頭と尻尾はくれてやれの手法

この記事は約7分で読めます。

相場においては、魚の頭と尻尾はいらない。

胴体さえ頂ければよろしい。

これが通説であります。

しかし、相場とはなんとおそろしい。

魚ではなく、こちらの頭が取られてしまう。

平気でそんなことが起こります。

この相場の不条理を避け、フィッシュの胴体を頂く手法。

スポンサーリンク

誰が言い出したか

頭と尻尾はくれてやれ、この相場格言を言い出した主は誰か?

実は、この格言、詠み人知らず。

作者不明の言説、と言うのが実際であります。

なぜそう言えるのか?

俗説によると、頭と尻尾はくれてやれの出典は、本間宗久の著作だとされます。

しかし、残念ながら、この説は根拠に乏しい。

本間宗久の著作は現存していないからです。

彼は1724年(享保9年)、現在で言えば山形県、酒田は豪商のもとに生まれたとされます。

ローソク足と酒田五法を考案し、多くの相場格言を残したとされる、伝説上の相場師です。

国立国会図書館の蔵書によれば、彼に関する最古の著作は1894年(明治27年)。

国立国会図書館ホームページ>検索ワード 本間宗久

彼の著作とされるものは、後に別人によってまとめられたもの、と言ってよろしい。

相場格言とは、実にこの類いのものが多い。

すなわち、出所不明、言い伝えの類いに近いのであります。

意味

相場においては、天底は当てられません。

そんなものが分かるなら、誰でも大儲けなのであるからして。

したがって、わからないものはあきらめ、取れるところだけを頂く。

すなわち、頭と尻尾はあきらめ、胴体だけを頂ければ十分。

これが頭と尻尾はくれてやれの意味です。

すなわち、欲をかいてはいけない、と言う戒め。

極めて当たり前のことを言っているに過ぎません。

逆に、魚の胴体のみならず、頭と尻尾まで取ろうとするとどうなるか?

場合によっては、あなたの頭が取られかねない。

相場の見えざる手は、時に残酷な仕打ちに出てきます。

欲をかいたがために、全てを失い、退場せざるを得なくなります。

そんな話は相場のそこかしこに落ちているのであるからして。

手法

では、どうすれば良いのか?

頭と尻尾をあきらめ、胴体だけでもしっかり頂く手法とは、どんなものなのか?

当方の考える内容は、以下のようなものです。

  • 頭と尻尾、胴体を混同しない
  • トータルバランスで値動きを取る
  • 手法はデザインできない
  • 結果としての勝ちを取る

頭と尻尾、胴体を混同しない

何が相場の頭と尻尾で、いただくべき胴体はどこであるのか。

これを混同すると、いつまでたっても利益は残りません。

例えば、頭を尻尾を捨て、胴体を頂きたいがために、小さな利幅を積み重ねようとする。

相場によくある間違いであります。

この間違えた意識のため、やたらと小さな値幅を確保し、それを反復しようとします。

スキャ・デイトレに専心してしまう。

こうなると、胴体を頂くのではなく、逆に頭と尻尾ばかりを確保しまくろう、そんな結果となります。

これが頭と尻尾、胴体の混同。

トータルバランスで値動きを取る

すなわち、値動きのトータルバランスをもって、うまい具合に頂く必要があります。

胴体を確保したいがばかりに、小さな値動きに翻弄されてはならないのです。

胴体とは、魚の身のうち大きな部分を占めます。

ここを頂かずして、勝ちはなし。

ところが、気づけば小さい部分、すなわち頭と尻尾。

いわば残りカスに拘泥してしまう。

スキャやデイトレで、この頭と尻尾ばかりを集めよう。

そうすれば財をなせるのではないか?

これが勝利のトレードをデザインすることなのではないか?

