デイ・スイングの比較

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デイとスイングの別は、まず最初に迫られる、軽視できない選択であります。

ここではスイングの定義として、1日~2日で決済するトレードを想定しています。

デイとスイングの手法別差異について、当方の結論をまとめ。

なお、以下は私見に過ぎず、あくまで素人である個人の感想でありますことを十分にご了察ください。

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結論

デイ スイング
求められる利幅 薄い 厚い
求められる約定回数 多い 少ない
ギャップアップ ほとんどなし あり
ギャップダウン (下手をすると)あり あり
運の寄与度 あり あり
損切りの難易度
時間的分散 可能 可能
多数銘柄分散 可能 可能
同時の多数銘柄分散 難しい 可能
1点集中による複利効果 難しい かなり難しい
1銘柄全力投入のリスク 高い より高い
求められるロット 自由 自由
手数料・金利 かかる かかる
証券会社の都合 都合が良い どちらとも言えない
トレードの効率 高い より高い

これらの結論に至った諸事情は以下となります。

求められる利幅

  • デイ:薄い
  • スイング:厚い

1トレード当たりについて考える時、投入資金に対し、

  • デイトレ0.1~0.4%程度
  • スイング1~4%程度

が概ねの利幅となりましょうか。

少なくとも当方の場合、平均的にこのくらいであります。

デイトレで0.1~0.4%と言えば、ワンショット100万円に対し1000~4000円の利幅となります。

比較的スキャルピングに近い、時間軸の短いケースです。

スイングの1~4%は、同金額に対し1~4万円の利幅。

まあ10倍。

スイングの場合、翌日に持ち越せば、終値から始値までのギャップが含まれることになります。

2~3%のギャップアップなど、地味な東証一部の主力株、すなわち値動きの良くない大型株ですら動いてしまうことがあります。

デイで利幅を広げることも不可能ではありません。

含み益のままずっと耐え、伸ばせば良いのです。

しかし、伸ばせば伸ばすほど、デイと言うよりスイングに近くなります。

デイのデイたるゆえんは、利幅の薄さを回数で取り返すと言うことであります。

すなわち、デイであれば利幅は狭く、スイングであれば利幅は広い。

これが想定上求められる利幅であり、実際の結果に一致します。

求められる約定回数

  • デイ:多い
  • スイング:少ない

デイでは、必然的に約定回数は増える結果となります。

チリも積もれば山となる。

しかし、チリの数が少なくては、とてもではないが山とはなりません。

すなわち、積もらせるための約定回数が必要となるのです。

対して、利幅が取れるスイングでは、そこまでの約定回数は求められません。

すなわち、トレードにおいて、利幅と約定回数は逆相関の関係にあります。

利幅が1で約定回数が10のトレードと、利幅が10で約定回数が1のトレードは等価、そんなイメージです。

ギャップアップ

  • デイ:ほとんどなし
  • スイング:あり

振り返ってみれば、デイトレでギャップアップとなった記憶はほとんどありません。

買ってから特別買い気配になり、そのまま上に10%値が飛んだ、などと言う場合です。

その頻度は、数年に1回とか、2回?

当方の場合はそんな調子であります。

デイ、それも時間軸の短いスキャの場合には、すぐ仕切ってしまいます。

よって、ギャップアップの幸運に巻き込まれることが少ないのであります。

すなわち、デイにおける時間軸の短さが、幸運を追い出していると言えます。

ギャップダウン

  • デイ:(下手をすると)あり
  • スイング:あり

スイングで大幅ギャップダウンを食らった記憶。

つらかったなあ。

そして、デイではどうか?

