両建てと言うと、同一銘柄の買いと空売り、ダブルのポジションを連想します。
実は他にも、別銘柄、それも複数銘柄間でポジションを組む方法があります。
この場合は、選ぶ銘柄数、買いと空売りの組合せ方によって幅広いやり方が考えられます。
両建てでうねり取りはできるか
買いで下がれば損をする。
そもそも下がるとわかっていれば買うことはありません。
上がると思うから買っている訳です。
これが相場の五里霧中。
すなわち、値動きが読めるのであれば、すぐさま大儲けであります。
つまり、右も左もわからない、五里霧中の中で何とか利確しなければならない。
うねり取りと言う名の、波間の戦い。
その中で必死に浮上するべくあがき続け、せめて大損しないで降りる手法。
結論から言いますと、「せめて波間に浮かんで、ついて行きましょうよ」と言うことであります。
利確は目指さずトントン降り
儲かる、儲からないではなく、何とかイーブンで降りることはできないものか?
明日の寄り値などわかったものではありません。
上がるか下がるか同値なのか、わからないなら浅く広く張る。
網をできるだけ広げるのであります。
網を狭く張っていたのでは、確率が落ちるばかりです。
網を広く張り、万一、魚がつかまったら儲けものと言う、棚からぼた餅を頂く手法。
両建て同時分散売買
そこで考え出した、多数銘柄に同時分散売買手法。
FXでは50銘柄以上に分散と言うのは、原則できません。
株ならそれが可能であります。
多数銘柄と言っても、資金が少なければ限界があります。
20万円の株だったら、5~6銘柄買い持っても120万円で収まる、この手を使いたい。
その5~6の銘柄に買いと売りを混ぜておけば、分散効果が出るのであります。
問題は、買いと売りのパーセンテージです。
どちらを優勢のポジションとするか。
迷ったときは、当方、
買い:売り=2:1
と言う式を採用します。
両建てスイング戦略
2:1の理由ですが、判断に迷う場合はたいてい、膠着気味、閑散気味の時。
イケイケどんどんの場合、逆に妙に相場の雲行きがあやしい場合は、迷うことはありません。
方向感なしの相場では、閑散に売りなし。
すなわち、買いと売りのどちらを選ぶのか?
どちらかと言えば買いであります。
当方の場合、普段から買いスイングが多い訳で、常に買える銘柄を探しているのであります。
上がると思う株をスイングで買っていく。
猿にダーツを投げさせた場合、分散具合はランダムウオーク。
買い・売り、どちらに偏るかは半々くらいなのであるからして。
低リスクで降りる手法
買い:売り=1:1
が猿のダーツ。
どっちに偏るとは言い難い。
もともと無作為に買ったら確率はイーブン。
儲かるか損するかは50%なのであるからして、そこを経験則で買っていく。
これで確率は上がる筈。
そして、その分、空売り玉を買いポジションの半分、追加しておく、これが当方の手法であります。
どんぶり勘定?
ザラバの語源を知っているか
引け成りで注文を出したのに未約定に終わることがあります。
引け成りとは大引け限定の成り行き発注をさします。
以前、未約定を不思議に思い、「買えてない、なぜなんだ」と嘆いていたところ、ある方がこう教えてくれました。
「ザラバ引けも知らないのかよ、このド素人が」と。
確かに大引け15時00分に約定がない株など、ごまんとあります。
その呼び名が「ザラ場引け」であることを知らない時点で、ド素人の初心者であることは明白でした。
板寄せ方式とザラバ方式
約定方法には、
- 板寄せ方式
- ザラバ方式
の2種類があります。
板寄せ方式とは、全体の注文数をつき合わせてから価格を決め、約定させる方法です。
日本株の始値・終値を決める際などがその例。
これに対し、ザラ場中はその都度、売買が成立します。
この方法をザラバ方式と呼びます。
ザラバ引けとは
大引け15時00分には、買い発注と売り発注の比率によっては、売買が成立しないことがあります。
急に大きな買い発注が入った場合などです。
買い・売りの注文において、バランスを欠いた際、注文は「出来ず」となります。
大引けで1000株しか売りが出ないところに500000株の買いが入っても、売買は成り立ちません。
小型株の場合には特に注意が必要です。
引けで売買が成り立たず、売買が最後に成立した時間がザラ場中であると言う意味で、ザラ場引けと言う用語がある訳です。
