相場をやっていれば、誰しも超短期売買にハマることになります。
その行く末はおそらく、ティックチャートによる手法であります。
あるいは、そこを通り越し、板読み売買に至ります。
これは超短期売買の常であります。
なぜそんなことになるのか。
当方の思いは、経験則上、以下のようなものであります。
超短期売買の理由
超短期売買にハマる理由は、たいていの場合、中長期投資が上手くいかないからです。
当方、相応の時間を投資に費やして来ました。
その結果、ある程度の知識も身について来ました。
しかし、なかなかガツンと功を奏しません。
ある時、一つの目標として、デイトレの克服を目指しました。
より手っ取り早く利益を得るためです。
いや、利益を相場から収奪する計画を立てたのであります。
時間軸は短くなる
1分足以前、当方は5分足や3分足のチャートを使っていました。
しかし、徐々に1分足チャートに変更。
なぜそうなったか?
買いを入れてから、3分と経たないうちに大損をしたからです。
そんな状況では、5分足や3分足を見ている意味はありません。
その後、デイトレで若干の手応えを感じたこともありました。
ですが、やはり今ひとつ安定せず。
1分足からティック足へ
インしてから1分と経たないうちにやられることも度々ありました。
これでは1分足を見ている意味がないじゃぁないか。
1分足チャートの1本分が確定する前に、すでに損切りするかどうか迷っている状況に陥っているのであるからして。
30秒で損切るのに、1分足チャートを表示しているとは、悪い冗談であります。
損切りするかどうかの瀬戸際では、チャートを見る余裕はありません。
そんなことをしていては、損切りが遅れるだけ。
結果、徐々にティック足を見るようになる、これが相場によくある現象であります。
ティック足は何分足か?
ティック足チャートは、1個のドットが1約定を意味します。
ドットとは点。
量としての時間は意味しません。
約定価格を示すのみなのであります。
1個のドットはあくまで、点としての時間を指します。
瞬間を意味するのであります。
ティック足とは、いわば、限りなく0に近い。
0分足と呼んでもよいのであります。
当方のデイトレはご多聞にもれず、5分足に始まり、3分足、1分足、そしてティック足へとたどっていくことになりました。
ティック足拡大図
この図では、各ティックに横幅があります。
実際は、ドットであるにもかかわらず、このように表示されている場合は多い。
すなわち、各ティックの横幅は量を意味しません。
当方、ある結論に達することになりました。
ティック足チャートを見ること自体、意味がないのではないか?
なぜなら、板だけを見て売買しても同じなのではないか、と。
ティック足に行き当たれば、板読み売買はもうすぐ目の前であると言ってよいのであります。
月間22営業日のデイトレード成績
下表は2018年夏、1カ月間のデイトレ収支です。
8月13日(月) | 0.8 |
8月14日(火) | 1.1 |
8月15日(水) | 0.5 |
8月16日(木) | -2.9 |
8月17日(金) | 0.3 |
8月20日(月) | 0.3 |
8月21日(火) | 0.1 |
8月22日(水) | 0.4 |
8月23日(木) | 0.4 |
8月24日(金) | 0.4 |
8月27日(月) | 0.5 |
8月28日(火) | 1.3 |
8月29日(水) | 1.2 |
8月30日(木) | 0.4 |
8月31日(金) | 0.7 |
9月3日(月) | 1.1 |
9月4日(火) | 0.7 |
9月5日(水) | 1.0 |
9月6日(木) | -5.3 |
9月7日(金) | 1.5 |
9月10日(月) | 1.8 |
9月11日(火) | 2.6 |
(単位:万円)
2つの理由により、デイトレにおいて、ワンショットの金額を極小にしていました。
- デイトレードが苦手であり、それを修正するのが当面の目標であること。
- 夏の期間は例年、あまり成績が良くない傾向があること。
この22営業日の間は、デイトレに関して、ほぼスキャルピングであります。
常に全く同じやり方でインしていました。
表中、赤文字の2日分が負けの日であります。
極小ロットで1日100回、200回のトレード、よくやりますな。
利益が2千円とか、何なの?
ティック手法でわかること
この1カ月で気づいたことをまとめます。
一定水準の通信速度が必須
たしかにティック足では、1分足よりも、よりきめ細かな値動きを確認することができます。
ところが、きめ細かな値動きは、板情報を凝視していればわかることです。
当日の高値から、どのくらい離れた位置に現在の株価があるのか?