思い出せば、あります、デイで特別売り気配を食らった記憶が。

すぐ仕切る筈だったのに、特売りに巻き込まれ、ドカンとやられ。

損切りに失敗すれば、たとえ時間軸の短いデイでも、大きくギャップダウンを食らう可能性は捨て去れないのであります。

このギャップ問題は、実に運によるところが大きい。

そして、運の影響は、ホールドしている時間が長ければ長いほど、割り込んで来ると言う具合になっています。

運の寄与度と損切りの難易度

  • 運の寄与度 デイ:あり スイング:あり
  • 損切りの難易度 デイ:難 スイング:難

持ち時間が長ければ、より運が結果に食い込んで来る。

ラッキーパンチはなかなか当たらないことが多い。

しかし、バッド・ラックは常に私たちに割り込もうと、チャンスをうかがっているのであります。

相場の悪魔のしわざです。

すなわち、運は悪い方に作用しがちであります。

幸運は待ち構えていないと、つかまえることができない。

そして、損切りに迷っている間に、特売りの魔の手が忍び寄る。

速やかに損切りを行なえるか。

速やかならざれば、運と下手の相乗効果で、結果が強引に引っ張られてしまいます。

せめてこの運の要素を何とか相殺できないだろうか。

そう考える時、分散の発想が浮上して来るのであります。

トレードの分散

  • デイ 時間的分散:可能
  • スイング 時間的分散:可能

デイにおいては、ザラバにおいて頻回にトレードすることとなります。

よって、時間的分散効果が発揮できるのであります。

この点については、スイングも同様。

いつなんどき、何度売買しようとも、それは当事者の自由。

銘柄間における分散、すなわち、多数の銘柄に渡ってトレードすることに関しても、デイ・スイングに違いはありません。

  • デイ 多数銘柄分散:可能
  • スイング 多数銘柄分散:可能

しかし、唯一違う点、それは、同時に多数の銘柄を売買できるかどうかと言う点。

  • デイ 同時の多数銘柄分散:難しい
  • スイング 同時の多数銘柄分散:可能

デイにおいては、せいぜい数銘柄が限界ではないでしょうか。

何十銘柄も同時にデイトレードしている、などと言う話は聞いたことがありません。

当方、ここに着目し、同時銘柄多数売買のデイ手法を実践していたこともあります。

しかし、原則的には、時間軸が短くなればなるほど、同時に扱える銘柄には限界が出てきます。

人間には2つの目しかついていないからです。

複利に対する寄与度

複利に対する寄与度は、デイ・スイングにおいて大差なし。

複利の効果は、トレードの回数に依存します。

回数が多ければ多いほど、複利は効いて来る。

計算上の事実であります。

とするならば、デイとスイングにおいて、どちらがトレード回数が多いと言えるのか。

それは、どちらとも言えません。

スイングにおいては、資金を分散させて、多数の銘柄を同時に扱うことができます。

これにより、トータルの回数を増加させることができます。

ただし、1銘柄全力投入で反復する場合においては、その限りではありません。

  • デイ 1点集中による複利効果:難しい
  • スイング 1点集中による複利効果:かなり難しい

ありガネ全てを全力投入。

きわめてリスキーな手法ではあります。

これを一定期間内に繰り返す場合には、デイの方がいささかやりやすい。

すぐインし、すぐ降りることができるからです。

しかし、それを地でやり、成功する人はほとんどいないでしょう。

そんなことが可能なら、あっというまに大金持ちになれます。

従って、この全トレード・1銘柄全力投入法は、想定の範囲外のお話と考えた方がよろしゅうございます。

1銘柄全力投入のリスク

  • デイ:高い
  • スイング:より高い

ホールド時間が長ければ長いほど、予想外の値動きに巻き込まれかねない。

逆に、すぐ仕切るトレード法であれば、大きくやられるリスクは少ない。

しかし、これは比較の上のお話であって、実際の話、毎回デイで一点全力投入をしている人はいないでしょう。

うまく行けば資金増加の速度を飛躍的に高めることができますが、その逆もあり得ます。

あっと言う間の資金減少です。

