ミスプライスの拾い方

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ミスプライスをどう拾うか?

その答えは、心理の虚をつく、と言うことです。

では心理の虚とは何か?

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ミスプライスはどこにある

ミスプライスとは、適正でない、行き過ぎた価格です。

なぜ行き過ぎるのか?

適正とは何か

適正とは、相場においては、ある基準に対し合致していること。

すなわち、基準のないところに、適正も不適正もないのであります。

これがしばしば行き過ぎた値動きが発生する裏事情。

では、基準とは何なのか?

PERか、PBRか、キャッシュフローか、繰り越し損金か?

基準

値動きには基準があります。

それは指標ではありません。

なぜなら、指標は山ほどあります。

この指標ではミスプライス、あの指標では適正の範囲内。

指標を調べれば調べるほど、判断に迷う結果となります。

特に短期の相場においては。

したがって、指標で値動きが決まるなんてことはほとんどないに等しいのであります。

では、何が値動きを決めるのか?

理由

買う人が多ければ上がるし、売る人が多ければ下がってしまう。

指標がどうあれ、これが現実であります。

はっきり言いましょう。

指標を見て相場が上手く行くなら誰も苦労はしません。

ではどうすればいいのか?

材料か?

ニュースをつかんだものの勝ちなのか?

正体

値動きは材料にもニュースにも従いません。

好材料に対し、爆下げする相場さえあります。

なぜ好材料なのに下げるのか?

それは売っている人が多いからです。

売られているのに、上がる筈はありません。

値動きは、材料ではなく、買い手・売り手のどちらが勝っているかに依存します。

これを需給と呼びます。

需給を作るのは何か?

要因

需給は参加者の心理が生み出します。

特に短期的値動きにおいては、それが全てと言ってもよろしい。

指標が良いのになぜ株価が下がるのか?

それは売りたい心理が圧倒的に勝っているからです。

もうこんな株、持っていたくない。

大勢がそう考えているからこそ、下がります。

にもかかわらず、指標はこうなっているとか、材料がどうだとか議論する。

まことにおつかれさまであります。

はっきり言いましょう。

心理

値動きは大勢の心理が作ります。

これを無視して、数値・指標・材料・財務を論じたところで、どうにもなりやしないのであります。

証券自己の古参トレーダーがこう言いました。

いわく「相場には勝てない」と。

この意味は、大衆に逆らっても利益は出ない、と言うことに他なりません。

「おぬし、大衆に迎合するのか?」などと絡まないでいただきたい。

価格はミスプライスを作りながら、行きつ戻りつを繰り返し、やっとのところで、適正範囲に収まるもの。

最初から理論どおりに動くなら、誰も苦労しやしないよ。

と当方は言いたい。

そして、当方、常にミスプライスを拾いに行く手法であります。

ミスプライス手法

ある人が「このラインが抵抗線」だと言う。

すなわち、抵抗線のところで反発するだろうと。

確かに、大勢がそこで買ってくれば、価格は反発するでしょう。

しかし、その時点で、ミスプライスが付く可能性が出てきます。

相場はカッチリと理論通りに動かず、まずはミスプライスをつけに行くのであるからして。

そして、行きつ戻りつを繰り返し、適正値に収まります。

これが相場。

そして、その行きつ戻りつが振れまくり、限界値に達する場合。

ミスプライス手法は、こんな時、有効となるのであります。

材料を買わない理由

当方、値動きを買う派であります。

材料を買うことはほとんどありません。

その理由は以下。

すでに上がっている

材料が出ている株は、たいていすでに上がっている。

材料が良ければ良いほど、上がっています。

暴騰している場合も少なくない。

そんな株を買って、はたしてさらに上がり続けるものなのか?