買いたい株、チャンス銘柄に限ってザラバ引けになることは結構多いので、どうしても買い持ちしたい場合には、寄り付きまたはザラバ中に買っておく必要があります。
売買高の大きい主力の大型株でも、ザラ場引けが起こります。
両建ての実際
500円程度の下げは、日経平均2万円台と言う高価格帯ではたいした下げではありません。
日経が8000円の当時に500円下げると、結構打撃があった訳ですが。
大型株で空売る理由
当方、主力株を少々空売りすることがあります。
大型の主力株は、上がるにしても下がるにしても、通常はたいした値動きはありません。
空売りで思い切り担がれて外せなくなる、と言う心配は少ないのであります。
もちろん、相場が大変動をした場合にはその限りではありません。
個別の材料が出た場合にも持っていかれる可能性はあります。
相場に絶対はないのであるからして。
小型株の上がりを狙う
新興株などの小型株は、日経平均との連動は薄いことが多い。
もちろん、大型株との比較のお話であって、相場が爆下げをすればやはり小型株も下げます。
しかし、微妙に日経平均が下げたくらいでは、小型株はあまり影響を受けないことが多いです。
気を付けるべきは、小型株の場合、個別の材料が突然出た時です。
日経平均など全く無関係に激しく急騰・急落する可能性があります。
小型株は大型株より値動きが大きいので、大型株の空売りでヘッジしつつ、小型株のギャップアップを狙う、これが当方が良くやる戦略であります。
もちろん小型株1銘柄だけでは、その銘柄固有の材料に一喜一憂せざるを得ません。
したがって数銘柄に分散します。
翌日ギャップアップしそうな銘柄になるべく細かく分散するのであります。
両建てポジションの内訳
買い5銘柄(小型)・売り2銘柄(大型)。
当方、スイングで持ち越す場合、このパターンを使うことがあります。
銘柄の選び方は結構適当と言うか、いわゆる相場勘に依存。
ETFアービトラージ手法
「寄り付きダブルインバースが数円割高で…」とツイートする人がいます。
「数円って細かいなぁ」と思いながらプロフィール欄を見たら、裁定取引をやっている人。
日経レバとダブルインバースのETFで裁定取引をやっているのだそうです。
日経レバETF、ダブルインバースETFとも売買代金は大きく、デカポジで薄く裁定利益を抜いて行く手法もあるのか、と。
昔は日経レバもダブルインバースもなくて、ETFの出来高など、タカが知れていました。
ETF両建て手法においては、細かい数円の割高・割安も常にチェックするようになるのでしょう。
しかし、億くらいの資金で回さないと、利幅が薄くて効率は良くないですが。
アービトラージとは
アービトラージの意味は、裁定取引です。
価格差に対し割高なものを売り、割安なものを買う取引。
価格差が縮小した時に、双方の反対売買を行えば利益が出ます。
一例をあげますと、日経平均の先物とトピックスの先物の価格差を追い、価格差が開いた時に割高なほうを売り、割安なほうを買うなど。
メリットは両建て効果によるリスクの低減、デメリットは投入資金に対し利幅が薄いと言う点。
両建ては資金が倍必要になります。
日経平均とトピックスの先物間での裁定ですと、個別株などに比べ値動きがないですから、相当の資金量でアービトラージをしないと、利益らしい利益にはなりません。
資金量が大きければ、それなりの成果が期待できます。
発注システムの問題
裁定取引を個人でやるには、それなりの発注システムが必要なのではないでしょうか。
ある程度自分でプログラムが組めないと、なかなか大変かも知れません。
常時、双方の価格を比べる必要がありますし、同時に約定させる必要も出て来るでしょう。
両方、成りで発注したら妙に不利な値段で約定させられる可能性もあります。
寄り付きだけやっていれば、そんなことはないでしょうが。
場中だと、双方の銘柄の板の上か下の有利な値段のほうに一旦指値を出して、ある程度約定させてから、瞬時に指値を変更して同時に残玉を約定させるとか、小細工が必要?
発注システムの問題は難しい。
素人は寄り付きだけやっているのが良さそうです。
さて、本日はノートレ・ノーポジ。
よくあるどっちつかずの相場であります。
グイグイ動き、かつ、買わずにいられない銘柄はほとんどありません。
おそらくはこの相場、中長期投資のターンであります。
直近の大底で買い、今まで引っ張った人には恩恵あり。
そうでない人にはなかなか難しい。
明日こそ、棚からぼた餅銘柄の出現を希望します。