるのは自然な成り行きと言えます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

トータルで勝てる方法

一撃で大勝ちし、それ以外のトレードはコツコツと損切りしていく。

常にコツコツと損切り。

コツコツ利益確定では決してないのであります。

そして、最大の目的は一撃でドカンと勝つ。

負けないトレード?

そんなもの、いりません。

必要なのは、大勝ちするトレードです。

利幅を大きく取るのであります。

これをやらずにコツコツと利確し始めたら、そのうちドカンとやられ、あれれ?

となるのがオチです。

そして、トータルでは普通に負けざるを得ない。

そんなことをやっているうちは、ロットを上げることもできません。

なぜなら、当の本人が勝てないことを知っている。

トータル勝てない、勝てたとしてもギリなのだから、決してロットは上げられないのであります。

負けないトレードの正体

神技的損切り、すなわち、ほとんど同値降りに近い状態。

未来永劫それをやり続ける。

これは至難の技であります。

にも関わらず、「負けないトレード」においては、それが常時求められます。

相場と言うものは、やっていれば、そのうち厚めの損切りが出てしまうものです。

これを当方の用語で、運負けと呼びます。

運負けをゼロにすることは、相場の見えざる手が許しません。

自動損切りを設定すれば良い?

そんなもの、特売りが来たら意味なしです。

はっきり言いましょう。

厚めの損切りを絶対に出さない、そんなことは不可能です。

相場に絶対はないのであります。

この不可能を可能とするべく努力するよりも、偶然に利幅が厚くなる、ドカン勝ちを狙う方がよろしい。

もちろん、そのためには準備が必要です。

相場を徹底的に研究するのであります。

そして、運勝ちの100万円狙い。

偶然手にすることができた100万円、これにより頻回の損切りが可能となり、しかも多少の損切りミスにも耐えうることができるようになります。

負けないトレードとは、このやり方の真逆の状態にみずからを追い込み、ひいては相場の肥やしになりかねない、そんな手法に過ぎません。

生き残りに必要なのは、負けないトレードなどではなく、大勝ちするトレードに他なりません。

勝てない最大の理由

トレードで負ける最大の理由は、負けが大きくなること。

全く勝てない訳ではありません。

トータルで見て、負けのほうが大きくなってしまう。

最終的な結論が全てです。

勝ちはあれども

誰にも勝ちは存在します。

全く勝てない人なんて、いないのです。

結局は勝ちの頻度、勝ち額の大きさ、そして多数回の試行を反復した後の合計。

トータル。

個別の勝ちに重きを置くことは意味がないのであります。

はっきり言いましょう。

多少連続で買っても意味なし。

一定期間後の病理

結構勝てているのに、トータルで負けている。

そんなことは多い。

その原因は

  1. 何度も繰り返して負ける
  2. 一回の負け額が大きすぎる

のどちらか。

あるいは、両方の合わせ技、と言う場合も少なくありません。

では、1と2のどちらにより気をつけなければならないのでしょうか。

その答えは、当方の経験上では、明らかに2であります。

ドカン一撃、大負け。

一撃大負けを防ぐ

一撃大負けとはどのような場合に起こるのでしょうか。

その理由は

  • 玉がデカい
  • 特売りを食らった
  • 含み損を耐えてしまった

などがあげられます。

玉は小さかったのに、ナンピンした結果、などと言うのもあります。

玉がデカい

ワンショットを小さくするようにしていても、いつの間にか大きくなってしまう。

これは、チャンスだと思えば思うほど、そこにリソースを集中させるからです。

すなわち、チャンスの希少性。

チャンスの頻度が少なすぎるのであります。

したがって、一定頻度で着実にチャンスを見つけられるようにする必要があります。

必ずチャンスが見つけられる、しかもある程度頻繁に、と言う安心感。

その安心感がないと、徐々に玉は大きくなっていきます。

特売りを食らった

特別売り気配を食らう。

トレードにおいて、これほど恐ろしい現象はありません。

何せ、食らったら何もできません。

何も手を打てないまま、ただ含み損が広がっていきます。

食らったら仕舞い。

策としては、小型株は避け、大型株、それも売買代金の集まっている主力株でトレードする、と言うのも一つの方法。

主力大型株では、場中にいきなり特別売り気配になることは少ないと言えます。

含み損を耐えてしまった

上がると思うからこそ、耐えてしまう。

耐えてしまった結果、切れなくなる。

ついでにナンピン買いをしてしまう。

よくあることです。

これを防ぐためには、負けを認めてブン投げる。

あきらめを早くする技術。

素早いあきらめを良しとしない、このためについついカットが遅れる傾向を生むのであります。


これらがトレードの要諦であります。

その時初めて

  • 少しずつ焦りが消え
  • ワンショットにぶち込まないようになり
  • じわじわと利益を積み上げる

ことができるようになるのであります。

2023.1.16 本日の結果

本日の結果は、スイング勝ち。

持ち株はメガバンク3社。

ラッキーなことに、いずれも特買いからスタートしました。

今年初トレードから3営業日連続勝ち。

この調子を維持したい。

日経平均は軟調。

欧米は調子良いのに、これは完全に誰かさんのせいですわな。

相場は敏感にそういうのを察知します。

見逃しません。

買いたい銘柄も一切なくなり、ノーポジ引け。