当方も材料株を買ったことがあります。

しかし、上手く行くこともあれば、そうでもない場合もあり。

むしろ、逆に動かれた時の損が大きい。

上がり切った株が下げ始めたら、とても速いのです。

高値掴みを避けたい。

ただし、高値を買わない訳ではありません。

素っ高値の行き過ぎを狙うこと、度々。

すなわち、材料では買わず、値動きを買うのであります。

なぜなら、そのほうがやりやすいからであります。

材料がなく、不当に下げ過ぎている銘柄を拾う、そんなこともあります。

材料探しの難しさ

材料が無い。

意味不明に低迷している。

そんな場合、当然ながら、株価は安い。

泣かず飛ばず。

そんな銘柄にもチャンスはあります。

ある日突然、急に買われることがあるのであります。

そして、後から材料がささやかれます。

この場合も、材料が出てから買ったのでは遅い。

とんでもなくブチ上げて、何だろうと思ったら、復配ネタが出てきたり。

復配とは、無配株が配当を再開することです。

この場合、配当再開が公表されてからでは遅い。

遅すぎる。

では、その前に情報をキャッチできるかと言えば、それも難しいのであります。

そんなことができるのはインサイダー。

相場の御法度であります。

原石探し

ファンダメンタルについても同様。

ファンダ投資の場合、中長期を見越しての買いが求められます。

いくらファンダメンタルが強いからと言って、短期で買ったのでは上手くいきません。

これ以上ないと言うくらいファンダが良い銘柄は、実際に存在します。

しかし、株価は上がってしまっている場合が多い。

ファンダ投資家が買っているからです。

それを買うのは、ちょっときつい。

すなわち、ファンダの良い銘柄ではなく、これからファンダが良くなる銘柄を買わなくてはなりません。

今、冴えないけれども、これから冴えてくるものを狙う。

現在、ダメな銘柄を狙うわけですので、それはダイヤの原石探しに等しい。

ダイヤの原石は石ころの中に隠れているのであります。

材料・ファンダの能力

石ころの中にダイヤの原石を見つける。

それが、材料・ファンダメンタルの見極め方法であります。

派手に光るキラキラ銘柄を追うのではありません。

むしろ、目立たず、誰も気づかない物の中から、本物を探す行為であります。

これは地味に見えて、高度な能力が求められます。

知識と経験、そして才能。

当方もそれらを追い求めないわけではありません。

会社四季報、久々に買おうかなと。

もう10年くらい買ってないや。

行き過ぎの研究

相場とは常に行き過ぎるもの。

上がり続けて止まらない。

下がり続けて終わらない。

涙も止まらない。

悲壮な事象が相場の常。

しかし、だとするなら、それを利用する。

行き過ぎるからこそ、おこぼれ頂戴。

集団心理の虚をつくのであります。

皆がビビっているところを、すまし顔で乗り切るのであります。

はたしてこの手法、万人におすすめできるものではありません。

蛮勇が求められる、全くもって参考ならざる手法に他ならない。

連休前の心理

しばらくザラバが開かない、その直前には、誰しも不安がよぎります。

このままホールドしておいて、大丈夫なんだろうか。

思惑と逆に動かれたら、たまりません。

身動きの取れないまま、世界の相場はどんどん逆に動いてしまうかも知れない。

これが土日前・連休前の心理であります。

誰もが不安になるので、ついつい手仕舞いをしたくなる。

利が乗っていれば利益確定したくなるし、含み損なら損失を確定させたい。

担がれているのならブン投げたい。

そんな中、素っ高値の株はグイグイ上げ、爆下げ株はさらにドン下げ。

行けば行くほどさらに行く、これが相場の本質。

その輪が掛かった銘柄にインする手法。

なぜ行き過ぎるのか

もちろん、どの銘柄も行き過ぎるわけではありません。

何かの理由で、たまたま意味も分からず行き過ぎとなるのであります。

原因不明。

不確かであるからこそ、手仕舞いを考える人もさらに増加します。

出来高急増、買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶ。

どこで止まるのかわからない。

この、わからなさ尽くし。

ましてや、土日祝・連休のおかげで、ほどなく手が出せなくなる状況が眼前に迫っているのであります。

これによって、集団心理がさらに追い込まれます。

ある種のパニック相場であります。

上げの場合なら素っ高値。

下げの場合ならどん底へ。

行き過ぎがさらなる行き過ぎを呼ぶのであります。

値動きの行方

もちろん、行き過ぎの度合いは相場によって、銘柄によって様々です。

様々であるからこそ、より一層、行き過ぎている銘柄が際立ってきます。

そこにインしたらどうなるか?

実は、休みが明けてからどっちに行くのかは、明言できません。

上がるか下がるか、全く不明なのであります。

戻して来るのか、さらなる行き過ぎか?

ただし、一つ言えることがあります。

値動きは大きくなることが多い。

であるからして、上手くやれば、それなりの利益が出ます。

たとえ、東証プライムの大型株であっても、値動きは増大傾向。

そこを頂きたいのであります。

これは手法か?

上がるか下がるかわからないのに手法になるのかよ!

