ゴルディロックスとは
ゴルディロックスとは相場用語。
一般にちょうどいい相場。
適温の相場を意味します。
単語としての意味
Goldilocksの単語としての意味を調べると、
- 「ちょうどいい」と言う語義
- 人名としてのゴルディロックス
- 童話の話
が出てきます。
童話とは、3匹のくま、あるいは、ゴルディロックスと3匹のくまとして知られるイギリスの有名な物語。
イギリスの詩人、ロバート・サウジーによる1837年の作品です。
ただし、もっと古い出典、すなわち口頭による伝承があったとも言われています。
その後、ロシアの小説家トルストイもこの物語を広め、日本にはそちらの方が伝わったとの説があります。
あらすじを要約しますと、
- ゴルディロックスと言う名の金髪の少女が森に迷い込む。
- 留守中の熊の家に上がり込んだ少女は、勝手にスープを食べ、椅子を壊し、ベッドで眠り込む。
- そこに戻ってきた3匹の熊と出くわし、慌てて逃げ出し、自分の家族と再会する。
この物語では、ちょうどいい(快適な)状態を求める心理が暗喩となっています。
すなわち、
- 少女は退屈し、ちょうどいい状態を求めて森に入り込む。
- 熊の家では、大中小のスープのうち、適温だったもっとも小さい器に手をつける。
- 大中小のイスのうち、ちょうどいいと感じた小さなイスに腰掛け、壊してしまう。
- さらに大中小のベッドのうち、ちょうどいい小さいベッドで眠ってしまう。
その結果、戻ってきた3匹の熊は驚き、少女は面食らって逃げ出すこととなるのです。
3匹の熊は面白くない
この話のどこが面白いのか?
正直言いましょう。
まったく面白くはなく、なぜこの話がそんなに有名なのかと思わざるを得ない。
ところが、イギリスでは、この童話は非常によく知られています。
子供たちにとって人気がある部類の童話なのだそうです。
その理由は、シンプルかつ、声に出して演じた時にスリルがあるから。
すなわち、森に迷い込むスリル、熊がいつ戻ってくるかも知れないスリル。
その中で、勝手にスープを平らげ、椅子を壊し、ベッドで眠り込む。
演じる子供、それを鑑賞する子供、ともに盛り上がるのだとか。
最後はピンチを切り抜け、家族と再会するハッピーエンド。
ゴルディロックスの通りゃんせ
日本の童謡、通りゃんせと似ています。
何が面白いのか?
確かに面白くはありません。
しかし、誰もが知っていて、何か心が引かれる。
通りゃんせの歌詞を「退屈だ」の一言で片づける人はいません。
民間伝承とは、そんなものであります。
むしろ、脳に刻み込まれてしまう。
刻み込まれて、記憶のどこかに着実に居坐り続けてしまう。
かごめかごめ、ずいずいずっころばし、なども同じく。
ゴルディロックス相場、すなわち適温相場とは、そんな潜在的心理に裏打ちされた、退屈とスリルとハッピーエンドの物語なのであります。
ゴルディロックス相場とは
ゴルディロックス相場の適温とは、可もなく不可もなく、中庸の、ほどよい状態。
人は真ん中が好きであり、そこに引っ張られてしまうもの。
これは科学的に証明されているところです。
人はより低い準位の状態から励起状態への過渡期に存在する、不可思議な平衡状態を追い求める。
そんな意味のわからない、じわじわとした上昇がゴルディロックス型の巡航相場であります。
しかし、適温・適度・快適な相場の影には、3匹の熊が隠れているもの。
ある時、ゴルディロックスは熊と出会い、相場は一気に崩れ去るのであるからして。
ゴルディロックス効果とは何
失敗したくないと言う心理に引かれ、選択肢が偏る。
プロスペクト理論では、人は利益より損失の方に引っ張られてしまうとされています。
例えば、3つの価格帯から1つを選ぶ際には、損失を避けようとするがあまり、中央の価格帯を選ぶ。
選択肢は真ん中に偏り、その比率は2:5:3になるとも。
これは俗にゴルディロックス効果と呼ばれます。
ゴルディロックスが合理的な選択を妨げるのです。
すなわち、松竹梅とは、中央の価格帯を買わせんとする、お店屋さんの戦略であります。
プロスペクト理論とは、心理学がノーベル賞を取ったと言う極めて奇特な例であり、2002年、ダニエル・カーネマン、バーノン・スミスがノーベル経済学賞を受賞しました。
野性と理性の共存
野性とは3匹の熊であり、ゴルディロックスの少女は理性。
そして野性と理性が共存し保ちあう。
ある瞬間に熊と少女の目が合って、驚きの声をあげ適温相場が崩れる。
「だから何なの?その童話、面白いの?」
何を言うか。
不思議ちゃん効果がちゃんと織り込まれておる。
心理学をなめるなよ。
3匹の熊と目が合うまでは、チャンス待ちに徹せよ。
そして、心理に引っ張られ、不合理な選択をしてはならない。
そういうことであります。
熊が出て来たら様子を見て、やっつけにかかるとします。
その時まで、当方、待ちの一手。
本日の結果
ノートレのやること茄子。
例年、年末年始および1月にやられることは少なくありません。
しかるに、チャンスまでは徹底的に待つ。
これが当方の経験則であります。
どっちにしろ、閑散相場です。
年によっては、5月の連休まで全然だったこともあるのであります。
5カ月これだったらつらいなあ。
一撃奪取の値幅取りを狙う当方、当面は休むも相場の寝正月が続きそう。
こんなんでだいじょぶなのか。
鉄、買おうかな思て一瞬迷い、流行る心を自重のノーポジ引け。