順張りのスキャでは、それを確認できれば事足ります。
チャートを見る必要はありません。
それでも板読みの補助にはなるため、常にティック足を表示していました。
ティック足チャートは、連続する砂粒のように表示されます。
砂粒は無限に増えていきます。
このため、1分足に比べ、銘柄コードを入力してから完全に表示するまでに、若干の時間を要すことになります。
いわゆるもっさりした動きです。
微妙な表示時間の遅れ(0.1~0.2秒くらい?)ですが、1日中検索をしている状況では、これがわずらわしく感じられるようになります。
ティック手法には、最速の通信状況が必須であると言えます。
急騰が確認しにくい
ティック手法においては、一日を通し、急騰銘柄を探し続けている状態です。
しかし、慌てて銘柄コードを入力し、板表示を確認、インしてみたらどうも値動きが悪い。
当然、損切りになります。
「おかしいなぁ」と思って1分足チャートを確認してみたら、株価が少ししか上昇しかしていなくて、とても急騰銘柄とは呼べないような銘柄にインしていました。
ティック足チャートと板情報だけを見てトレードしていると、このような罠にハマります。
トレードが近視眼的になるのであります。
ティック足においては、チャートが極めて拡大表示状態になっているに等しい。
したがって、分足で目視した時のように、急騰状態を大づかみなイメージで捉えることができません。
マウスは重要ツール
スキャでは、「ここだ!」と言うところでマウスを1クリック、インすることを繰り返します。
その際、「カチッ」とクリックしているのにも関わらず、不完全なクリックになってしまい、オンにならないことが度々ありました。
マウスはしっかりクリックしたつもりですが、クリック動作が完了されていない。
クリック音はなっているのに、実際はクリックされていない状態です。
これで何度もインのタイミングを逃しました。
不完全なクリック
マウスと言うツールにおいては、そのマウスごとに、クリックの深さが違います。
何の気なしにマウスを握っていただけなのに、勝手に指先に力が入って、意図せぬクリックをしてしまったこと、ありますでしょうか。
いわゆる誤クリックです。
その後に、マウス性能のスペック表も確認し、値段の高いマウスを買いました。
すると、確かに誤クリックはなくなり、マウスの反応も良くなった気がしました。
しかし、不完全なクリック、すなわちクリックしているのに押しボタンが効かない、インしたい時に入れない、そんなことが度々起こるようになりました。
マウスのクリックが深いタイプだったからです。
クリックが深いタイプですと、クリック音もうるさいし、デイトレードには向いていません。
スキャはずいぶん細かいことを気にしなければなりません。
その割にたいして儲かりませんが。
ティック足からの卒業
ほとんどティック足チャートを表示しているだけで、板の動きだけ見て売買。
連続で勝ったことも、何度もあります。
ワンショットが極小だと、笑ってしまうくらい微益ですが。
そうこうしているうち、大きめの損切りが入ってきます。
大きめとは、利幅に対する相対的な大きさです。
瞬時に利益確定していては、そのような結果にならざるを得ません。
ティック足チャートでは、板を食った注文の分が出来高として棒グラフになります。
と言うことは、板だけ見て、食われた枚数を見ていても同じことです。
当方、この経緯により、チャートを見なくなるに至ったのであります。
デイトレにありがちな経緯
デイトレは続けていますと、そのうちチャートを見なくなります。
時間軸が短くなっていき、最終的に板読みトレード法に至るのであります。
板読みは綱渡り
1分足チャートを見ていなくても、おそらくは1分足の頂上近くだな、と言うのは分かります。
「現在値」が「高値」に近い位置にあるのであれば、それは1分足チャートの頂上近くにいると言うことです。
頂上近くにいればいるほどリスクは高い。
しかし同時に、さらに上がるとの期待も大きいであります。
急騰のイメージ図
![急騰する1分足チャートの拡大イメージ図](https://daytrader.tokyo/wp-content/uploads/2018/11/急騰チャート.png)
図1
このような銘柄は往々にして一転、急落する確率もあります。
![急騰後急落する1分足チャートの拡大イメージ図](https://daytrader.tokyo/wp-content/uploads/2018/11/急騰から下落するチャート.png)
図2
上昇局面では1本の分足チャートが徐々に上に長くなり、勢いづきます。
それが一転、逆回転すると、最悪の場合、特別売り気配に巻き込まれかねません。
下げを食らわない方法
過去にいろいろなテクニカル指標を見て、試行錯誤しました。
しかし、食らう時は食らってしまいます。
結局、損切りするしかありません。
どこで下がり始めるかは、何をどうやってもわかりません。
わからないものはわからないので、あきらめて、「念力」で判断。
板読みの根拠は、多くの場合、念力であります。
念力トレード法の勃興
念力とは、「まだだいじょぶ、上がる」「そろそろヤバい」と、瞬時に判断すること。
小学生のゲーマーと同じやり方です。
小学生と言えども、知識や経験が足りないだけで、脳機能はほとんど大人と同じです。
そして、単純な記憶力では、大人は子供にかないません。
念力とは、言い換えれば、全力で注意力を入れ込んだ勘を意味します。
これがデイトレ風情の行きつく先であります。
テクニカルに裏切られた男
これでも昔はMACDやRSIなど、様々なテクニカル指標を見ていました。
ポイント&フィギアとか、ペンタゴンチャートも。
ボリンジャーバンドも2シグマとか、いろいろ考えてやってみましたが、今一つ功を奏さず。
一目均衡表にも敗れました。
ほぼ全てのテクニカル指標を一度は試してみたのであります。
やってもやってもダメですと、原始的、あるいは幼児的な勘に回帰します。
これが悲しいかな、デイトレ風情による板読みトレードに至る経路であります。
何かまずいでしょうか?
さて、本日の結果は、スイング負け。
なぜだか持ち越しのうちの1銘柄が頑強に下げてくれ、全てを帳消しにしてくれました。
先物は上がりまくっていたのに。
こんなのいつものこと。
秋相場は激しいものであります。
アレな株ざっと買い持ち。