これを防ぐため、ロットを小さくしてトレードしている人は少なくありません。

ロットでリスクをコントロールするのであります。

求められるロット

ロットは、当事者だけの都合で決められる、数少ない取引要素の一つであります。

単元株価格より安い金額では買えないので、資金が少ない人は不利である、と言う方がいます。

この点については、端株を買えば、さらにロットを下げることが可能です。

そして、デイ・スイングにおいて、ロットの大小が結果に及ぼす影響は少ないのであります。

確かに、小型株において、価格に影響するほど大きなロットを投入すれば、自分の玉で株価は動いてしまいます。

そのような例外をのぞき、あくまでロット選択の自由度は高い。

ロットの大小は、トレードにおいて唯一解き放たれた、数少ない自由性を持つ条件なのであります。

そして、それは手数料・金利についても言えます。

手数料・金利

デイ・スイングのどちらでも、手数料・金利のどちらかはかかって来ます。

取引の必要経費であります。

現物取引では金利はかかりませんが、手数料がかかる場合が多い。

最近では信用取引の手数料が安くなっている場合が多く、手数料無料の証券会社も増えてきました。

しかし、この場合もたいてい金利がかかります。

1ロットが一定金額以上の場合、金利がかからないと言う証券会社もあります。

試しにそこでトレードして見ると、1ロットが細かく分かれて約定し、しっかり金利が取られていました。

部分約定が起こらないよう、かなり注意しないと、金利まで無料と言う訳にはいきません。

取引頻度が高ければ高いほど、必要経費をゼロにすることは難しくなります。

世の中、うまくできています。

それはそうです。

証券会社は営利を目的とした企業体であるからです。

証券会社の都合

  • デイ:都合が良い
  • スイング:どちらとも言えない

証券会社は営利企業ですので、利益が出ないことにはやっていけません。

証券会社にとっては、実はデイの方が都合が良い場合が少なくないのです。

デイでは、取引の回数が自然と増え、手数料が取れます。

たとえ手数料無料の場合でも、回数さえこなしてくれれば、金利が入ります。

金利はロットの大きさではなく、建てた金額の総合計に掛かるのです。

たとえ顧客の資金が小さくとも、資金を回転させ、何度も取引を繰り返してくれさえすれば、建て金額の合計額は増えます。

取引頻度が上がりさえすれば、都合が良いのであります。

ポジションを持ち越さないでいてくれる方がリスクは少なく、その上、金利は取ることができる。

なぜ一日以内に手仕舞うトレードの手数料が無料となるのか。

顧客全員が小ロットでデイトレードをやってくれれば、証券会社の儲けは比較的安全に(追証など発生することがない状態で)漸増するでしょう。

デイトレをやたらと推奨する人がいれば、その人は証券会社の回し者かも…?

トレードの効率

  • デイ:良い
  • スイング:より良い

当方の場合、デイとスイングの効率比較は、どっこい。

しかし、1銘柄全力投入を反復し、勝てるなら話は別です。

スイングで1銘柄全力投入は、そのホールド時間の長さから、かなり難しい。

しかし、すぐ決済するデイでは、不可能ではありません。

そう考えて、一撃爆益手法を目指し、デイをしたこともあります。

結果は一撃玉砕。

一瞬で。

1銘柄に全力投入するなど、バクテに近い。

バクテとは、ハイリスク・ハイリターンを恐れぬ悪手のことであります。

とすると、分散の面まで考慮し、スイング有利、と言う結論になります。

小ロットのデイでは、確かに時間的分散まではできます。

しかし、回数ばかり増え、労多く益少なしであると。。

やはり、その一番の原因は、行き過ぎ(ギャップ)が取れないこと。

バクテを避け、かつ、ラッキーパンチを当てつつ、生き残りたいものです。

さて、本日のトレードは、デイなし、スイング勝ち。

スイングでは、うち3分の2くらい、東1の新高値銘柄を持ち越ししていたのですが、結果は微妙。

微妙なプラスにしかなりませんでした。

しっかり利益が出たのは、やはりアレな株。

アレな株の爆上げ強しであります。

もう大型株はこりて、本日の新規ポジは新興株のアレな株メイン。

マザーズがまだまだ安い。