手法はデザインできない

相場においては、悲しいかな、手法をデザインすることはできません。

はっきり言いましょう。

市場経済は計画経済にあらず。

あらかじめ完璧な手法があり、それに従って突き進めば勝てる。

ザラバはそんなに甘い世界ではないのであります。

すなわち手法はデザインできない。

そうしようとすればするほど、フィッシュの胴体は集められず。

気づけば思惑とは裏腹に、残りカスの頭と尻尾を集めている。

そんな取り越し苦労、正反対の努力を始めることになりかねないのです。

結果としての勝ちを取る

すなわち、手法は結果として存在するものであって、最初から計画通りにやるものではないのであります。

魚の胴体を頂く手法とは、結果としてそうなるだけのことであって、意図してできるものではない。

むしろ、頭と尻尾でなく胴体を頂こうとすればするほど、そこから離れてしまう。

頭と尻尾、胴体がいつのまにか逆転してしまうのであります。

この相場の不条理をどうやって避ければ良いのでしょうか。

その答えは、あくまで大きな値幅を狙うこと。

明らかであります。

それが頭と尻尾、胴体の違いに他なりません。

値幅が全てを決するのであります。

大きな値幅を取るために

当方の思いは以下であります。

弱い銘柄を避ける

弱い銘柄を避ければ、自動的に強い株だけが残ります。

強い銘柄にインできれば、勝率も上がります。

良いこと尽くめです。

弱い銘柄に限って急落しがちであるし、下がったあとも戻りが弱い。

強い銘柄は下がったあとも力強く戻ります。

値動きの全てにおいて、強い銘柄はメリットが多い。

相場には強い銘柄と弱い銘柄しかありません。

従って弱い銘柄を避けることが大事になります。

では、弱い銘柄をどう選別すれば良いのか?

弱い銘柄とは何か

世の中の全ては、強いものと弱いものの2種類。

真ん中、中道など存在しないのであります。

真ん中があるとすれば、そいつは弱い方の部類。

そして、弱いものを排除すれば、強いものだけが残る。

したがって、相場において弱気は御法度。

弱気はすぐに、相場の女神に廃除されてしまいます。

しかるに、目を皿のようにして、弱いものを選別する。

弱肉強食システム、それが相場の女神そのものであります。

しかし、例外はあります。

最弱銘柄は逆に強い、この逆説的事象。

逆説的な相場の手法

爆下げ、暴落に次ぐ暴落。

そんな銘柄こそ、最弱銘柄と言えましょう。

しかし、その最弱銘柄が非常に強いリバウンドを見せる。

最弱銘柄は強い、誰よりも強いのであります。

のび太がプロボクサーを凌駕する。

そのレベルです。

ですから、弱い銘柄を排除しつつ、そのうち最も弱い銘柄は買い候補となります。

つまり、弱い銘柄を微に入り細を穿って監視する必要があるのであります。

すなわち、極端なものに注目すると言うこと。

頭と尻尾を定義する

頭と尻尾はくれてやれとは、言い換えれば、欲張るなと言う相場格言。

端にある部分は小さいが、両極端の部分であるため、選別はしやすい。

従って、まずはその選別しやすい部分に注目する。

両極端の部分に着目しつつ、弱い銘柄を排除し、結果として強い銘柄を見出す。

たとえば、スキャ・デイトレは弱い。

当方、この相場勘に至るのに、長らく時間を無駄にしてきました。

そして、頭と尻尾をくれてやりながら、胴体だけを頂くための結論。

それは、ひたすら強いところに入り、値幅を厚く取る。

その先に、気づいたら結果的にフィッシュの胴体が残っている。

フィッシュの胴体は最大の目標ではありますが、短絡的にそれを目指してはならないのです。

胴体を取ろうとすればするほど、そこから離れ、頭と尻尾しかつかめない。

チマチマと値幅を集めることに拘泥してしまう。

その挙句にこちらの頭を持っていかれる。

この相場の不条理は、いつでもザラバの傍らにたたずんでいる。

相場の女神然として、こちらを見守っている。

そういうことであります。


さて、本日の結果は、ノートレ。

相場は残念ながら、あまり動かない。

狙ってる銘柄が動かないと言う感じです。

主力株は垂れ、新興株は見せかけの上昇。

これ、たぶん5月まで続くのでは。

その先はわかりません。

いきなりグイグイ来るかも知れないし、第2リーマンショックになるやも知れない。

なんだか嫌な予感がします。

ただし、第1リーマン当時に大やられした二の轍は踏まない。

そんな心づもりであります。

ノーポジ。