そう問われれば、答えに窮するのみ。

しかし、値動きが大きくなる、この魅力。

予想さえ当てれば、全ては上手く行くのであります。

空売りの主が多過ぎるのなら、ショートカバーでさらに上がる。

上げ過ぎであれば、戻り。

下げ過ぎであれば、リバウンド。

あるいは、さらなるパニックで追加下げもありうる。

すなわち、方向当てゲーム。

土日・連休前に持ち越す場合、この方向当てゲームで勝つことが求められます。

すなわち、読めてこその手法。

こんな手法に優位性があるのでしょうか。

優位性はここにある

上がるのか、下がるのか、当てれば、儲かる。

そして、今、当てるべき時が来た。

とするならば、あなたは選ぶ立場にあるのであります。

上か下かを当てよ、と。

パニックに巻き込まれて含み損となっている人々から比べれば、はるかにマシ。

すなわち、幾ばくかの優位性。

その優位性を次の利益につなげられるか、否か。

そう考えた時、当方は居ても立ってもいられないのであります。

すなわち、勝手に手が出る。

相場とはなんと恐ろしい。

まず、ざ・わ・わ、と来る。

と思ったら、すでに買っている。

その繰り返しであります。

オーバーキル

相場の難しさとは、行き過ぎの難しさであります。

行き過ぎとは英語でOverkill。

このオーバーキルの恐さがわかっていないと、いつか大きくやられてしまいます。

相場には行き過ぎが付きものであり、この対処法の重要性。

逆に言えば、行き過ぎを制するものが相場を制します。

行き過ぎが取れない場合

相場が上がりますと、天井が一番儲かります。

相場が行き過ぎて、素っ高値を更新する。

この時の値幅が一番大きい。

素っ高値の大天井こそ、儲けるチャンスなのであります。

新高値のパワー。

上手な人は、ここでガッツリ利益を出します。

しかし、何でもかんでもそれを狙えば良いかと言うと、そんなことはありません。

それなりの手練手管がなければなりません。

やられる場合

チャンスが見え見え。

にも関わらず、一歩間違えれば大損をしてしまう。

行き過ぎのやられこそ、もっとも食らってはいけないパターンであります。

すなわち、ハイリスク・ハイリターン。

相場のどん底でも同じことが言えます。

相場はある時、下に行き過ぎる。

ここを空売りで取るのも一法。

そして、底からの反転を狙う手法もあり。

ですが、この時、ボラティリティが極めて高まるのであります。

オーバーキル相場

プット・オプションを見ると、相場の行き過ぎが実感できます。

プット・オプションは、相場が下がる時に上昇します。

そして、ボラが高まれば高まるほど、その動きは格段に大きくなるのであります。

例えば、一年に一度の相場の下げ。

この暴落時には、プットオプションが暴騰します。

どのくらい暴騰するかと言うと、プット価格(プレミアム)が100倍にも、200倍にも上がることがあるのであります。

もちろん、ここで一発利益を出せば、その年の勝利は確定したようなものです。

逆に言えば、普段どんなに勝っていても、その一発が取れなければ意味なし。

意味がないどころか、大ヤラレの危険性もあるのであります。

スーパー・コツコツドカン

オプションの空売りは比較的簡単に儲かります。

これはオプションの特徴的な値動きによるものであります。

しかし、どんなにコツコツと利益をためて行っても、スーパードカンを食らったら仕舞い。

一年に一度の暴落時に、プットを空売りしていたらどうなるでしょうか。

プット価格が100倍・200倍に暴騰する時に、空売りで担がれるのです。

逃げると言ったって、そういう時に限って板が薄くなり、買戻しができなくなります。

これで一撃ドカンを食らい、エライ目にあったら最後。

買いは家まで、売りは命まで。

恐ろしい相場格言が現実のものとなるのであります。

すなわち、行き過ぎは一撃で資産を作ることもできるが、一撃で退場もあり得ると言うこと。

その威力は、コツコツためた利益を一撃で粉砕するほど大きいものなのであります。

行き過ぎを取り、行き過ぎでやられない。

これが相場の最も注意すべき、最重要ルール。

忘れてはなりませぬ。


さて、本日の結果、スイング勝ち。

ミスプライスを拾い、ほぼ勝ちだと思っていたら、本当に勝ち。

ミスプライスさえ拾えれば、相場はこんなものであります。

今日もミスプライスを買っていきました。

上がるか下がるかは、相場が知っています。

お祈り相場。

アレな株、薄めに買い持ち。